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21. 不可避の願い

「おはようございます」


 宿泊学習が終わってから一夜明けた、土曜日の午後一時半。Dolceria pescaの裏口の扉を開きながら、いつもの挨拶を口にする。


「おはよう」

「あとはお帰りなさい、ね」


 バックヤードにいた太一と柚子からは、それぞれ違った挨拶が返ってきた。言葉は違えども、どちらも笑みを浮かべている。


「楽しかった?」

「そうですね。勝ったり負けたりしましたけど、楽しかったです」

「何をしに行ったのかな?」

「あ、これお土産です。四個入りなので、二個ずつ分けてください」

「あら、ありがとう」


 自分の返事に困惑する太一を見なかったことにして、持っていた袋からパールホワイトとフォゲットミーノットの箱を取り出す。とりあえず、近くにいた柚子に数の説明をしながら手渡しておくことにした。


「冷蔵庫に入れておいた方がいい?」

「そうですね。中身はプリンなので」

「あ、この箱って……」

「知ってました?」

「そうね。有名なお店だから」


 どうやら、莉花と同じく柚子も店のことを知っていたらしい。隣の県の店だが、洋菓子店を営む者として、そういった情報には詳しくなるのだろうか。そんなことを考えつつ、じっと箱を見つめる柚子の様子を窺う。


「じゃあ、ちょっと冷蔵庫に入れてくるわね」

「頼んだよ」


 そう言って、柚子が二階に姿を消す。特に何かあった訳でもなく、ただ見つめていただけのようだった。デザインが綺麗な箱なので、何か参考になるものでもあったのかもしれない。


 そうして後に残ったのは、自分と太一の二人だけ。


「アイリスさんはまだ来てませんか?」

「いや、もう来てるよ。今そこで着替えてる」


 太一が指差すのは更衣室の扉。その中にいるのなら、自分達の話し声も間違いなく聞こえているだろう。


「もうすぐ出てくるんじゃないかな。どうかした?」

「いや、アイリスさんにも同じものを買ってきたんですけど、持って帰るまでどこに置いておこうかと思って」


 一度だけちらりと更衣室の扉を見てから、視線を持っている袋の中に移す。そこには、柚子に渡したものと同じ箱が一つと、もう一つ別の箱が入っている。


 別の箱の方は常温でも何も問題はないが、プリンが入っている箱は、できるなら冷蔵保管しておきたい。帰るまで少し時間が空いてしまうので、中身が悪くなってしまわないか心配だった。


「それなら、二階の冷蔵庫に一緒に入れておけばいいよ」

「いいんですか?」

「さっきの箱だよね? それくらいなら余裕はあったはずだし、後で着替える時に持っていったら?」

「じゃあ、そうさせてもらいます」


 太一の提案をありがたく受け取り、軽く頭を下げる。そうこうしているうちに、二階から柚子が戻ってきた。


「さて、今日の葵君には、残念なお知らせが一つあります」


 その柚子から言い渡された不穏な言葉。出勤早々、一体何なのだろうか。


「気になると思うけど、アイリスさんが着替え終わってから言うことにするわ。……その方が面白くなるし」

「今、『面白くなる』って言いました?」

「言ってないわよ?」


 明後日の方向を見ながら惚ける柚子だが、間違いなく言った。言葉の最後に小さく付け加えられた程度で、はっきりと聞き取れなかったところはあったが、この柚子の反応で確信する。


「もう帰っていいですか?」

「アイリスさんに全部の仕事を押し付けていいの?」

「ぐ……」


 不穏を避けるか、不安を避けるかの二択だった。柚子の不穏な言葉から逃げれば店内にアイリスが一人だけという不安な状況。その不安を解消しようとすると、今度は柚子からは逃れられない。どちらに転んでも、自分がもやもやするという状況はほとんど変わらなかった。


「大したことじゃないから、そんなに心配しなくてもいいと思うよ。……多分」


 そのタイミングで、今まで静観していた太一が自分を安心させるようにそう呟く。最後に何かを付け加えたような気がしたが、今回は残念ながら一言も聞き取れなかったので、太一のことを信用するしかない。


「そこまで言うのなら……」

「じゃあ、決定ね」


 嬉しそうに言う柚子からは、意外と何の悪意も感じられない。もしかすると、不穏なのは言葉だけで、実際は拍子抜けするような事態で終わる可能性もあるのかもしれない。


「あ」


 そんなやり取りの間に着替えを済ませたアイリスが、更衣室からバックヤードへと戻ってくる。


「おはようございます、葵さん!」

「おはようございます」


 思わず見惚れてしまいそうな程に可愛らしい笑みを浮かべ、いつもなら朝に交わすはずの挨拶を交わす。会わなかったのは木曜日と金曜日の二日間だけなのに、やけに久しぶりに感じる声だった。やはり、毎朝一緒に登校しているのは大きい。


