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始まりのハジマリ
もし自分と同じ見た目をした人が目の前に現れたらどうする?
いきなり突拍子も無い事を聞いてなんなの、と言われてしまうかもしれない。実際、友人にそんな事を聞かれたら馬鹿じゃねえのと鼻で笑ってしまうくらいだと思う。それくらい、自分と瓜二つの人間...ドッペルゲンガーなんて、御伽噺の類いにしか存在しないはずなのである。
きっと見間違いだ。そうだ、そうに違いない。
そうやって、頭の中で1人会議を終了させ、再度顔を上げて前を見る。
黒髪、赤色で目付きが悪い目、明らかに普通より短い腕と足。
間違いない。私である。自分自身で気にしてるコンプレックスが目の前に存在しているのが何よりの証拠だ。
ドッペルゲンガーに会ったら...確か殺されるんだっけ?
ヤダなーまだ人生たったの16年しか生きてないんだけど。
華のJKもようやく楽しくなってきたとこなのに。
死ぬかもしれないにしてはお気楽な考えを持っていた私にソイツは言った。
「お前、僕と一緒に世界を救うつもりはないか?」