表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デーモンおじさんは無茶をしない  作者: 伊藤 金平
おじさんは静かに暮らしたい!
20/27

魔術を知ったおじさん



レイスを『浄化』で無事駆除したグンターさんたち『タフガイズ』に連れられ、冒険者ギルドに帰還しました。


レイヴンさんとシリウスさんは、クエスト完了報告書を書くために受付へ向かっています。



「本日は討伐クエストに同行させていただき、誠にありがとうございました。この経験を今後の冒険者業務に活かしたいと思います」

「……おう。勉強になったようでなによりだ」


なんだか不完全燃焼気味なグンターさんです。

これはよくありません。『魔術』を学びたいのですから、よいしょしておきたいところです。


「特に『浄化』の魔術のすごさは目を見張るものでした。おそらくレイスたちがかけていたであろう精神干渉の魔術も、グンターさんの魔術でどんどんと消えていきましたから」

「……どんな精神干渉だったんだ?」

「はいっ!耳の近くに何十匹も羽虫が飛んでいる感じがありました。あの不快感は確かに来るものがありましたね。それが『浄化』でどんどん消えていったんです。あのすっきり感には、感動いたしました」

「……そうか」



 ■ □ ■ □ ■



「聞いたか、レイヴン。羽虫だってよ」

「1体でも精神的な負荷がやばいのに、3体のレイスに集中的に呪詛かけられて、なんで平気なんだよ。普通発狂するんだよっ!」

「デーモンってすげぇな」

「グンターの顔をみろ。褒められているのに、どんどん暗い表情になっていっているぞ」

「もうやめてやれよ、デーモン。悪魔かよ」

「悪魔なんだよなぁ」


「終わりましたか?」

「あ、ジュリちゃん。終わった終わった。ほい」

「お疲れ様でした。えっ、なっ!?デーモンさんを囮にしたんですか!?」


「いや、結果的にはそうなったってだけだよ、ジュリちゃん。レイスって、パーティの中の1番力がある奴に精神干渉の魔術をかけて、行動不能にしたり、同士討ちを誘ったりする怪物だろ?俺らのパーティで1番強いの誰よ?」

「……デーモンさんですね」

「だろ?1体じゃ太刀打ちできないからって、墓場のレイスが全員で寄ってたかってデーモンに呪詛を浴びせていたってわけよ。まぁ効かなかったわけだが」

「集中攻撃を受けているデーモンさんを安全域から『浄化』した、ってことですね?」

「ん、まぁ、そうなるか。……あれ?デーモンの奴にも『浄化』当たってたんじゃねぇのか?大丈夫か?デーモンに『浄化』、効かねぇよな?」

「……デーモンさんを見るかぎりは効いていないようですけどね」

「普通に人間と同じ感覚だったが、デーモンに『浄化』が効いてたら、後味悪すぎる結果になってたかもしれないな」

「グンターの奴もやべぇことした、とか考えてそうだな。デーモンも奴も実は満身創痍だったりして」

「……そんな風には見えないんですけどね」



 ■ □ ■ □ ■



「お願いがあります。魔術を使用する時のコツ、テクニックみたいなものがあれば教えてください。私、自分に魔術のスキルがあるのですが、いかんせん生かしきれなくて」

「コツ、か。うーん」


「とにかく、成功した時のイメージをしっかり作ること、だな」

「イメージですか」

「そうだ。俺の今回墓場で使った『浄化』は『元々のレイスのいなかった墓場の情景』を鮮明に思い浮かべて、イメージの通りになれって感じで使った」

「なるほど、イメージ……イメージ……」



なるほど。魔術のスキルの上達には、鮮明なイメージが必要である、と。

完成した時のイメージが私には足りなかったでしょうか?


窒素、酸素、二酸化炭素。

それらで思いつくイメージとなりますと……うむむ、あまり思いつきませんね。


炭酸飲料のイメージがありましたが、あれは少し、混ぜ物と言いますか、純粋な空気のイメージではなかったですね。だから上手くいかなかったのでしょう。


二酸化炭素を集めて集めて……とイメージすれば……



えいっ!



 ■ □ ■ □ ■



ドンっと凄まじいプレッシャーを感じました。

鳥肌がやばいです。

何でしょうこれ。一刻も早く、この場から立ち去りたい気分です。



プレッシャーが襲い掛かった後、私の目の前の蝋燭の火が消えました。

風も吹いていません。

ホラーです。ホラーですよ。


レイスの話をしていましたし、レイスがついてきたんでしょうか?

レイスに憑かれそうなのと言えば、デーモンさんです。


当の本人を探すため、見回してみるとデーモンさん、嬉しそうにしています。

何かしたのでしょう。



「グンターさん、みましたか!私の魔術、成功しましたよ」



のんきに何か言っています。


あっ、ギルマスが上階から降りてきました。

うーん、お説教の顔ですね、あれは。

そうですね、冒険者ギルドの建物内での魔術の使用は禁止ですからね。


あー、デーモンさん、驚いた顔をした後、悲しげな顔に。

本当に表情豊かなデーモンですね、彼は。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