「宿泊学習はどうでした?」

「びしょ濡れになりました」

「だから、葵君は何をしに行ったんだい……?」


 太一の困惑は今回も置いておく。


「アイリスさんにもお土産を買ってきたので、帰りに渡しますね」

「ほんとですか! ありがとうございます!」


 そう言って、アイリスが嬉しそうにしながら頭を下げる。この元気な後輩を見ていると、日常に帰ってきたのだと強く実感する。イレギュラーな出来事で会えなかった分、存分にからかってあげたい。


「……今、変なことを考えませんでした?」

「何も?」


 そんな気持ちが目に宿ってしまったのか、それとも単にアイリスが鋭いだけなのか。危うく何かを見抜かれそうになって、思わず目を逸らす。これ以上考えていることが漏れ出さないよう、今一度気を引き締める必要がありそうだった。


「……まぁ、いいです。で、ちょっと聞こえてましたけど、残念なお知らせって何ですか?」

「あ、それはね……」


 やはり、柚子の言葉は更衣室にいたアイリスにも聞こえていたらしい。話題を戻すかのようなアイリスの言葉を受けた柚子が、もったいぶるようにそこで一度言葉を切る。アイリスと自分の意識が自らに向いたことを確認し、それから口にした言葉は。


「葵君が今日着るはずのウェイター服、間違って全部クリーニングに出しちゃった」

「は……?」


 太一の言葉とは裏腹に、十分大したことだった。




「いやいや……、じゃあ、今日はどうするんですか」

「困ったよね」

「困ってるのは僕ですよ」


 先程から、太一の様子は徹頭徹尾変わらない。従業員が一人、店内に出られるか出られないかという問題は、そんなに淡々と話すことではないと思うのは、果たして自分だけなのだろうか。


「え、今日は私一人、ですか……?」


 アイリスも事の重大さを理解したようで、不安そうに呟いている。働き始めてからまだ一か月程しか経っていない中で、心の準備もなくいきなり一人にされては、誰だって今のアイリスのような状態になるに違いない。そんな不安を感じさせないために自分がいるはずなのに、これでは全く意味がない。


「大丈夫。葵君が着る服ならあるから」

「全部クリーニングに出したんじゃなかったんですか?」


 たった二十秒程度の間に、柚子の言葉が正反対になっていた。結局着る服はあるのか、それともないのか。


「っ!?」


 そこまで言ってから、唐突に閃いた。それと同時に、冷たい緊張が走る。頭の中で組み上がっていく正解であってほしくない仮説が、自分の視線を無理矢理動かす。


「な、何ですか?」


 その視線の先にいるのはアイリス。少しだけ不安そうな表情に庇護欲を刺激されつつも、思考は高速で巡っていく。


 アイリスと初めて出会った時、柚子は何と言っていただろうか。確か、アイリスに合うウェイトレス服が用意できなかったので、手元にあったウェイトレス服のサイズを調整したと言っていた覚えがある。その後、もう一着を発注して、アイリスは二着の制服を持っているはずだ。


 では、何故「ウェイトレス服」が手元にあったのか。アイリスがやって来るまで、その服を着る者はいなかったはずなのに。


 柚子は、こうも言っていた。


(いつか僕に着てもらおうと思って……!)


 ウェイター服もウェイトレス服も、必ず一人二着。ならば、手元にあったのが一着だけというのはあり得るのだろうか。


 アイリスが持つのは、サイズを直したものと、新たに発注したもの。そうなると、余った一着は。


「じゃあ、持ってくるわね」

「嫌です」

「葵さん?」


 噛み合わない会話を交わす自分と柚子に、アイリスが不思議そうな目を向けている。どちらかと言うと、突然拒否の姿勢を示した自分に対して困惑しているようだった。


「私服でホールに立つの?」

「う……」

「葵君のことだから洗濯はしっかりしてると思うけど、ここは飲食店だからね。流石に私服で働くのは許可できないよ」

「ぐ……」


 太一からの強力過ぎる援護射撃。ただし、援護されているのは柚子の方である。


「ちょっとだけ待っててね」


 そうして柚子が、再び二階へと姿を消した。自分にとって、この上なく厄介なものを持ってくるために。


「……」

「どんな表情ですか、それ」

「どんな表情をしてます?」


 アイリスの指摘を受けるが、自分がどんな感情を露わにしているのか、それすらも理解できない。


「厄介事に巻き込まれて面倒そうで、でもちょっと泣きそうな顔です」

「僕のこと、よく理解してくれてるんですね」

「えへへ……。そうですか?」

「褒めてないです」

「なんでですか!」


 ころころ変わるアイリスの表情を見て心を落ち着かせようとしても、いつも通りのやり取りで心を落ち着かせようとしても、結局凪は訪れない。どうすれば抵抗できるのか、それだけを考えていると、柚子が階段を下りる音が聞こえてきた。


