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雪獣は何故に人を思ふ  作者: 天野最中
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第十五話 Another view 「出雲霧命参」

 今日も対象の観測を始める。相変わらず酷い顔だ。

やせ細っている訳ではなく目に光が宿っておらず、何処となく危なげに見える。

彼にもう少しと近づいてみる。すると昨日は無かった物に気づく。

これは、『獣』の気配。しかもかなり強い気配。

これは私一人では捕らえることも倒すことも出来ない。

それが如何に危険な事かは直ぐにわかった。

距離をかなり離す為対象を捕捉できる所に移動する。

ある程度離れてから携帯を使い本部に連絡を入れる。


「報告します。対象から『獣』の気配感知。対象を『獣』と認定。危険度は最低でもA。指示を願います。」


「こちら本部。了解しました十種姫。対象を登録。応援を送ります。しかし、まだ監視に収めておいてください。気になる行動があり次第報告お願いします。」


「分かりました。」


これでもし彼が暴れても被害は小さくすみそうだ。

だが、そのとき肩に乗っている兎に目を奪われてた。

あの黒くて三日月の模様が入っている兎は。


「み、朏様?」


その声に反応するかのように離れた私の方を振り向く。

それが朏様であることの証明でもあった。

私は本部に連絡をするより彼が物凄く気になった。

普段は滅多に姿を表さない5匹の兎、聖兎達。

それにあそこまで懐かれている人は見たことがない。

それにあの方々らは本当は獣を避けるはず。

なのに朏様はあんなにも寛いでらっしゃる。

彼の肩の上という安心できる場所で時折話しかけられそして、撫でられて。

そんな姿をただただ追いながら見つめていただけだった。

何時しか到着していた仲間を振り切りできる限り近くで見ていた。

屋根の上から降り、早着替えで街服に着替えてだ。

携帯が煩いので電源を切りただただ彼らを追う。そして気づいた時には。


「あれ?ここって私の家じゃ。」


私の家に彼らが訪れていた。

電源をつけて急いで本部に連絡を取る。不在着信やメール等を気にせず。


「十種姫!大丈夫でs」


「なんで?なんで?対象が私の家に訪れてるの?なんで朏様を肩に乗せてるの?彼は一体何者なの?!」


私は柄にもなく慌てふためき応援が到着するまでその状態であった。

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