第十一話
雲がさらに高くなり、蝉の鳴き声が大合唱となって響いてくる八月下旬。夏休みも終わろうかと言う時期に直行に紹介された研究施設は、世情に疎い和樹ですら知っている名だった。それはあのゲーム、ライツヴェフィを開発した擬似神経網研究所――通称電脳研だ。
その門構えは一種の威容に満ちていた。白亜の六階建ての建築物はどこまでも白く、そこへ至る道筋の傍らに植えられた街路樹の緑と相成って、まるで妖精郷のようだ。和樹はどこか夢うつつで、そのアスファルトで舗装された道を進んでいく。日に照らされた肌が暑かった。
擬似神経研究所と傍らに掲げられた自動ドアをくぐり、受付で直行の名を出す。すると受付の女性がしばらく待っていてくれと言ってきた。その言にしたがって和樹は総ガラス張りの入り口まで戻り、そこにあった椅子に体を預ける。冷房が効いた研究所の中は少し無味乾燥な雰囲気を持っていた。
周囲を観察しながら時間をつぶしていると芹葉和樹君だね、待っていたよ、と声を掛けられた。その声に和樹は椅子から腰を上げると、声の方に向き直る。はたしてそこにいたのは、初老と言っていい人物だった。その人物は和樹に対しその右手を差し出すと森阿真治だと名乗る。
その行動に和樹はその右手を握り返し、自分も自己紹介を行う。そんな社交辞令が終わると、真治はおもむろに本題を切り出す、その切り出し方は直行を思い出させた。それもそのはずだ、この真治が直行の恩師であったのだ。故に今回、直行は和樹を電脳研に預けるのに際し、客員研究員として在籍しているかつての恩師を頼った。そのためにある代償を直行は払ったのだがここでは伏せておく。
「君は電脳症ということだが、診断は」
「……まだです」
そのいきなりな真治の質問に、和樹は正直に答えることしか出来なかった。確かに直行には電脳症と断定されていたが、正式な診断は受けていない。そのことを真治に伝えると、ではここで診断してしまおう、と直行と同じように管制人格のIDを聞いてきた。それに和樹は正直に答える、iris457812782164だと。
その言を聞いた真治は、間違いなく電脳症だの、直行君の言葉が正しいなら防御型のと言ってきた。それに直行が本当に真治と言う人間を信頼していると和樹は悟る。あの直行がそこまで話していたのだ、そうであるとしか考えられない。
事ここに至り和樹も真治を信頼することにした。少なくとも直行への信頼と同程度には信頼しても問題ないだろうと和樹は判断する。信頼しなければ話が進まないと言う事もある。和樹は真治にあなたも電脳症なのですかと問うてみた。
それに返ってきたのはわしは違うという一言のみ。それに和樹は思わず肩を落とす。直行のことがあったからきっと研究者も電脳症だ、との思い込みがあったのだ。しかしてその期待は裏切られた。自分勝手なものだと和樹は思うが、この落胆をどこにぶつければいいのか分からなかった。
そんな和樹の自分勝手な落胆に気付いたのだろうか、真治は呵呵大笑するとわしの研究室に電脳症の人間が新しく来たぞ、ボランティアだがなと言ってきた。その言葉に和樹の気分が浮上する。和樹としては自分と同じ境遇の人間と語り合いたかったからだ。故にその後の真治の言は和樹にとって望外のものだった。
「研究室に今から来るかの」
期待に胸膨らませ研究室の扉を開けると、そこにいたのは白衣を来た直行だった。思考が一瞬停止する、そして条件反射のように扉を閉めた。和樹の傍らにいる真治を見れば、人の悪そうな笑みを浮かべていた。和樹は脳内でイリスと会話する。
『あれ直行だよな』
それに返ってきたのは、一致率九十六%、ほぼ間違いなく本人だと思われます、とのどこか困惑したイリスの声だった。その困惑は和樹にも分かる、今、絶賛混乱中だからだ。なぜ直行がここにいる、そんな疑問が和樹の脳内を駆け巡る。答えは出なかった。