 一段下りる音が聞こえる度に、心の騒めきは大きくなる。どうか予想が外れるようにと心の中で祈る自分の前に姿を現したのは。


「じゃん! ウェイトレス服が一着余ってました!」


 可愛らしいウェイトレス服の形をした絶望だった。




「やっぱり……」

「あら。予想通り?」

「正解であってほしくなかったです……」


 これほど予想が外れてほしいと思ったことは、恐らく人生で一度もない。そして、今後もきっとないはずである。


「今日はこれを着て接客してもらうしかないわね!」

「どうして嬉しそうなんですか」

「やっとこの服が役に立つからに決まってるでしょ!」

「アイリスさんが着てますよね」

「それとこれとは別」


 清々しいまでの否定。やけに楽しそうな柚子の様子からは、何を言っても意見を覆すつもりはないという強い思いが伝わってきた。


「アイリスさんも言ってあげてくださいよ。これを着た男の近くで働きたくないって」

「……」


 柚子を攻め落とすことができないのなら、アイリスという味方を増やす。そう思ってアイリスに声をかけてみるが、何故か返事はない。その様子が気になって隣に目を向けてみると、そこには自分とウェイトレス服の間で視線を行ったり来たりさせているアイリスがいた。


 またしても嫌な予感がする。


「アイリスさん?」

「葵さん!」

「はい」

「着ましょう!」


 案の定敵だった。これ以上ない程に純粋な期待を込めた笑みを浮かべる、これ以上ない程の敵だった。思い返してみれば、初めて会った日に「似合いそう」と言っていた。


「嫌です」


 もちろん自分の返事は拒否である。受け入れる訳がなかった。


「絶対に可愛いですから!」

「嫌です」

「看板娘になりたくないんですか!」

「嫌です」


 とあるクラスメイトを頭の中に思い浮かべながら、壊れたレコードのように繰り返す。この店における看板娘など、アイリスだけで間に合っているはずだ。


「葵さんっ」

「嫌です」

「そこを何とか!」

「嫌……、です」


 何に興奮しているのか知らないが、妙に頬を赤くしたアイリスが詰め寄ってくる。思ったよりも距離が近く、見上げてくるラピスラズリが心臓に悪い。半貴石と呼ばれることが多いラピスラズリだが、目の前で煌くラピスラズリであれば、万人が貴石と勘違いしてしまうことだろう。


「ほらほら、アイリスさんもこう言ってるのに、それを無下にしちゃうの?」

「……」


 宿泊学習では見せなかった、ある意味では自分の弱みのようなもの。この後輩のこととなると、どうしても少し甘くなってしまうのは自覚していた。


 とはいえ、自分にもなるべく譲りたくない一線はある。これを越えてしまえば、今後もなし崩し的に押しきられることが増えてしまうはずだ。


「いや……、です……」


 だが、最初に比べて拒否の勢いが明らかに弱まる。柚子だけであればどうにかなったのかもしれないが、アイリスとの二人がかりとなるとどうにもできない。


「どうしてもだめ、ですか……?」

「うぁ……」


 目の前で急にしおらしくなったアイリスが、若干上目遣いで不安そうに呟く。それが最後の一押しとなった。


「……」

「葵さん……?」

「……きょ、今日だけなら、何とか」


 心の中で白旗が上がる。自分で勝手に難攻不落だと思っていただけの砦は、たった一人の攻撃によって脆くも崩れ去った。


「ほんとですか! やったぁ!」

「言ってみるものね」

「ま、予想通りではあったけど」


 三者三様の感想が漏れる中、アイリスの喜ぶ顔が一際輝いていた。




「……」


 一人、二階で立ち尽くす。手にはウェイトレス服。アイリスが着ているもののサイズ違いだった。


「アイリスさんが着てる方が、これのサイズ違い、ですかね……」


 心の底からどうでもいいことを呟きながら、そのウェイトレス服を眺める。


 アイリスが着ている姿はもう何度も見てきたが、改めて見ると、どう考えても男が着るデザインではない。全体としては動きやすいように設計されながらも、過剰な装飾とならない程度に、ところどころフリルがあしらわれている。


