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持病日記  作者: 俺野兎
4/4

心房細動(不整脈)

困ったことになってしまった。

また、1つ持病が増えてしまった。


先々週に、市の特定検診に行ってきた。

高血圧と高尿血症の薬をもらっている掛かりつけの病院へ。

俺は、今は国民健康保険に加入していて、来年の2月に60歳になるので、今は60歳になる年度に入っているので無料で受けられるのだ。

血液検査と検尿と心電図と診察だけだが、それで十分だ。

それ以上の検査をオプションで付けて、持病が増えたら、たまったもののじゃない。

そのはずだったのだが、なんと、心電図で引っかかってしまった。


先生から「心房細動が出ている」と言われた。

心房とは何か?

俺は、3年前に早期退職するまで、大学卒業後から33年間、高校で生物の教員をしていた。

高校の生物でも、心臓の構造と働きは勉強する。

簡単に言うと、心臓は血液が入ってくる心房という部屋と、そこにつながっている心室というギュッと収縮して血液を送り出す部屋に分かれている。

それが左右にあるので、2心房2心室という構造になっている。


心房細動とは心房が十分な収縮をせず、けいれんするように細かく震えることで脈が不規則になる病気であり、それが不整脈である。


心房も補助ポンプとして全体の20%の血液を送り出す役割をしているので、心房が細かく震えていると、血液を勢いよく押し出すことができなくなって、心房の中で血栓ができやすくなる。

その血栓が心臓を出て行って、脳の血管を詰まらせたら脳梗塞になるのだ。


循環器の専門病院で診てもらった方がいいと言われ、紹介状を書いてもらって、その足でその病院に行った。


血液検査、心電図、エコーなどいろいろ検査をしてもらった結果、やはり、心房細動があって、それが続いている状態になっているとのこと。

また2週間後に検査をするので、それまで、血液をサラサラにして血栓ができにくくなる薬と、心臓の拍動をゆっくりにして強く打たせる薬を、朝食後に絶対に忘れずに飲み続けるようにと言われた。


そして、今日が検査の日で、病院に行った。

血液検査と心電図をとられ、診察を受ける。

やはり、心房細動がはっきりと出ていて、薬が効いていないとのこと。

これを放っておくと、何年後かはわからないが心不全になり、そうなると、ホルモンの働きの乱れで、体に水が通常より多く含まれるようになるというか、体ががそうするらしい。

そして、やがては、肺に水が溜まるようになって、溺れているときのような呼吸困難になり、最後は死亡することがある。

心不全の状態から、死亡する確率は約60%だと言われた。


この症状がある人は、動悸、息切れ、倦怠感などの体がしんどいという自覚症状がある人もいるようだが、私のように自覚症状がない人の中には、何年か待ってくれとか、体がしんどくなってから治療を受けるという人もいるようで、いくら自覚症状が出ていなくても、その間、心房は普通の収縮以上に収縮し続けているので、長い時間が経過すると心臓が疲れてしまい、治療の効果が出ないことも多いとのこと。


この後の選択肢は4つ。

1つ目は、電気ショックで一時的にこのプルプルを止めること。その先生は細動のことをプルプルしている状態と言われる。でも電気ショックは、一時しのぎの策であって、解決はしない。またすぐに出る人もいるし、だいぶ先まで出ない人もいるし、それは個人差がある。でも、また出るのは確実とのこと。

2つ目は、手術。カテーテルを入れて行う手術で、手術の時間は2時間から3時間で、入院期間は3泊4日。1回目の手術で治る可能性は約80%で、2回目で約90%だという。

3つ目は、薬物治療。不整脈を抑える薬を飲むこと。ただし、この薬は副作用が強く、失神や最悪では死亡の例もあるとのこと。

4つ目は、何もしない。でもこれは、先が長くないお年寄りが、もう今さらそんなことをしてもと言って選ぶことが多いとのこと。


結局、選択肢は3つだが、迷う余地はない。妻にも相談したが、手術1択だ。

10日後に診察を受けるが、そのときに回答することになっている。


ちなみに、この手術を受けて心房細動がなくなったとしても、脳梗塞の予防にはならないとのこと。

つまり、血液をサラサラにする薬は一生飲み続けなければならない。

先生が持ちネタのように、最後に言われたこと。

「その薬は、必ず毎日飲まないと効果がないんです。飲んだり飲まなかったりでは、全く効果がありません。私の患者さんに、高齢の方がいらして、そのことを念を押していたのですが、飲んだり飲まなかったりで、結局脳梗塞になりましたよ。今では鼻からチューブを通して、何もわからない状態で車いす生活です。」


怖い。怖すぎる。

必ず、毎朝、飲み続けます。

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