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異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた  作者: りゅう
続編 未来視編
159/222

第159話 記憶を取り戻せ!

 女神カリスとふたりで女神湯に入った。

 遅くまで女神カリスと話していたので、嫁たちはもう寝ているようだ。女神カリスとふたりだけで女神湯に入るのは珍しい。王城に来ていることは多いのだけどいつも嫁たちや女神隊がいるから遠慮してるのか?


 そんなこと考えながら湯船に浸かっていた俺だったが、女神カリスはまださっきの課題が気になっているようで、ちょっと固い表情だった。


「幽閉直前に戻れれば全部分かるんですけどね」


 もうちょっとで手が届きそうな気がしてもどかしい。


「本当ですね」女神カリスも残念そうに言う。


 そういや、ハードディスクを間違って消したときに似てるなと思った。


「何かインデックスでも付けておけば良かったのに」

「インデックスですか?」


 あまり馴染みのない言葉なのかな?


「ええ、何か印があれば探せるんじゃないかと」

「ああ、そうですね。きっと探せます」

「じゃ、インデックス付けろって言いますか?」

「言えますか?」

「えっ? ああ、メッセージ誘導を俺に送ったらいいんじゃないかと」


「幽閉直前に?」

「そうです。そうすれば幽閉直前の記憶を復活できるんじゃ? 未来にメッセージ誘導を送った本人だから、未来からメッセージ誘導が来ても驚かないと思います」


 俺の話を最初は楽しそうに聞いていた女神カリスだったが、次第に表情を曇らせた。


「ああ、でもそれは難しいでしょうね。記憶を保存する時には既に意識がないと思います」


 どうも、幽閉の時に眠らされるかするようだ。確かに、記憶の保存や消去をするんだからな。当然と言えば当然か。


「そうか! 無理か!」


 ちょっと思い付いただけだけど、なんとか幽閉時の記憶を回復できそうだったのにな!


「あっ」


 そこで、女神カリスが小さく言った。何か思いついたのか?


「そうですね。意識して実行するのは無理ですね」


 ん? そう言って、面白そうな顔をしている女神カリス。


「ってことは、意識しないで実行する事は可能なんですか?」

「はい。スケジュールで起動するような機能拡張を作って、条件が満たされたら実行するようにすれば可能かと思います」

「おお、そうすると好きな条件で起動することが出来るんですね?」

「はい」

「たとえば記憶を保存しようとした時とか」

「記憶を保存してる最中とか!」

「やれますか?」

「やれますよ?」

「やっちゃいましょう!」

「おまかせください!」


 ああ、女神カリスと言う強い味方がいて良かった!


  *  *  *


「リュウジが最近、怪しいのよね!」


 幽閉直前の記憶が戻りそうで、いろいろ考えていたら、ニーナに気付かれた。笑みでもこぼれていたかな? いつもの、食後の談話室である。


「そうね。私も、何か企んでる気がする」美鈴もか!

「何を言ってるんだ?」


 まぁ、考えてはいるが発表できる段階じゃない。


「あっ、って言うの、抑えてない?」


 なぜか疑われている。


「違うよ、実はカリスさんに幽閉直前の記憶を復活させる方法を頼んだんだよ」


「そっ? それって、出来るの?」


 ニーナは思いっきり意外な顔で言う。


「う、嘘みたい!」


 さすがに美鈴も驚いている。

 ただ、それ以上に驚いたのがアリス達女神隊だった。


ぽっぽっぽっぽっ


 女神隊四名登場!


「ほんとに~っ?」とアリス。

「それは、素晴らしいわ」とイリス様。

「うむ。それはきっと運命なのだ!」とウリス様。ウリス様が知らない運命って?