 試しに体に合わせてみると、スカートの裾がちょうど膝の上辺りで揺れる。


「膝上……」


 ただでさえ気乗りしないのに、さらにマイナスの要素が付け加えられた。何が悲しくて、膝上丈のスカートで接客をしなければならないのか。


 そうは言っても、今日着るものはこれしかない。自分がここでいくら葛藤しようが、結末は変わりようがなかった。さらに言えば、あまり時間がない。


「着ればいいんでしょう……、着れば……」


 観念するようにわざわざ独り言を呟いて、そのウェイトレス服に袖を通していく。サイズがぴったりなのが、無性に切なかった。


 慣れない構造に少し戸惑いつつも、何とか体裁を整える。普段使っている姿見が近くにあるが、今日ばかりは視線すら向けない。


 今の姿を見ないこと。それが、自分にできる最後の抵抗だった。




「着替えました、けど……」


 着替え終わってから一分程躊躇い、ようやく階段を下りる。バックヤードではアイリスと柚子が今か今かと待ちわびていたようで、姿を見せた途端、その視線に貫かれた。


「っ!」

「やっぱり似合うわね」


 二人の反応は正反対。


 アイリスは言葉すら出ないようで、身を乗り出して興奮を表現している。輝く表情の中でも一際光を放つ瑠璃色の瞳は、一瞬たりとも自分から逸れることがない。


 一方の柚子は、表面上は落ち着いた様子でしみじみと呟いている。しかし、その目はウェイトレス服のデザインは間違っていなかったと、そう高らかに叫んでいた。


 結論としては、どちらも「目は口程に物を言う」である。


「……笑いたければ笑えばいいじゃないですか」

「笑うなんて! 最高に似合ってますよ! 葵さん!」

「何も嬉しくないです」


 これ以上ないくらいに素直な感想を伝えてくるアイリスだったが、自分には一言も響かなかった。むしろ、似合っていてほしくなかった。


「可愛いぃ……!」


 遠くから眺めるだけでは満足できなくなったのか、アイリスが席を立って近寄ってくる。


「葵さんの雰囲気にぴったりじゃないですか……! うわぁ……、腰も細い……!」

「う……」


 近寄るだけでは飽き足らず、体をぺたぺたと撫で回してくる。男女が逆なら、とっくに通報案件だった。


 近くで揺れるアイリスの髪から、洋菓子店特有のものとは違う種類の甘い香りが漂ってくる。普段一緒にいる時から感じている香りではあったが、これだけ近いと、その分より強く感じられた。


「足も綺麗ですね」


 半ば現実逃避のようにアイリスの髪のことを考えていた訳だが、そう言われた瞬間、反射的にスカートの裾を握り締めることになった。このウェイトレス服を着て発覚した、最大の懸念点がそこである。


 当たり前の話だが、今日は元々スカートを着るつもりなどなかった。だからこそ、いつも通りに少し短めの靴下を履いてきたのだ。ところが、店に来てみればこの惨事。結果として、惜しげもなく足を曝け出すことになってしまったのだった。


 裾を掴んだのも、できるだけ足を隠そうと思ってのこと。そんなことをしても、裾が伸びる訳ではないのだが。


「あ! その仕草! 可愛いの最高記録です!」

「何をしても燃料にしかならない……」


 今のアイリスにとって、自分の一挙手一投足は全て可愛さのアピールにしか見えていないらしい。何か行動する度、アイリスの中で燃え盛る炎に燃料が追加されていく。


「こうして同じ服を着てると、何だか姉妹みたいね」

「今日一日頑張りましょうね! 姉さん!」

「順応が早過ぎるんですよ」


 柚子の余計な一言にアイリスが即応する。こんなどうでもいいところの行動がやけに素早い。


「柚子さん」

「何?」

「葵さんのウェイター服、両方封印しちゃいましょう」

「何てことを」

「いい考えね」

「正気ですか?」


 目まぐるしく変化していく状況に追いつけなくなっていると、いつの間にかアイリスと柚子が強硬手段に出ようとしていた。これからは、自宅に持って帰ってでもウェイター服は死守しなければならないのかもしれない。


「こんなにウェイトレス服が似合うのに着ないなんて、宝の持ち腐れですよ!」

「宝じゃないです」

「葵君が駄々をこねるのなんて、初めてじゃない?」

「これは『駄々をこねる』とは言わないです」


 わがままを言っているのではなく、尊厳を守っているだけの話だ。間違ってもそんな言葉で表現されていい行動ではない。


「お、着替え終わったんだ。よく似合ってるよ」

「似合ってほしくはなかったです」


 バックヤードの賑やかさで自分が着替え終えたことを察したのか、キッチンから顔を覗かせた太一からも嫌な褒め言葉を受け取る。そもそも、その言葉は褒め言葉として捉えていいのだろうか。


「もうすぐ二時になるから、そっちの方は頼んだよ」


 そんなもやもやした気持ちを抱える自分の退路を完全に断つ、太一の一言。予想もしていなかった受難は、まだまだ始まったばかりなのだった。




 極大の羞恥心を抱えながら接客を始めて少し。これまでの客は初めて見る人ばかりで、特に何も言われることはなかった。


 ただし、それはそれで複雑な気はする。何も言ってこないということは、彼らの中では、「この店で働いているのは、ウェイトレスが二人」という認識になってしまったことを如実に表していた。


