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異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた  作者: りゅう
続編 タイムリープ編
193/222

第193話 もしかして過去視?

 アリスの言葉から思わぬアイデアが浮かんだ。


「だから! 過去の状況を確認するなら、千里眼みたいに見れたらいいじゃないか」

「そうだけど、見れないじゃない」とアリス。

「いや、未来に向かうメッセージ誘導に映像を乗せればいいんだよ」

「えっ? そんなの出来るの?」

「多分、出来ると思います。基本は意識表面の共鳴現象ですので、情報を書き込めば未来に届くはずです!」女神カリスもちょっと興奮気味だ。

「写真だけじゃなく、数秒の動画も送れるんじゃないか?」

「そうですね。音声も届くと思います!」

「おお、それは凄い。ってことは、神魔ストリングレコーダーに記録もできるな!」

「そうですね!」


「だんだん、凄い話になってるような」とアリス。

「きっと、凄い事ですね」とイリス様。

「うん。恐らく、凄い展開なのだ」とウリス様。

「リュウジ怖い? あれ? アリス怖い?」

「アリスかも?」

「えっ? 私?」おろおろする、アリス。


「過去の動画が取れるとか凄すぎ」と考古学の女神シリスだ。歴史の調査にも使えるか?

「もしかして、時間をずらすことは可能かな?」と女神シリス。

「その時の精度で前後することは可能です。ただ、それ以上細かい指定はできませんが」と女神カリス。

「少し待って、再度映像を見れば?」と女神シリス。

「はい。五分待てば過去も五分遅れます。ただし、あんまり繰り返すとデジャブばかりで過去の自分が危険になります」

「なるほど。最高!」と女神シリスが興奮している。


「あれ? ちょっと待て。これ、まんま過去視じゃないか?」

「過去視?」とアリス。

「ええっと……そうですね。過去視になりますね」と女神カリス。

「だよな。見たままの映像を切り取るんだからな。これ、過去視だよな」

 ちょっと部屋が静まり返った。


「あ~、リュウジ、これやばいんじゃない?」アリスもその特異性に気付いて声を上げた。

「これ、絶対ヤバい奴じゃん」

「やばいわね」とイリス様。

「やばいのである」とウリス様。

「リュウジやばい! アリスやばい」

「逃げよ~」

「第二神がどこに逃げるのよ」とアリス。


「わ、私ひさびさに来たと思ったら、大変なこと聞いちゃったみたい」と治癒の女神オリス。

「私も聞いちゃったよ!」と思わず声を上げる薬師の女神クリス。

「わ、わたし、やっぱり、惑星フォトスに行くべきだったかも。素直に言うこと聞くべきだったかも」と女神コリス。

「私、次はストーン神国に行こう」と女神ケリス。

「お前ら、俺のグループなんだから一緒だよ」

「「「「「え~っ!」」」」」


「確かに、これは以前よりスリリングだね」

 二千年前の仲間だった宇宙神魔科学の女神セリスさんから見てもスリリング?

「え~っ? そんなにか?」未来視と同じくらいかなという認識の俺だが、それ以上なのか?

「認識が甘い!」と元上位神の女神スリスからも突っ込みが入る。

「だって、裁判とかに大きく影響するよ! 過去の記憶をもとに言い合ったりする必要がなくなるんだよ? いつでも事実を確認できるんだよ?」と女神スリス。

「「「「「あ~っ!」」」」」


「あ~、それは確かに。そっち方面にも使えるのか~!」

 全く、眼中になかった方面で有効だと分かり、慌てる俺。

「そうか。曖昧なことをいいことにイチャモン付けるようなことは出来なくなるんだ。記憶に無いなんて言い訳も通じない。記憶より正確だからな!」

「そうよ。しかも、過去に嘘ついてイチャモン付けてたらガクブルよ」

「あ~、なるほど。全部バレるもんな」

「そう。これは、大変なことよ」とアリス。

「うわっ、神界評議会が荒れそう!」

「「「「わ~っ」」」」


「これは、絶対大騒ぎになる!」とアリス。その効果を噛みしめるほどに事の重大さに気付いたようだ。

「大変、どうしましょう」イリス様も驚いた時に両手を口に当てる癖が出てる。

「まぁな。けど、タイムリープが可能な場合、証拠として使えるのか?」

 確実な証拠として使えない可能性があるよな?

「それは、過去改変の可能性のことでしょうか?」

 さすが女神カリスさん、分かってますね。

「そう。タイムリープが一般化すると、過去視が絶対では無くなるかも」

 まぁ、タイムリープが無ければ絶対的な証拠なんだろうけど。

「でも、過去改変された後の世界にとっては、その過去が正しいのでは?」

「ああ、そうか。じゃ、いいのか」

「ええええっ! そんなことアリなの? って、それって許されないわよね?」

「うん? まぁ、そうなんだけど」


「もう、これは禁止すべきよ。伝家の宝刀レベルよ、最終奥義クラスよ。絶対隠ぺいすべきよ」とアリス。興奮し過ぎ。

「まずいのは過去改変であって、過去視じゃない」

「そ、そうね。そうだわね」

「うん。とりあえず、やばいことは分かった。隔離部屋で話しててよかったよ」

「ほんとよね」


 過去視だけでも大騒ぎなのに、過去改変を生みそうなタイムリープも高いレベルで実用化出来そうなのがヤバい。これは、神界最高機密ではないだろうか? 「あの思い出をもう一度」とか「自分の人生やり直したい」とかで使っていいことではないようだ。


 でも、こういうものは、禁止しても完全には止められないんだよな。確率論的にも。


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