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浮気?知りません面倒です。

作者: お昼寝日和

夫が浮気している。

まぁ、浮気は結婚当時…いや結婚前からされていた。別に夫を愛してる訳ではないので別に構わないのだか、浮気相手が突然家に訪ねてきて喚きながらいきなり包丁でお腹を刺すのはやめて欲しい。

まじでやめて欲しい。

なんか離婚しろとか、ブスとか。

まぁそれはいいとしねぇ。色々汚い言葉を吐き散らすのはどうかと思う。

ほら、騒ぎを聞いた近所の人が通報してるし。あー。痛い。痛いの嫌いなんだけどなぁ。

はぁ専業主婦として子供の世話していい感じに手を抜きながら家事して働かず、空いた時間でダラダラするの楽だったんだけどなぁ。

でも流石に刺されるのはいただけない。

だって下手したら死んじゃうし。

まぁ別に死んでもいいけど………。

あっ。救急車の音だ。

誰が呼んでくれたのかなぁ。

って考えてるうちに意識が。

はぁ。本当色々面倒くさいなぁ。


なんで浮気する様な夫と結婚したかって?



それはね高校三年の一学期のこと。

放課後、夕方に照らされた廊下を歩く。

ある教室の前に着くとそこから声が聞こえてくる。

「ぁっ。ぁ……ぁ」

一瞬入ろうか迷ったが待つなんてめんどくさい事したくなかったのでさっさと扉を開ける。

扉の開く音で彼は私に気づいたのかこちらを見たが動いている手は止めない。

「ねぇ。言わなきゃいけないことがあるの。」

私は彼の手で喘いでる女を見る。

彼は手を離して私に視線を向けて不機嫌な顔になる。

女は乱れている服を正し私を睨みつけては駆け足で教室を出る。

「何か用?」

顔が綺麗な彼は夕日に照らされてとても綺麗だ。

「…………。」

つい見とれていたら彼から避難が入る。

「おい。さっさと言えよ。」

「あ、うん。あのさぁ妊娠しちゃった。」

「はぁ?」

彼は私の思いがけない言葉に目を丸くして低い声を出す。

「だから妊娠したの。」

理解が追いついてない彼に追い打ちをかけると彼は見た事ないほど顔が青くなる。

私はその姿をみてつい笑いが盛れる。

その笑みを見た彼は変な勘違いをしたのか彼は私に近づき襟元を乱暴に掴む。

「てめぇ。まさかっ!!」

相当彼は怒っいるようだ。

私は珍しい彼の姿に漏らしてしまった笑みを反省し、誤解を解くため弁解をする。

「違うわよ。あなただって心あたりがあるでしょ?あれは私のせいじゃないわ。それに、私があなたに興味ないって知ってるでしょ?」

彼は私の性格を思い出したのか私を離して考え込む。

私は彼を安心させるために言う。

「堕ろすから。」

「…………いいのか?」

彼は私を見る。真っ直ぐに。

まるでそれは本心か本当は堕ろさず勝手に産むんではないかと問われているように思うが根はいい子な彼は本当に私を心配しているのだろう。

でも私は妊娠を知った時から決めているのだ。

「いいわよ。だって学生で妊娠とか絶対ヤダし。」

「そうか」

私が気にしてないことが分かったのか彼は安堵して椅子に座る。

次の日私と彼は堕ろすために産婦人科に行った。

保護者の同意は私の両親に頼むことにした。

私の両親は自分の事は自分で決めろ主義なので妊娠したので堕ろすって言った時は自分で決めたならいいんじゃないかと言われた。

医者に堕ろす事を言うと色々確認された後、書類を渡され「もう一度ご両親と相談してみて下さい」とだけ言われその日は病院を後にした。

で、今日。何故か私は彼の実家に居た。

「ねぇ。本当に堕ろすの?せっかく出来た子供よ?」

彼に似た綺麗な母親にそう詰められ居心地が非常に悪い。

彼の実家はお金持ちでお嬢様として生きてきた彼の母親は少し夢見がちな性格だ。

彼がセフレをいっぱい作っているのも彼に甘々な母親の溺愛に疲れて反抗しているんだと彼を見ていて分かった。

彼の母親にとって子供を堕ろすなんて言う行為は禁忌に等しいんだろう。

「はぁ。」

まぁ私にとってはうるさいだけなんだが。

生返事をする私に何を思ったか彼女は私の手を握って目をキラキラとさせる。

「お金の援助はするわ。」

そこから彼の両親にしつこく産んで欲しいと詰められる。

その後彼の両親に言われて彼と二人っきりで話すことになった。

「……はぁ。うちの両親が悪い。」

「まぁ。別に良いよ。」

「…で。話なんだが……。」

まぁ。彼の言いたいことは分かる。

産むことにしなきゃ彼の母親は絶対に納豆しないだろう。

「分かってる。産むんでしょ?まぁ生活とか保証してくれるんなら良いよ。私、将来は働くなんて面倒だと思ってたし。」

「あぁ。その辺は問題ない。」

そう決まったので彼の母親に報告すると「じゃあ結婚しなきゃ子供が可哀想だわぁ。」ということで結婚まですることになった。

という訳ね。

まぁ。彼にとっても不本意な結婚なわけで私は大学は出産の関係とかそもそも受験勉強面倒だったから行かなかったけど彼はそんなことないので普通に大学に通っている。

大学なんて言うまだまだ遊べる場所で我慢出来るわけもなく。

セフレを作り始めた。子供がいるからか夜は流石に帰ってくるけど浮気を隠すような素振りも無い。

私に害がなかったので別に良かったからほっといたらまぁこんなことになっちゃた訳。


これが彼と私が結婚する理由となった話。えっ?彼と付き合った理由を知りたい?はぁ。仕方ないなぁ。


あれは高校一年の夏だった。


まぁ?新しく高校生になったし。

ちょっとは学校にも慣れたし?

みんな彼氏作り始めたからさぁ。

入学当初からヤリチンイケメンで有名だった同級生に告白したわけですよ。

「あー呼び出してごめん?」

「なんで疑問形な訳?」

「あのさぁ。何となく予想ついてると思うけど付き合って欲しいの。でもぶっちゃけ言うと別に私、神崎のこと好きじゃないんだよね。でも友達がさぁ彼氏作って暇な訳。それに処女だと色々面倒だかららさっさと捨てないなぁって。あーそう言えばヤリチンいたなぁって神崎に頼もーみたいな?感じなんだよね。別に浮気とかして良いし、断り文句にしていいから付き合ってよくんね?」

「ぶっ、あはは。鈴原って変な奴だな。良いぜ。付き合ってやろ。じゃあ早速なんだけど今、やろぜ?」

「まぁいいよー。」

そんな軽い返信をしてその後、処女はきちんと卒業した。

とまぁ、付き合い(出会い)はこんな感じ青春のせの文字もなかった。


これが私と彼の出会い。


さっき言ったとおり、高3の初めね。


私と神崎の関係はカレカノって言うよりセフレって感じだった。

デートとかしないし誕生日を祝ったりバレンタインにチョコを渡したりもしない。

面倒くさがりの私にとってそんな関係は楽だった。

いい感じに性欲も解消できるし?

神崎も嫌な女に彼女いるからって言える上、私は面倒なことも言わないから楽だっだろう。

私たちの関係は良好だった。

神崎がヤル時につい、つけ忘れてその一回で妊娠するまでは。


倒れている間昔の事を呑気に考えている間彼が家族としての自覚が芽生え、その後人が変わったように甘々になるなんて思いもしなかった。


はぁ。本当に面倒だ。


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[気になる点] 絶対に納豆しない彼の母親
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