仕方なく和樹は、もう一度扉を開けることにする。やはり直行がそこにいた。それも思いっきりいい笑顔を浮かべた直行がである。そのことにいやな予感がするが、理由を知らなければこの後いかなる対処もしづらい。思い切って和樹は直行に問うた、なぜここに居るのですかと。
「私はここの研究員だよ、期間限定の無償奉仕だがね」
確かに関係者だとは言っていた、和樹の脳裏に約二ヶ月前の会話が蘇る。だがこんなことは和樹には予想出来なかった、出来るはずもなかった。どう予想を立てれば担任がボランティアで研究員なぞやっていると予想できるのか。第一、時間をどう捻出しているのか謎だった、教師の仕事はそんなに簡単なものではないはずだ。
だが、今になって考えてみるとその傾向は確かにあった。ただ和樹が気付かなかっただけだ、変人と言うレッテルを張り先入観で直行のことを見ていたために。授業で時たま行われる突拍子もない考察も、研究者が自分の仮説を話しているとすれば納得できる。――出来るのか。和樹は自分の考えに自分で突っ込んでいた。やはり和樹もどこかで変わっている。
和樹はそこで固まっていたしまっていた。部屋入り口という他の人間にしては真に邪魔になる場所でである。そのことに和樹は気付いたのだろうか、部屋の中にようやく入る。その中は小さな図書館と言ってもいい書籍の山だった。そんな中、直行は未だに当然といった様子で佇んでいる。
その中に真治が割って入ってくる。直行にからかうのはそこまでにしておけ、と言ってだ。和樹の表情が少し、ほんの少し歪んだのを見て取ったからだ。このままでは関係が悪化する、そう判断したのだろうか。しかし、それは無用の心配と言っていいものだった。あの直行である。和樹はもう既に直行の奇行に慣れてしまっている。顔が歪んだのは、ただ単にどういう対応をとればいいのか分からなかっただけだ。
直行と和樹の間に真治が入り、止まっていた場の流れが再開する。詳しい説明いるか、いりません。そんな簡単な会話が直行と和樹の間に交わされる。その会話だけで和樹と直行は普段通りのペースを取り戻していた。
「結局、先生が俺の指導役のままなんですね」
面倒臭い説明を聞くことを忌避したその和樹の言に、直行は笑うことしか出来なかった。笑いながらその通りだと簡潔に答える。本当ならば直行は自分以外のそれこそ専門家に和樹の電脳世界における教育を任せたかった。
しかしながら、なにぶん急であったこともあり人手の確保が出来なかった。故に以前勤めていた実績のある直行を指名したのだ、真治が。面倒ごとを頼むのならその程度のことはせんか、とのありがたいお言葉と共に。そう面倒ごとであったのだ、和樹の事は真治にとっては。だが、愛弟子の頼みを無碍にすることも出来ず。結局、真治は直行の依頼を引き受けた。そして、現在の状況と相成ったのだ。
「じゃあ早速、復習を始めようか」
そういっそう笑みを深めると、片手である本を取り上げた。今や和樹の愛読書となったそれには、猿でもわかる論理言語と書かれている。それにやっぱり俺は猿扱いなのかと和樹は肩を落とす。ここに復習と言う名の地獄の特訓が始まった。
地獄の特訓と言っても、その内容は普通の復習と変わりなかった。ただし、ほんの少し間違えたり、淀みなく動いていた手が止まったりすると容赦なく最初からやり直させられるというだけである。意外と簡単だと思われるが、よく考えてみて欲しい。ほとんど完璧にこなしていた解答をたったそれだけで、もう一度やれと容赦なくつき返されたり、最初からだと言われたりすればいやになること請け合いだ。
これは電脳戦において一瞬の躊躇、一度の論理攻撃の構築ミスが即負けに繋がるからだ。それをよく理解している直行ならではの優しさだったのだが、それを分かれと言うには和樹は少々年若すぎた。