「……何があったの、葵さん」

「いらっしゃいませ」


 だが、いつまでも新規の客だけが訪れる訳がない。訪れてしまった常連との邂逅の時間。平日はよく部活帰りに立ち寄ってくれる、近くの中学校の女子生徒が、普段の自分の姿を知る本日第一号の客だった。


「いやいや。『いらっしゃいませ』じゃなくて」

「お帰りはあちらです」


 あまりにも気まずい空気に負けて、目を丸くしている彼女を即座に帰らせようとしてしまった。何も考えずに口を衝いて出た、心からの言葉である。


「待って待って。帰らせようとしないで」

「……ご注文はお決まりでしょうか?」

「それを着てる理由を一つ」

「非売品です」


 ただし、そんなに簡単に帰ってくれるはずもなく。とりあえずは非売品の要求を問答無用で却下する。無料で貰える笑顔とは訳が違うので、そう易々と理由をばらすつもりはなかった。


「何? とうとう心変わりでもしたの?」

「どう心変わりしたらこうなるんですか?」

「女の子としての自覚とか何とか」

「男です」

「その見た目で信じてもらえると思ってるの?」

「……」


 本気で言っていそうなその一言が、心に鋭く突き刺さる。言葉は刃物なのだから、その取扱いには十分に気を付けてほしい。さもなければ、女子中学生の目の前で男子高校生が泣くことになる。


「ほんとに似合ってますよね!」

「似合いすぎて、ちょっと引くくらいにね」


 そんなタイミングで、未だに興奮冷めやらぬアイリスが参戦してきた。同年代の常連客とはこの一か月ですっかり仲良くなったようで、最早友人のように接している。


「……」


 その常連客からどう扱われているかは、今はまだ知らせない方がいいだろう。以前に聞いた話では、店員というよりもマスコットとして見ているとのことだった。


「この服、元々葵さんのために用意されてたらしいですよ?」

「へー……。愛されてるんだ」

「もっと別の愛され方がよかったです」

「愛の形は人それぞれですよ、葵さん」

「ウェイトレス服の形をした愛なんて、こっちから願い下げです」


 こんな複雑な形をした愛など、そうそうない。


「それで、ご注文は?」


 荒れた心が漏れ出てしまったのか、いつもより接客が雑になっていた。常連客が相手だからというのもあるが。


「今の葵さんの写真を一枚」

「ご来店、ありがとうございました」

「だから帰らせようとしないで」


 真面目な顔で言い放たれたところで、生憎そういったサービスは提供していない。この姿が写真になって残るなど、想像もしたくなかった。


「今ならこのケーキがおすすめですよ!」


 そのうちスマートフォンでも取り出して勝手に撮影するのではないかと警戒していると、隣のアイリスが自分の代わりにショーケースの一部を指差す。その先にあるのは、旬のメロンを使ったケーキ。去年もこの時期から店頭に並んだ、期間限定の商品だった。


「抜けてるように見えて、こういうところはしっかりしてるよね」

「お仕事ですからね!」

「そんなアイリスさんのおすすめなら、それ一つで」

「店内でお召し上がりですか?」

「もちろん。葵さんをじっくり眺めながらね」

「出禁にしますよ」


 流れるようにカフェスペースの利用を決めた彼女に対し、店員としての強権を振りかざす。常連客を一人失うのは痛いが、そうしなければ、それ以上の何かを失ってしまう気がした。


「出禁になったとしても、窓の外から覗いてやるもんね」

「その逞しさは、ここじゃないどこかで発揮してください」


 やけに自分のウェイトレス姿に拘っているが、こんな場面で発揮する逞しさは、そのままストーカーに直結している。辿り着く先は、窓の外から覗き込まれる側だ。具体的には「囚人」と言う。


「お待たせしました。お席までお運びしますね」

「ありがとー、アイリスさん」


 そんなことを話している間に手際よく商品の用意を終えたアイリスが、彼女を伴ってカフェスペースへと向かっていく。


 二人の後ろ姿を見送り、これで一旦解放されたと安堵しつつも、今日一日で何度同じことを繰り返すのかと考えてしまってげんなりする。店員と客の距離が近いのはいいことだが、今日に限っては、これほど恨めしいこともなかった。




