1/2
エピローグ
「…いった。」
一足踏み込めば、喧騒に包まれたギラギラ光る街。
けれど一本路地裏に入れば、暗く暗く闇に吸い込まれてしまいそうな程の冷たいビルの間で、乱雑に積まれたゴミにもたれかかりながら白い息と同時に呟く。
あれだけ死にたいと思っていたあたしは、自分に向けられた殺意から死に物狂いで逃げ出した。
身に纏ったきらびやかなドレスも、こんな暗闇の中ではただの布切れ。
裸足で走ったせいで、薄いストッキングなんかじゃ何も守れやしない。
足裏は石や硝子で血だらけ。
寒さでかじかんだ指先で、震えながら硝子の破片を一つずつ抜いていく。