「うん。リュウジ怖い! 竜神も怖い!」とエリス様。意味不明。


「ほんとに、そんなこと出来るの?」とアリスが迫ってきた。

「お、落ち着け」

「落ち着いてるわよ」とアリス。


 いや、それは落ち着いてないひとのセリフだ。


「第一神様も、諦めたと言ってたわよね?」とイリス様。

「そうなのだ。我も諦めていたのだ」とウリス様。

「後から無理とか許さない」とエリス様。そんなにですか。

「い、一応ね。幽閉直前の記憶だけだけど。それより前のものは無理なんだけど」


 たぶん、ストーン神国の記憶は含まれない。


「幽閉直前の?」とアリス。

「うん、百年ごとに記憶を保存するんだろ? その最後のものは復活できるかも」


「最後の記憶ねぇ」

「そう。ストーン神国の記憶は含まれない」

「そういうことね。でも戻れば大きいわ」とアリス。

「そう。大きいわね」とイリス様。

「そう。大きいのだ」とウリス様。

「リュウジ大きい!」とエリス様。意味わからん。


「とりあえず、今はカリスさん待ちなんだよ」

「そうなんだ。じゃ、きっと大丈夫ね!」とアリス。

「そうね。大丈夫ね!」とイリス様。

「うむ。あ奴が成功する確率は高いのだ!」とウリス様。

「うん。信頼してる」とエリス様。


「でも、驚いたわね。十分トンデモ話じゃない!」と美鈴。

「ま、まぁな」

「やっぱり控えてたでしょ? 最近、集合が少なくなってない?」


 美鈴、それは疑いすぎ!


「そうかな? これは言うの忘れてたけど、最近は始めからバラしてる事が多いだろう?」

「ああ、そうね。確かにトンデモ話自体はいつも通り多いもんね」とニーナ。


「そうじゃ。これ以上は何も望まん。むしろ多いくらいじゃ」


 横からヒュペリオン王が言った。いたのか!


「そうだよ。ペリ君の言う通りだよ。これ以上あっても、フィスラー妃状態だよ」


 ピステルも来てる。


「いや、さすがに、私も途方にくれましたぞっ」


 ナエル王も来ていた。まぁ、学院生だからな。


 ちなみに、今日は学院の制服が出来たこともあって、みんな集まっている。

 魔法学院の制服をうっかり提案してしまったのだ。おかげで、王様たちの制服姿を見る羽目に。もとい立派な姿を見ることになった。

 デザインしたのは、もちろん椎名美鈴だ。ノリノリの魔法学校風な制服である。


「ナエル王、意外と制服が似合いますね」

「ふむ。このデザインは奇抜ですが面白いですな」


 ナエル王は、服装のデザインにうるさいからね。


「私たち三従者には別のユニフォームがあるけど、普段はこれでもいいかもね」ヒスイも気に入ったようだ。

「うん。これはこれで、動き易いしいいね」とヒラク。

「私も、これ気に入ってます」とスサ。


「ふふふ。任せなさ~いっ」


 皆に褒められた美鈴が胸を張る。


「ミスズ素敵~っ」とミリィ。

「で、なんでミリィも着てるんだ?」


 もちろん、これは美鈴のお手製だ。


「あ、ミリィは特別講師になったのよ」


 そうなんだ。いつの間に。まぁ、妖精族独自の魔法もあるしな。妖精族の生徒はまだいないけど。


  *  *  *


 そして数日後。


ぽっ


「出来ました!」おっ。


 女神カリスが談話室に登場した!


「待ってました!」


 思わすソファから飛び上がって女神カリスの手を握った。


ぽっ


「完成したのね!」アリスも顕現してきた。


ぽっぽっぽっ


「やったわね」

「さすがなのだ」

「リュウジ怖い」

「おいっ」


ぽっ


「さすがに、歴史に関係しそうなので出て来ました」


 女神シリスも登場。いつもの探検家風の短パンスタイルだ。


 そんなことを言っていたら、続けてみんな出て来た。


ぽっぽっぽっぽっぽっぽっ


「なんで、全員集合?」

「たまにはいいんじゃない?」ニーナは面白がってる。

「おおおっ」


 さすがにペリ君達が驚いている。女神全員集合は圧巻だよね。

 しかし、なんで前夜祭みたいなことになってるんだか。さすがに、広い王城の談話室が狭いんだけど?


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