「ありがとうございました」


 日が傾き始め、慣れたくないウェイトレス服に慣れ始めてしまった頃。会計を済ませた客を見送っていると、近くでいきなりシャッター音が鳴り響いた。


 カフェスペースでケーキの写真を撮影しているにしては近過ぎるその音。とうとう本当にこの姿を写真に撮る客が現れてしまったのかと、音がした方向に顔を向ける。


「あ、顔は前を向いたままでお願いね」


 柚子だった。


「……何をしてるんですか」


 思わずじっとりとした目で見つめてしまう。どこをどう切り取っても接客用には聞こえない、やや低めの声が出てしまった。


「写真を撮ってるの」

「それは見れば分かりますよ。どうしてですか?」

「ん? お店のホームページに載せようかなって」

「絶対に、だめ、です」


 わざわざ一言一言を区切って強調する。写真を残すだけでも想像したくなかったのに、その写真がインターネットの海を漂うことになるなど、断じて許されることではない。そんなことになった日には、しばらく家から出られなくなる可能性があった。


「ほら、可愛い店員さんがいれば、売り上げも上がるかもしれないでしょ?」

「だったら、アイリスさんを撮っておけばいいじゃないですか」


 そう言いながら、テーブルに残った皿を片付けているアイリスを指差す。あの姿を見て、可愛くないと評価を下す人はいないだろう。もちろん、アイリスの許可が必要なことには変わりないが。


「もちろんアイリスさんの写真は後で撮るけど、二人載ってた方がもっと効果がありそうでしょ?」

「店員の女装姿をホームページに載せて、本当に売り上げが上がるとでも?」


 随分と真剣な声音で言う柚子だったが、アイリスで上がった分、自分で下がってプラスマイナスゼロだ。売り上げが上がらなければ、ただただ自分の女装姿が世界に公開されただけである。


「それに、こんなに可愛いのに形に残しておかないのはもったいないでしょ?」

「もったいない精神を発揮する場面じゃないです」


 人はそれを「余計なお世話」と言う。


「そもそも、僕にだって肖像権ってものがあってですね」

「今日の葵君にはないわよ」

「独裁者ですか」


 あまりにも唐突な強権発動に、思わず苦笑いが浮かんでしまう。歴史上の独裁者を見ても、ここまで直接的に人の権利を奪った者はそうそういないだろう。自分は今、歴史的な瞬間に立ち会っているのかもしれない。


 もちろん、心の底から立ち合いたくなかった。


「私は葵君の雇い主よ?」

「それを世間ではパワハラって言うんですよ」

「あら、手厳しいわね」


 手厳しいとは全く思っていなそうな調子で柚子が言う。その目は緩やかな曲線を描いていて、まだ何かを企んでいるのは明らかだった。


「でも、葵君の首を縦に振らせるのは、結構簡単なのよね」

「何を……?」

「アイリスさん」

「はい?」


 今日の昼以来の不穏な言葉を呟く柚子が、ちょうど戻ってきたアイリスに声をかける。


「葵君は、可愛い後輩のアイリスさんにお願いされるのに滅法弱いでしょ?」

「……」

「何のお話ですか?」


 的確に弱点を突かれて黙り込み、そして目を逸らす。これでは、はっきり肯定しているのと何も変わらない。


 一方のアイリスは、話が見えずに困惑していた。


「アイリスさん。あの葵君と一緒に写真を撮りたくない?」

「撮りたいです!」


 話が見えた瞬間の即答だった。一瞬たりとも考えることなく、反射的に返したとしか言えない速度である。


「でもね? 葵君は写してほしくないんですって。アイリスさんからもお願いしてみて?」


 この場において、これ以上ない程に正しいアイリスの誘導の仕方。やはり、柚子の方が自分よりも一枚も二枚も上手だ。


「葵さん!」

「……何です」

「撮りますよ!」


 にこにこと楽しそうに笑みを浮かべるアイリスの言葉は、お願いではなく決定事項の伝達だった。アイリスの中では、伺いを立てる、確認を取るといった段階はとうに過ぎ去っているらしい。


「嫌です」

「この葵さんを写真に残さないなんて、人類の損失ですよ!」

「そんな人類は滅べばいいです」


 そうすれば、もうこの服を着なくて済む。


「アイリスさん。ちょっと……」

「はい?」


 頭の中で勝手に人類を滅亡させている間に、柚子がアイリスを呼び寄せる。何かを伝えようとしているようだが、間違いなく自分を苦境に立たせることを伝えようとしているようにしか見えないのは何故なのだろうか。


「あのね、……に……いから……」

「……ほど。……っとや……ます」


 何を話しているのか聞こえないが、やはり自分にとってプラスの方向の話ではないことは確かである。アイリスの目がちらちらとこちらを見ている辺り、想像通り自分を追い詰めるための作戦会議でもしているのだろう。


「葵さん」

「だめですよ」


 先程とは打って変わって、やや落ち着いた声。勢い勇んで来ないのは歓迎できるはずの事態なのに、何故かまだまだ嫌な予感がする。そんなアイリスの様子に、思わず口を衝いて出たのは、拒否の言葉。