故に和樹にとっては一種のいじめとしか映らず、忍耐力を鍛える訓練だとしか思っていなかった。この特訓のお陰でイリスの論理防壁を一枚破壊することが出来たのだが、そのことはもう和樹の頭に残っていない。
和樹が直行による特訓を電脳研の一室でうけていた頃。情報研の一室ではAIと沙里亜による十回目の電脳戦が佳境に入っていた。沙里亜の論理攻撃が一枚また一枚とAIの論理防壁を破壊するのは変わりなかったが、今回は少々趣が異なっている。
AIが論理攻撃をほとんど行わず、自身の論理防壁の維持、再構築にその演算能力のほとんどを注力していたためだ。そのため沙里亜の論理攻撃がAIの論理防壁を破壊する事に時間がかかり、また破壊できても再構築の時間を次の論理防壁に稼がれる。そのため状況は拮抗していると言ってよかった。
その事に沙里亜は面白いと気色を隠せずにいた。沙里亜の踊りにここまでついてこられたのは、電脳症の人間以外にいなかったからだ。久しぶりに、本当に久ぶりに沙里亜は降下することにした。沙里亜の視界の中で現実世界の風景が無機質な格子に侵食されていく。
沙里亜は降下しなくても電脳戦が出来るのであって、降下できないわけではない。今まで降下する必要がなかっただけだ。沙里亜は基本的に電脳症の人間以外には降下をしなかった。そんな事をしなくとも十分戦えたからである。現実世界で踊るのをやめ、沙里亜は電脳世界で踊りを再開する。その三千六百倍に引き伸ばされた時間の中で踊られる円舞曲は殊更美しいものだった。
流れるような動きでステップを踏み、指揮者のようにその片手を振る。そして現れたのは五十三の光の戦斧であった。その戦斧は一つ一つが論理爆弾に匹敵する高密度の論理攻撃だ。沙里亜はそれらを駆る将軍であり、光の戦斧は勇猛果敢な英傑だった。
沙里亜はその手大きく振って、一斉に件のAIに英傑達を向かわせる。それに相対するAIも只者ではなかった。その論理防壁は沙里亜からの度重なる蹂躙を受け、そのつど強化されていて今では古の城砦を髣髴とさせるものになっていた。ここに沙里亜とAIによる攻城戦が始まった。
先鋒が城壁に激突する。その戦斧は城砦を僅かに傷つけただけに終わる。だがそれで十分だった、残りの戦斧がその傷口に殺到していく。徐々に、徐々にだが城壁が破壊されていく。AIの論理防壁の再構築速度を沙里亜の論理攻撃速度が上回っているためだ。
しかしてAIもただ黙って自分の論理防壁が破壊されるのを見ているだけではなかった。沙里亜の速度が上回っていると判断するや否や、時たま行っていた沙里亜への論理攻撃を完全にやめ、自身の論理防壁の維持と再構築に全力を注ぐようになったのだ。
場がまたもや拮抗する。沙里亜は事ここに至りAIが自身の遊び相手としてふさわしいと認めた。そう判断した沙里亜は、今度こそ全力で相対する。今度は両手を指揮者のように翻すと、百を超える光の戦斧がその無機質な格子を刻まれた空に浮かんでいた。沙里亜はそれらの戦斧に一斉に号令をかける。
はたしてその合図を待っていたかのように、百を超える斧群がAIの論理防壁に迫っていく。論理防壁が今度こそじりじりと失われていく。沙里亜、AI共に全力であった。故に小細工がそこに介在する余地もなく、AIの純粋な力負けであった。結果、AIの論理防壁は全てが粉微塵に帰し、本体がむき出しの状態になる。
沙里亜は慎重に慎重を重ね本体に近づいていく。二ヶ月前の和樹のことが脳裏によぎったからだ。だから沙里亜は無意識のうちに警戒している。そしてその警戒は無駄なものではなかった。
