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持病日記  作者: 俺野兎
6/12

うつ病(うつ状態・自律神経失調症)

俺は、うつ病を持っている。


何度も触れるが、俺は、大学を卒業してから3年前まで 33年間、高校で理科の教員をしていた。

最初に赴任した学校は、冬は雪が深い県北の普通科高校だった。

塾の一軒もないような田舎で、生徒たちは学校だけを頼りにして、勉強に励んでいた。

毎年、かなりの数の生徒が国公立大学に合格していたし、2,3年に一人くらいではあるが、京都大学や公立大学の医学部に入る生徒もいた。

純朴で学ぶ意欲の高い子どもたちに囲まれ、3年間を過ごした。

そこには何年もいたかったのだが、3年目にいきなり転勤を言い渡され、実家のある県庁所在地に戻った。


次の学校は、大規模な普通科高校で、いわゆるできる生徒が通う学校だった。

毎年東大や京大に数人入る学校で、ほとんどの生徒が国公立大学や難関私立大学へ合格していた。

市内のはずれにあるのもあって、郡部の子が多く、素直でひとなつっこい子が多くて、俺もやりがいをもって、日々、教育などとというものに励んでいた。

そこには9年いた。

俺自身も普通科高校の卒業で、この12年間で、俺の中で理想の教師像ができあがっていった。


ところがである、その後に、いきなりある学校に転勤となった。

その学校は、いわゆる教育困難校で、校長から「職種が変わったと思ってくれ」と言われた。

確かに、全てが違っていた。

悪く言ってはいけないし、全ての生徒がそうではないのだが、概ねの生徒が初めて見るような生徒だった。

普通に制服が着られない、何度注意してもきかない、口を荒らす、勉強などする気がない、遅刻は多いし、だるくなるとすぐに早退したがる、一人謹慎が開けるとすぐに誰かが謹慎になる・・・。

とにかく卒業証書が欲しいだけで、なるべく楽をして卒業したいのだ。

勉強を教える以前に、授業を成り立たせることに必死だった。


そんな中で

俺は一体何をやっているんだろう?

これって、俺がやることなのか?

いつまでこんなことを続けるんだろう?

明日が来なければいいのに。

などと、考えてもしょうがないことが、いつも頭の中をグルグルと回るようになった。


やがては、心が病んでいき、興味を持ってやっていたことに手が出なくなり、何を見ても聞いても関心がもてず、一日中気持ちがふさがり、夜も眠れなくなっていった。

妻に勧められて、大学病院の精神科を受診した。


先生から、いろいろと聞かれ、最後に「死にたいと思うことはありますか?」と聞かれた。

素直な気持ちから「はい」と答えると、「入院してください」と言われ、入院することとなった。

病名は「うつ病」。


その後、退院したが、根本的なことが解決していないので、治るはずがない。

抗うつ剤と精神安定剤と睡眠導入剤を処方されて飲み続けた。

人生で初めて転勤希望を出したのだが、幸い、その学校は2年で転勤できた。

だが、この経験は、その後もトラウマとなり、俺の心に暗い影と深い傷を残した。


その後、数年ごとに2回入院した。

ある先生には「うつ状態」と診断され、別のときには「自律神経失調症」と診断された。

症状は同じなのに。


ずっと薬を飲まないと眠れないし、楽しみの対象がギャンブルと過食といった刹那的なものになった期間もあった。

酒の量はとても増えた。

勝手に薬をやめたら、症状が重くなると言われ、その後も、ずっと精神科のクリニックに通い続けた。


そして、3年前に早期退職して、やっと心が晴れ、薬を止めた。

眠れなければ眠れないでいいや、やがては眠れるようになるだろうと開き直って。

そして、普通に眠れるようになった。


だが、今でも、不安になると、その気が出てくる。

半年ほど前に、会社都合で解雇され、現在、俺は無職だ。

求職中で、何社も受けたが、書類で落ちたり、面接で落ちたりでまだ決まらない。

ひと月前くらいから不安感が強くなって眠れなくなり、受診して薬を出してもらっている 。


うつは治らない病気のようだ。

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