おじさん、体を鍛える決意をする
ハミュエルさんがシスターポーラを回復させてから、子どもたちにもみくちゃにされているのを遠くから見ているうちに雨が上がりました。
フランシス司祭曰く、『祝福』は異端審問官の3名と枢機卿の1名が可能な教会の秘匿魔術なのだそうです。よほどのことがない限りは施行されない魔術で、実際に目でみることができて良かったと感激されていました。
つまり、その4名は天使なのでしょうね。
ああ怖い。
手をかざしただけで建物を壊せる聖職者がどこにいるというのでしょうか。
ああ、目の前にいましたね、そういえば。
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そろそろ騎士寮に戻る時間です。
帰らなくては、夕食がなくなってしまいます。
「仕切り直し、ですか?」
念のため、ハミュエルさんに質問をします。
「いえ。おっしゃられましたように、一旦持ち帰らせていただきます。我が主のダブルスタンダードによる事案ですので、我が主に真意を問うつもりです。その上で、私は私の使命を果たしにもう一度ここを訪れるでしょう」
「そうですか」
「それとは別に。本日は危うく、我が主の信徒の命を奪ってしまうところでした。それに関しましては感謝を申し上げます」
ハミュエルさんは力があるわけではないようなので、仮に命を助けられたとしても瓦礫をどかせることができず、ただただ延命することしかできなかったとおっしゃられました。
「……今後街中で『神威』を放つのはおやめください。無辜の民が傷つきます」
「その通りですね。デーモンに説教をされるとは。なんとも情けない天使ですね」
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私、自分自身では、特に何かするつもりはないのですが、悲しいことに向こうからトラブルがやってくることが運命づけられているようです。
分かっている範囲でも
・絶対的存在の命令でやってくる4名の天使
・教会の命令でやってくる聖騎士
・怪物
・バーンズ子爵領以外の冒険者
が襲ってくる可能性があるというわけです。
特に4名の天使の方々は可能性大ですし、枢機卿というのは教会のお偉いさんですのでその命令で聖騎士がやってくるでしょう。こっちの都合は関係なく、怪物は襲ってきますし、デーモンを倒してレベルアップを企む冒険者もいらっしゃるでしょう。
……いやだなぁ。
そんな考えを浮かべていたら、領主さまから呼び出しを受けました。
来るはずだった異端審問官が領主邸には来ず、教会でデーモンと人命救助を行って、王都に戻っていったと。
事情を知っていそうなので呼び出しです。妥当です。
異端審問官が『天使』であることや『神威』で教会を破壊したことも伝えました。
総本山に建築修繕費を請求する、と領主さまはおっしゃり、私は解放されました。
騎士寮への帰り道に私は決意しました。
鍛えよう、と。
勿論無茶をしない範囲で。
前世でも困難に立ち向かう際に最後にものを言うのは結局体力でした。
体力を付けなくてはなりません。
このデーモンの身体は、そもそもが強靭です。これまでむしろ、手加減の練習をしていました(もちろんしないといけないのはわかっていますが)。
しかし、私の相手に降りかかってくる火の粉はおそらく、大変な火の粉です。大やけどは必至です。
今日の『神威』も当たっていれば、どうなっていたかわかりません。
耐えられたかどうかなんてわかりません。
たまたま運よく避けられただけです。
見えない攻撃を毎回避けるなんて難しいでしょう。であれば、このデーモンボディを鍛え、当たっても大丈夫なようにするしかないのかもしれません。
筋トレ、有酸素運動……高校生の時の部活を思いだしますね。
しかし、あのレベルではおそらく鍛えられないでしょう。
もう少し負荷をかけて鍛えるのです。
後は魔術ですね。グンターさんに教えてもらって、発動はするようになりました。
後はイメージと反復練習です。
二酸化炭素を集めて、火を消すことには成功しました。
酸素や窒素を集めたりも出来るのではないでしょうか。
……ヘリウムを集めたら気球も……いえ、やめておきましょう。イメージができません。
……でも水素なら……水素の飛行船なんてヒルデンブルグ号の如く、爆発するイメージしかありませんね。危ないので却下です。
それはともかくとして、炭酸水は作れるはずなのです。
炭酸割、が可能となったわけです。
ウイスキーがあるかはわかりません。
でも前世ではアクアヴィーテが13世紀にはあったはずですから、蒸留酒はあるはず……。
きっと、筋トレ後のサウナ、その後のハイボールは美味しいはず……。
ハッ!?
いけません。横道にそれました。
明日は朝から筋トレです。結果にコミットさせますよ!
次の更新は少しお待ちください。
体調が戻り次第、再開します。