本体まであと少しといったところで、電脳空間の格子が歪む。それは一度経験したことのある感覚だった。故に今度は沙里亜は捕まることなく、傷一つなくその場を離脱していた。目の前には沙里亜が不覚を取ったときとほぼ同じ、攻性防壁がその花弁を閉じていた。
現実世界に戻って、沙里亜は未だに電源が入ったままのサーバを見やり、引き分けですと言う。そこにはサーバをどこか懐かしいものを見る様な目をして見つめる、珍しい沙里亜の姿があった。
「引き分けです」
その沙里亜の声に研究者たちは歓声を上げた。計画の立ち上げから既に大分時間がたっている。ようやく得られた成果に研究者の中には落涙する者もいたほどだ。これで基礎研究はほとんどほとんど終了したも同然。あとは適切な相手さえいればAIが勝手に学習してくれる。研究者達の手を離れたと言っていいだろう。
泰助はその適切な相手の候補を頭の中で検索する。泰助の頭の中には一軒も該当者がいなかった。それもそのはずだ、沙里亜に対抗できる電脳症の人間なぞいないも同然だからだ。しかしてそこまで考えて、ふと思い出す事があった。二ヶ月前公園であった少年のことをだ。
あの少年も電脳症であったのだろうか。少なくとも泰助はそう考えている。沙里亜が上機嫌で話す相手などそれぐらいしか考え付かないからだ。調べておけばよかったなどと思い記録しておいた画像を呼び出し、警察庁のデータバンクで一応検索にかけてみる。
別段期待していなかった泰助であったが、該当者ありとの電脳の答えに驚く。急いでその詳細を読み込むと、芹場和樹という名とその詳細な調査結果が載っていた。そこに書かれていた情報に、泰助はやはりそうだったかと納得する。備考欄には電脳症を発症しているものと思われると記載されていた。
警察庁の情報管理体制を疑われそうだが、大概組織というものは外部に対してのチェックは厳しいが、内部に対してのチェックは案外緩いのだ。泰助はここでその緩さを最大限活用して見せた。泰助とてこの程度は一切の痕跡を残さずに出来る。使えるものは何でも使う、それが泰助の基本精神だった。
そんなこともあり泰助はAIの訓練相手に和樹が使えないかと思案する。不可能、それが泰助の下した結論だった。泰助は頭を抱える、唯一の候補も失ったこれからどうしようかとだ。
沙里亜だけも電脳症の人間全てと戦えるとごり押しすることも可能だが、そんなやり方はあまりしたくない。来期の予算折衝で不利になるからだ。ここに至り泰助は考えることを一時的に放棄する。その傍ではサーバが低い音を立てていた。
「情報研が対電脳戦用のAIの開発に成功したそうです」
楕円形の机が鎮座している部屋の中で一人の女性が複数の人間にそのような報告をしていた。その女性は情報対策課課長、柊真澄その人だ。ここは警察庁の最高幹部が集まる会議室である。その只中で真澄は多少緊張しながら報告を続ける。
「一刻も早い本庁サーバへの導入を進言します」
そんな真澄の声に否を突きつけるものはこの中にはいなかった。だれもが電脳症の人間の危険性を正しく認識していたからだ。正確には、真澄の報告で認識させられたと言ったほうがいい。その三十枚以上にも上る、危険性を示唆する報告書を読んで危険性を認識できないほうがおかしかった。少なくとも真澄はそう思えるように簡潔に書いている。
簡潔に書いても三十枚以上に上ったのだからたちが悪い。それこそ電脳症はこの国の裏側そのものだといってよかった。論理爆弾の構成、封印、解体、さらには既存の論理防壁の無効化。これだけとっても大事だ。本庁サーバを孤立化する案も再三出たが、情報網からの完全な切り離しは不可能との判断が出た。
それにそんな事をすれば今の電脳化の恩恵を一気に失う。情報伝達速度はそれこそ限りなく遅くなることだろう。今でさえ遅いというのにこれ以上遅くなってはたまらない。電脳犯罪は警察組織全体が有機的に情報共有できる現在で、ようやっと対応できるようになっているのが現状だ。故に、先ほどの真澄の言になるのである。長官がその決断を下すのももっともな事だ。ここに本庁サーバへのAIの導入が正式に決定した。