「そんなに嫌ですか……?」

「……嫌です」

「どうしても……?」

「……」


 絶対に受け入れないと誓ったはずなのに、早くも少しだけ心が揺れ動く。


 目の前のアイリスの様子が柚子の入れ知恵なのは、自分もよく分かっている。大方、「しおらしくしてみるといい」とでも言ったのだろう。自分のことをとてもよく理解した、実に的確なアドバイスである。


 他の誰かに比べてアイリスに甘いのは、結局ここまで慕ってくれる後輩が初めてで、自分でも思っている以上に嬉しかったということなのだろう。やり口がウェイトレス服を着ることになった時と同じであることは理解しながらも、上手く切り抜ける方法が見つからない。アイリスのしおらしい姿は、自分に対して効果抜群なのだった。


「……」

「う……」


 とうとう無言で見上げてくるだけになったアイリスの視線を受けながら、何とか頭を回転させる。無意識に、口からは先程と同じ呻き声が漏れていた。


(写真くらいなら……? 誰にも見せないのなら……)


 心は陥落寸前。撮影を却下する理由ではなく、自分に対する言い訳を考えてしまっている時点で、既に勝敗は決しているというものだ。


(いや、でも……。口約束だけじゃ……)


 微かに残っていた反対派が声を上げるも、多勢に無勢。その声は、民主主義の原理に則って飲み込まれる。


「……ちょっとだけ、なら……」


 という訳で、陥落した。今回も可愛い後輩には勝てず、まるで頭の上に白旗が立っているかのようである。


「やった! やりました、柚子さん!」

「狙い通りね。葵君はアイリスさんの控えめなお願いに弱い、と」

「……」


 受け入れた途端、アイリスが無邪気な笑みを浮かべて喜びを爆発させる。支払った代償は非常に大きかったが、その尋常ではない可愛さを見ることができたということで、ほんの少しだけ報われたような、そんな気がするのだった。




 店のホームページに載せることだけは拒否に成功して迎えた撮影会。場所はいつものカウンターの中である。


「ほら、もっと笑って」

「無理に決まってます……」


 柚子からそう促されるも、心の中にあるのは羞恥心だけ。そんな状況で、一体誰が笑って写真を撮ることができるだろうか。


「お客さんもちらちら見てますよ?」

「だからこそですよ」


 そう言いながら、アイリスがカフェスペースの方へ目を向ける。その動きに釣られて自分もそちらを見てみれば、じっとこちらを見つめる数人の客と目が合った。


 今回に限らず、いきなり店員の写真を撮り始めるというイベントが始まってから、客からの視線は何度も感じていた。一度、スマートフォンまで取り出された結果、自分が全力で拒否して、柚子がその場を収めるという一幕もあった。


 ともあれ、何とか開催となったアイリスと柚子待望の撮影会は、ひたすら自分が耐える時間でもあった。


「ちゃんと笑えば、男の子の十人や二十人くらいは落とせそうなんだから。もったいないわよ?」

「桁がおかしいですって」


 なおも笑みを促してくる柚子だったが、本当にその言葉で自分が笑うと思っているのだろうか。もしそうだとすれば、柚子とは少し話をしなければならないのかもしれない。


 ついでに言っておけば、一桁ならいいという訳でもない。ゼロ以外は認めない。


「やっぱり、こんな風に撮ろうとすると、ちょっと表情が硬くなっちゃうのかもね」

「今日、僕の表情が柔らかくなったことはないです」


 今日一日、まるでアルバイト初日かのように常に緊張し続けている。この服を着て笑えというのは、とてもではないが無理な話だった。


「それなら、接客してる時にこっそり撮ることにするわ。そっちの方が、意識しない分まだいい写真が撮れそう」


 笑えなかった結果、目の前で二人目のストーカーが誕生してしまった。写真を撮ろうとしている分、こちらの方が罪は重い。


「ってことで、アイリスさんとのツーショットの時間にしましょうか」

「はーい! 失礼します!」


 何かを諦めた柚子の一言を合図にして、それまで少し離れたところで待機していたアイリスが隣にやって来る。写真を撮るからなのか、普段並んで歩く時より隙間が狭く、少し身動ぎするだけで、腕がアイリスの体に触れそうな距離だった。


「ただ並んでるだけってのもね……」


 何かのポーズを取ることもなく、二人並んで立っているだけという見た目が物足りなかったのか、柚子から不満そうな声が上がる。距離が近いのは並んでいるだけではないような気もするのだが、残念ながら、見ている側からするとそうでもないらしい。


