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職場へ「書籍化します!」と副業の許可申請をした時の話

・書籍化する作品名:U-15サッカー日本代表だけど部活は幼馴染と一緒の文芸部です

(エッセイ本文内では「U-15サッカー」と略称)

・マイヨ:作者名


 どうも、マイヨです。


 今回は書籍化における出版契約に関連したお話です。


 契約書に記名押印すると、

「あ、本当に自分の本が世に出るんだな」と実感できます。


 それまでは、担当編集さんとのWeb通話やメール、電話でのやり取りだけで物事が決まっていくので、本当に本が出るの? これ壮大なドッキリじゃないよね? と疑う気持ちがまだあったりしました。


 さて、契約書も単純に内容を確認の上、記名押印すれば良いという訳ではなく、私の場合は一つ契約前にやらねばならない事がありました。



 それは、勤め先への副業の申請と許可取りです。



 私は、とある組織で下っ端構成員として働いているのですが、私が所属する組織は、結構ルールがカッチリ決まっているんですね。


 まずは自分で自社の内部規則について調べてみると、商業出版となり印税として収入が発生する場合、事前に副業の申請をして許可を得ておく必要があることがわかりました。


 きちんと申請をして許可を得ていなかったがために、後々トラブルに発展した事例もあったようです。


 なので、大人しく職場へ申請をすることになったわけですが、ここで大きなハードルが。


 副業の申請をするにあたり、その副業の業務内容が何なのかという事を、きちんと説明する必要があったのです。


 申請書類一式に記入して提出するだけで完了、という訳にはいかないと。



 ええ……申請書に添付する説明資料を作りましたよ……



 ちゃんと副業の許可が欲しいですからね。

 本を無事に世に出すためには、私に他の選択肢なんて無いですから。


 小説家になろうというサイトに、マイヨというペンネームで登録し、U-15サッカーという作品名で連載、小説の内容はサッカーを絡めたラブコメ、Webでの連載からはじまり出版社から打診を受けた後の流れを時系列にまとめてと、仕事ばりにキッチリと資料を作成しましたとも。



 この資料を提出するだけでも、正直かなり恥ずかしかったですね。


 というのも、『小説執筆歴4ヶ月で書籍化打診が来た人の記録』という、感じ悪いエッセイで書いた通り、私の小説執筆歴は短いです。


 なので、周囲の友人や知人を相手に、創作内容について喋ったり語り合ったなんて経験は一切ありませんでした。



 それなのに、初めて話す相手が同好の士ですらない職場の人だなんて……



 心理的ハードル高すぎぃぃい!!



 ただ、この時点での私は、


「言うても、副業申請にあたって小説の具体の内容までは、がっつり読まれへんやろ……(震え声)」


 と淡い期待を抱いていました。



 私の認識が甘かったです。


 長年、この組織で下っ端構成員をしてきたのに、我が組織とはこんなにも恐ろしい所なのかと、この後、私は思い知らされることになります。



 運命のXデー。



 その日の私は職場の偉い人と、副業申請書の提出にあたり、細かい記入内容について、すり合わせの打合せをすることになっていました。


 職場としても、あまり前例のない申請だったので、慎重に進めていたために設けられた場でした。


 その偉い人が打合せテーブルの上に置いた手持ち資料に、職場にはそぐわない、けれど酷く慣れ親しんだ物がありました。





 なろうサイトのU-15サッカーの目次部分の画面を紙印刷した物でした。





 もう、この時点で、私の精神のヒットポイントは危険域までダメージを負っていました。


 しかし、打合せはまだ始まってすらいません。

 何とか私は平静を保ちます。


 頑張れ! 自分の本を世に出すためだろ!!


 私は歯を食いしばり、職場の偉い人と相対します。




「Webに公開されてる内容は全て読んで確認したけど、特に問題ないですね」





 全て……



 読んで…………



 確認した……………………




 職場の偉い人の開口一番の言葉に、私の精神は死を迎えました。







 その後の打合せの内容はよく憶えていません。


 ただ、私の手元に副業の許可書がちゃんとあるので、無事に申請が通ったようです。


 これは後から聞いた話しなんですが、本を出版する際は表現の自由の観点から大概は大丈夫なのだけれども、仕事上で知り得た秘匿すべき情報を本に書いていないかとか、著しく反社会的な内容でないかどうかを、ちゃんと読んで確認する必要があったそうです。


 編集者でもないのに、仕事として私の小説を読む羽目になった偉い人の事を思うと、本当に申し訳ないなって気持ちと、



「自分の書いた小説を読まれた……」



 という羞恥心に塗りつぶされました。


 今まで、なろうでの連載で自作が多くの人に読まれていても、プレッシャーや羞恥心なんて大して感じてこなかったのに、目の前にいる、たった1人に読まれただけで、ここまで心が乱されるとは……


 人間の精神とは、不思議な物ですね。



 そんな、精神に大きな傷を負って、ちょっとだけ強くなって蘇った私が書いた新作


軍の少将になって帰国したら今さら学園に通えと言われました


現在、好評連載中! みんな読んでね!

 ローファンタジー要素のある現実世界恋愛のラブコメだよ!


 U-15サッカーもまだ読んでないよって人は是非読んでね!


 唐突に自作の宣伝をぶち込みましたが、こんな羞恥にまみれたエピソードトークの披露なんて、自作の宣伝でもぶち込まなきゃ、やってられないんですよ!


 このエッセイを書く時だって、当時のことを思い返して悶絶しながら書いとるんじゃ!


 と、頼まれてもいないのに自分で自分の黒歴史を掘り返しておいて、盛大に逆ギレをかました所で、今回のエッセイは以上です。


 あ、無事に出版された暁には、職場の偉い人には著者献本分から1冊差し上げることになっているので、また悶絶エピソードが発生するかもです。


 それでは、また!


※本件事例は、あくまでマイヨの所属する組織においての話です。

 書籍化にあたっての副業申請や許可の要否については、自己判断せずに、きちんと担当部門や上役等に相談することをお勧めします。


 なお、本エッセイには身バレ防止のために、誇張と虚構と作者の被害妄想が多分に含まれていることをご承知おきください。


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― 新着の感想 ―
[一言] 以前副業云々について同僚から話を聞いたことがあります。彼が人事、勤労、総務等の管理部門から聞いた話では、副業云々は社会保険や税金の問題が懸念だったから、だそうです。会社側は源泉徴収を含め給与…
[一言] もしそんな事になったら担当部署の人の査読済と言われた瞬間アヘ顔ダブルピース案件だなぁ…
[一言] 間隔があいてしまいましたが。 私も、某なろう作家さんから相談を受けたことがあります。「書籍化の打診を受けたけど、うちの会社は副業禁止の規定がある。どうしたらいいだろう?」って。 正直に言…
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