会議でAIの導入が決まってから二日後、情報研から例のAIが送られてきた。AIが封入された光学ディスクは光を反射し、七色に輝いている。そのことにこの件の責任者になった真澄は薄ら寒いものを感じていた。
事実、これは予定調和なのだ。情報研は最初から警察庁のサーバに導入するためのAIを開発していた。そして警察庁の上層部は電脳症の危険性を十分に認識していたのだ、真澄に進言されるまでもなく。
それらのことを下に伝えないのは上層部の怠慢、と言うより現場の混乱を嫌ったためだ。現場レベルで対応できないものを教えても意味がないという判断もある。基本的に上層部は下に対応できないと判断した情報は与えない。
そのため真澄にはあまりに順調すぎると感じられるのだ。全てが上層部の掌の上とは露も思わず。どこか疑問に思いながらも真澄は陣頭指揮を執っていた。その右手には報告書の束が握られ、それを左手が高速でめくっていく。現場の順調さとは裏腹に事務作業の方は滞りがちだった。
事務作業の方もひと段落ついた頃、真澄は籐矢と会話していた。議題は今回のAIについてだ。真澄は籐矢に一つの疑問を聞いてみる。いわく、本当にあのでたらめな人間達に効果があるのかと。それに答えた籐矢の声はどこか底冷えするものだった。
「わかりません」
――ただ、期待できるとは思いますよ。その言の葉は結局機械任せにしか出来ない苛立ちを含んでいた。それも無理もないと真澄は思う。いままで人の手で行ってきたことを機械に任せるのにはどうしても抵抗が出てくるものだ。
まして籐矢は電脳技官、その落胆はいわんやだ。その様子に真澄はだんだん人間の居場所がなくなってくると独りごちる。その独り言が籐矢の耳にも届いたのだろう、違います、昔に戻るんですよと合いの手が返ってきた。それに真澄はわずかにその整った眉を上げて疑問の声を上げる。
実際、現在の警察機構において人間の仕事は減るどころかむしろ増えていた。それこそ、電脳犯罪――電脳を用いた犯罪に警察が対処できなくなるほどに。それは電脳と言う便利な技術が開発されてから常に警察機構の傍にあり続けた問題でもある。
それが今回のAIの開発によって元に戻るのだ。このAIが一般社会にまで浸透したら、電脳犯罪はほとんど無くなると籐矢は考察していた。電脳技官は直ぐとはいかなくともただの技官へ戻り、そしてこの情報対策室もその人員を大幅に削減されることになるだろう。自身の職場が無くなるのは悲しいことではあるが、犯罪が減るそれは警察官としては喜ぶべきことだ。
その籐矢の言にそういう考え方もあるかと真澄は感心する。真澄にしてみれば自身の仕事を奪われるとしか感じていなかったからだ。部下に諭された自身の不肖を恥じる、しかし全て機械にまかせっきりにしていいものかとも思う。真澄はやはりどこかで人が必要だとも考えた。
はたしてその真澄の考えは正しいものであった。機械は常に一定のミスを出す。そのことは工業製品に一定割合で不良品を出すことにどこか似ている。不良品が許されない場合、その不良品を最終的に弾くのはいつまでたっても人間の役目だ。やはりどこかで人間による検証が必要なのだこの世界では。
その真澄の考えを肯定するように、警察庁のサーバに導入されたAIは自己進化を続ける。それはまるで人体に出来た癌細胞のごとき速さだ。真澄たちが気付くその前にAIは自己進化するにふさわしい相手を探し続け、不正接続を繰り返していた。
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