見習いお母さん
『あら?ぴーちゃんじゃない。今日はお友達は一緒じゃないの?』
『ぴーぴー』
『フフフッ。ぴーちゃんがもう少し大人に成らないと、赤ちゃんは出来ないのよ?』
ぴーちゃんは一人でフレアの所に遊びに来ていた。
『ぴー…』
『まあ、お友達に赤ちゃんが産まれたのね。フフッ、心配しなくてもぴーちゃんだって良いお母さんに成れるわ。今はお母さんの見習いね?』
『ぴーぴー!』
『そうよ。お母さんになるのは大変なの。』
『ぴー、ぴー』
『ええ、頑張ってね、応援してるわ。』
『ぴーぴーぴー』
『良いわよ?じゃあ……』
−−−−−−−−−−−−−−−
「え?赤ちゃんを抱っこしたいって?」
「にゃー!」
「分かった!分かったからそんなに怒らないでよ。」
「にゃ〜〜」
「ちょっとしたコツがあるんだけどね………」
−−−−−−−−−−−−−−−
「「「ただいまー!!」」」
『あら。あらあら。』
「クロね!ぴーちゃんも!」
『ほう。変化出来たんじゃな?服がいるのう。どれどれ』
ぴーちゃんは5歳くらい、クロは坊と同じくらいの女の子になっていた。
『シロ?これで見習いお母さんになれる?』
『フフッ。そうね。ぴーちゃんは見習いお母さんに成りたいのね?』
『うん!フレアに教えてもらったの!』
『頑張ったわね。きっと良い見習いお母さんに成れるわ』
「ほら、クロも!」
クロはミケの後に隠れる様にして、
『わ、私。…赤ちゃんを抱っこしたいの…。』
「きゃー!クロ!かわいい!!」
付き合いの長いレイヤはクロが人化したのが余程嬉しかったのだろう。クロを抱きしめると、そのままクルクル回り出した。
『あーーーーっ!!』
もう龍化間近のレイヤのクルクルは、凄まじかった。
やっと降ろしてもらった時には、クロはすっかり目を回してしまった。
『さあさあ、どれが良いかな?』
そこには沢山の服が用意され、
「きゃー!これなんか似合うと思うわ!」
『クロには赤いラインのこれなんか…』
『そうじゃな。ぴーちゃんは羽飾りの付いた……』
「今度はこれも…」
「こんにちは。あら?」
「ぴーちゃんとクロじゃな!?」
そこにサラとババ様もやって来た。こういう時の謎センサーは凄いのだ。
「ちょっと待って!それにはこれが……」
「うんうん!かわいいね!私はこれとさっきのを……」
やっと今日着る服が決まった頃には二人ともぐったりしてしまったが、
『じゃあ行きましょうか?』
『フフフッ。赤ちゃんかわいいわよ?』
『『うん!』』
途端に元気を取り戻して、お出かけして行った。
こうしてクロとぴーちゃんの見習いお母さんの道は始まったのだった。