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プロローグ

 クリスマス。年に一度の大切な日。子供たちはサンタクロースのプレゼントに歓喜し、親は子供の笑顔に心温められる。はたまた、カップルは互いの愛を確かめ合う。とっても神聖な日。そして今年も、その日はじきにやってくる。


 高校二年生、17回目のクリスマス。

 僕は今年で十七歳になった。昔でいえば元服の年齢はとっくに過ぎ去り、もはや一人前の大人であるのだから、現代の法では二十歳からが大人と見なされるが、僕にはもう大人であるという自覚はある。一方で、母は去年から、「あなたはもう大人なんだからクリスマスプレゼント要らないわよね」と度々クリスマスプレゼント離れを催促してくるが、小遣いに不服な僕はクリスマスプレゼントをあてにしているので、「まだ子供なのだからクリスマスプレゼントをもらえて当然だろう」と母にずっと主張してきた。よってクリスマスプレゼントの心配はない。

 だが、僕には他に一つ気がかりなことがある。冒頭で述べたクリスマスに見られる光景の一番最後。「カップルは互いの愛を確かめ合う」について、僕にはまだ経験がない。

 先にも述べたように、僕にはもう大人の自覚がある。つまり、精神的にはもう大人なのだ。結婚はまだできる年ではないのだから、「親は子供の笑顔に心温められる」については未経験なのは仕方がないのだが、僕は今、いつでも恋人を作ることができる状態、俗に言う「リア充」の対義語、「非リア」の状態であり、クリスマスを目前にして未だこの状態が続いていることに焦りを感じている。

 同じ境遇の友人はこの状態を「くりぼっち」だと嘆いていたが、僕は今年のクリスマス目前になるまで「カップルは互いの愛を確かめ合う」ことについて特別に意識したことはなかったので、その嘆きを受け流してきていた。しかし、「くりぼっち」についての話を深めているうちに、僕の周りには自分とは異なる境遇にいるクラスメイト、つまり、クリスマスに愛を確かめ合うことのできる状態にあるクラスメイトがいること、そして、今までに恋人と互いの愛を確かめ合った経験があるクラスメイトが多くいることがわかってきた。この年になるまで恋人を作ったことのなかった僕は大変驚き、同時にこのままではダメだという感情が熾烈に燃え始めた。


 この物語は、クリスマスはカップルが互いの愛を確かめ合う日であること、まして、自分に今まで恋人がいなかったことについて特別に意識したことのなかった僕が、「くりぼっち」脱却を目指して奮闘したことを記録したものである。

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