「えっと……、じゃあ、こんな感じでどうですか?」


 わざわざ解消しなければならない訳でもない柚子の不満を、それでも解消しようとしたのだろうか。少しだけ迷った末にアイリスが取った行動は、思いもよらぬものだった。


「え……」


 これまでは「触れそう」だった距離が、いきなりゼロになる。思わず声を漏らしながら何をされたのかを確認してみると、いつの間にかアイリスの右腕が自分の左腕に絡み、その体温をうっすらと伝えてきていた。何がとは言わないが、それ以外にも色々と触れている。


「え……!?」


 いくらこんな格好をしているとはいえ、これは流石に距離感がおかしくないだろうか。それとも、自分が知らないだけで、異性であってもこれくらいは普通なのだろうか。


「そうそう! そんな感じで!」


 そんなアイリスを振り解くということができるはずもなく。余計なことを意識しないよう、わざと答えが見つからない問答を頭の中で繰り返す自分を尻目に、カメラマン役の柚子からは興奮したような声が上がる。どうやら、この格好がお気に召したらしい。


「葵君の困った表情もいいわね。そのままで!」


 そう言いながら、早くも何度かシャッターを切っている。興奮具合とシャッターを切る速度が正比例の関係にあった。


「ほらほら、葵さん! ピース!」

「いや、えぇ……?」


 困惑したままの頭ではろくに考えることもできず、ただただアイリスの言葉に従う。カメラに向けて腕を伸ばすアイリスとは対照的に、自分は胸の前で控えめに右手を掲げる。


「元気っ子と控えめな子って組み合わせね。これだけでご飯一杯はいけそう」


 よく分からない例えをする柚子だったが、食べられる量は現実的な数だった。


「三杯じゃないのが悔しいですね」

「そこは悔しがるところじゃないです」


 生まれてからほとんど日本で暮らしているとはいえ、よくそんな表現を知っているものだ。


 それはさておき、今気にするべきことはそれではない。本当に気にするべきなのは、若干不満そうに悔しがっている、アイリスの様子そのものである。


「あと二杯食べさせるには……」

「余計なことはしないでくださいよ?」

「余計なことはしませんよ?」


 何かを考えながら見上げてくる瞳は、見た目だけなら純粋そのもの。見つめているとそのまま吸い込まれてしまいそうになる程、純粋に綺麗な瑠璃色だった。


「どうしましょう……? あとは抱き付く、とか……?」

「絶対に許しませんからね」


 そうしてアイリスの口から出てきた案は、まさに余計なことの筆頭だった。そんなことをされた日には、自分が色々と大変なことになる。具体的に言えば、主に理性が人生で一番過酷な労働を強いられることになるはずだ。


「僕が男だってことを忘れてませんか?」


 こんな格好をしながら言うことではないと思いつつも、それでもそう言わずにはいられない。先程から、アイリスの距離感が同性に対するそれになっているような気がしてならなかった。


 仮に同性に対してのものであっても、やや近いような気もするが。


「またまた」

「それはどういう意味で?」


 それなのに、アイリスは何を言っているのか分からないといった様子で軽く手を振っている。一体何を言いたいのだろうか。


「こんなに可愛いんですから、男の子って言われても信じられないです」

「……一回はっきりと教えてあげる必要があるみたいですね」

「どうやってですか?」

「……」


 ろくでもないことを言い出したアイリスに反論してみるも、咄嗟に浮かぶ案は何もなかった。


「どうするんですか?」

「えっと……」


 それでもアイリスの質問は続く。何故か少しだけ楽しみにしているような、そんな眼差しが何の答えも出せない自分に突き刺さる。当然その視線を受け止められるはずもなく、そっと目を逸らす羽目になった。


「葵さん?」

「……どう、しましょうか?」

「それを私に聞くんですか?」

「ですよね……」

「葵さん、今日調子悪いですね」


 結局、尋ねてきたアイリスに答えを求めるという、あまりにも意味がない行動を取ってしまった。ここまで調子がおかしくなっているのは、間違いなくこんな服を着ているせいだ。意識の大半がそのことに持っていかれて、まともに何かを考えることもできていない。


「うん。とりあえず姉妹でいちゃついてるところは撮れたから、今日はこれだけにしておきましょうか。何かあったら、また今度ってことで」


 アイリスと話している間もシャッターを切っていた柚子が、満足そうに撮影会の終わりを告げる。「何かあったら」の意味は分からないうえに、「また今度」に至っては脳が理解を拒んでいる。


「はい! いつでも協力しますよ!」


 満面の笑みで返事をするアイリスだったが、何に協力するつもりなのかは聞かないでおいた。「再びこのウェイトレス服を着せることに協力する」という意味ではないことを、切に願う。


「それじゃあ、お仕事に戻りましょうか!」

「……」


 仕事に戻ろうとするアイリスの腕がようやく離れていく。腕に残った熱は、しばらく消えそうになかった。

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