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【番外編】もしも二人が小型宇宙船のクルーだったら

本編に関係ない架空の【もしも】のお話です。


続いてすみません。

「救助信号発信しましたよね・・・。」


ヒナと鷹は二人で遭難中です。


遭難中ですが、別に漂流している訳ではありません。


無人の居住可能型惑星に漂着しているのです。


「ああ、星間通信の超お高いやつ(通信速度最強)で送った、はずだ。現在も継続的に発信し続けている。」


遭難信号はたしか星間通信でも費用請求されませんよ。


もし請求されたらとんでもない額になるはずです、ブルブル。


鷹は、日に何度か通信に変化がないかチェックしにコクピットにやってきます。


チェックしなくても通信が入れば船内にアラートが響くはずです。


「もう、一ヶ月もこの状態ですもんね。もしかしたら、こんな辺境には救助は来ないのかも・・・。」


「食糧は?」


鷹に尋ねられ「空気・水ともにOKです。食糧プラント(小)も正常に稼働してますよ。」と答えます。


小型ですが通常でも十人以上を何十年もまかなえるので2人だけなら寿命が来ても食糧には困らないでしょう。


「そうか・・・だったらそろそろこの惑星を本格的に探査するか。」


「無人機を出しますか?」


エネルギーの関係であまり頻繁には出せませんが、成層圏内なら無人の小さい偵察機を出せます。


鷹はお金持ちですから、宇宙船(ふね)は3万トンクラスと小さい(ヒナの主観で)ながらも装備はいろいろと充実しているのです。


今はいろいろと便利になって小型宇宙船を最低でも一人いれば動かせるようになったのです。


操作機能は年々単純化されてますからね。


免許と資金さえあれば動かせることができるのです。


そのかわり、個人所有の長距離航続可能な宇宙船(ふね)となれば資金は半端なく必要になりますけど。


そもそも停泊場所(マリーナ)の費用だけでも年間どれくらいかかるか!


宙港までの軌道エレベータの維持費用も含まれてますし、保険や税金もものすごいです。


宇宙船は一般市民からすると本当にぜいたく品ですよ。


「有人・・・いや現地調査してみたいな。」


「だ、ダメですよっ。私達がここに害になるものを持ち込む可能性がある以上、それはダメですって。」


未登録らしき居住可能型惑星を発見した場合は生態系や環境を破壊しないように調査は政府(専門職の方)がすることになっているのです。


惑星が有用で開発されるとしても調査で何十年も経ってからが通例なのです。


「もしかしたら、一生ここから出れないかもしれないぞ?」


鷹がヒナの右耳に囁きます。


「それでも・・・ダメ・・・です・・よ。もし・・救助が・・・きて故意とバレたら・・・二人・・とも禁固・・刑ですよ。」


あああ・・・耳を甘噛みするのはやめてください!


手をスーツの中に入れるのも反則です!


「まぁいいや。ヒナをちょっとベッドで説得してからにするか。」


ぺろりと首筋を舐める鷹。


「・・何を・・さ・・れても説・・得には・・・応じら・・れません。」


鷹に抱きかかえられてヒナは個人スペースに連れていかれたのでした。







時代が進んでも人間のやることはあまり変わりません(恥)


ヒナはさんざん鷹に啼かされて、ベッドでへばっています。


「このまま、ここに取り残されることになったら、この惑星のアダムとイブとして生きていくしかないのかも。」


ぶふっ。


鷹の言葉に思わずヒナはふいてしまいました。


・・・すごくロマンチック思考ですね。


鷹が睨んでいるので笑わなくて良かった・・・(汗)


「鷹、ダメですよ。勝手に惑星に降りたら厳罰ものです。それに・・・私たちはいいとして子供世代からどうするんですか。私達が死んだら取り残されるんですよ?出産時にも不安があるし、絶対にヒナはここで子供は作れません。」


「ええ~。」


ええーじゃないです。


「鷹が子供が欲しいのは重々承知ですが、きちんとした医療機器も揃ってないんですよ。もしヒナが出産時に死にでもしたら、鷹は一人ぼっちになります。だから絶対ダメです。」


力は入りませんが、一糸まとわぬ姿のまま鷹を抱きしめます。


「ここを出たら次は最新の医療ロボットを搭載させる!」


またお金のかかる提案を・・・。


・・・まさかまた遭難する気なんですか?


公海(この場合は宇宙の)を航行してればそうそうそんな場面には遭遇しませんて。


「とにかく時間だけはあるんですから修理できそうな箇所だけ引き続き修理しておきましょうよ。」


「そうだな。早く文明に戻って子供を作ろう。」


目的は子供ですかい!


ヒナは鷹の腕の中でやさしいキスを受けました。




その一ヶ月後、やっとTACHIBANAから救助隊がやってきました。


やはり辺境すぎたのが遅くなった原因だったようです。


政府よりも早く救助にきました。


惑星はすでに発見者がいて調査前段階(政府の予算の都合で調査申請中)の惑星でした。


そうですよね、そうそう未知の居住可能な惑星なんて存在しませんて。


救助といえども未調査惑星に着陸ですから、なかなか手続きが大変だったそうです。


途中、嵐で足止めをくったりしたそうですが、私たちのために申し訳ございません。







「今度は修理の専門職と医療ロボットとあれとこれと・・・」


鷹・・・もしかしなくても、それ、小型の宇宙船(ふね)じゃ積載オーバーになるんじゃないでしょうか。


「あ、宙図(チャート)の更新も今度からマメにしてかないと・・・。」


鷹が何やらブツブツ呟いています。


今だって居住空間の他に食糧プラントや特注の推進機関(燃料不要・・・すごく危険なんですよ、これ)とか、無人偵察機とか脱出用の小型艇とか色々ギュウギュウ詰めなのに。


救助されてから、宇宙船の規模が大きくならないように祈るヒナなのでありました。


クルーザーはクルーザーでも、巡洋艦(クルーザー)にしたいなんて絶対に聞こえませんでしたからね!

たぶん船長は鷹臣です。

3万トンクラス・・・現代だと豪華クルーズ客船よりもちょっと小さい程度です。飛鳥Ⅱで5万トンくらい?


巡洋艦(クルーザー)・・・個人で宇宙旅行可能時代(通常航行以外の手段も開発された)なので現代のものと比較にならないくらい大きいものとしておきましょう。


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