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持病日記  作者: 俺野兎
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糖尿病

重い病気の順にというつもりはないのだが、病院の問診票で今の持病を答えるときに、やはりトップバッターの切り込み隊長は糖尿病である。

重い病気なのでおちゃらけてはいけないのだが、もう、治らないのでお友達のようなものだ。

俺が初めて糖尿病と診断されたのは6年前。

まだ、高校の教員としてバリバリに仕事をしていたころのこと。

よく覚ええていないのだが、全く関係のないことで当時の掛かりつけの内科のクリニックで血液検査を受けたら、先生に「これは明らかに糖尿病の数値です」と言われて驚いた記憶がある。

まさか?俺が糖尿病?

でも、すぐに治るんだろ。

先生に糖尿病の教育入院を強く勧められて、総合病院に1週間ほど入院した。


入院とは言え、自分は今までと変わらずに元気なので、時間を持て余した。

その期間は、検査以外に、プログラムに毎日の講義が組まれていた。

糖尿病とは、どういった病気か?

糖尿病になると、何に気を付けないといけないのか。

糖尿病が悪化すると、どのような合併症が現れるのか。

今でも覚えている。

「えのき」と「しめじ」

怖い、本当に怖い。

人工透析になんてなったら、もう人生真っ暗だ。


そして、糖尿病は決して完治しない病気であることを知った。

食事と運動と薬で悪化させないようにすることしか手がないことも。


俺の症状に合わせて処方されたのが、ビクトーザという注射の薬だった。

インスリンでなくてよかった。

1日1回、夕食後にへその回り腹のどこかに打つ。


そんなことになって、初めて、若いころからの暴飲暴食を悔いた。

お代わり自由の定食屋では3杯以上はお代わりしていた。

何でも注文するときには大盛。

特盛があれば特盛。

後悔、先に立たず。


教育入院から退院したら、糖尿病専門のベテランのかなりお年寄りの先生が診てくれるクリニックに通うことになった。

薬は、メトグルコという飲み薬に変えてもらえた。

ただ、この先生は常勤ではなく、月に2回の木曜日の午前だけと言う縛りがあり、完全予約制だ。

仕事の関係で、都合が悪いことが多々あり、現在通っている病院に変えた。


そこは、病院そのものが糖尿病に特化したクリニックで、予約はいらない。

ただ、血液検査の結果はその日にわからず、結果として薬が切れる前の翌月ということになる。

結局、診察で示される数値は1か月前のものだ。

これでいいのだろうかと思う。

数日後に行けば教えてくれるのだが、タダではない。

前のクリニックは、数十分後に検査結果がわかったのだが。

なかなか、全てを満たしてくれるクリニックを探すのは難しい。


しばらくは、前のクリニックで出してもらったのと同じ飲み薬を飲んでいたが、先生から、1週間に1回打つマンジャロという注射の薬を提案された。

その注射は、もちろん糖尿病の注射であるのだが、食欲を押さえる作用もあるらしい。

個人差もあるようだが、食欲が旺盛な人の中にも、その薬でさほど我慢しないでも食欲が落ちて痩せた人がいるとのこと。

俺は、はっきり言って太っている。

身長170cmで、体重は84kg。

先生から、まずは70キロ台になりましょうと言われていた。

で、その注射を打つようになって、本当に食欲が落ちた。

以前は朝からご飯をしっかり食べていたが、今は、トマトジュースと納豆くらいでお腹が一杯だ。

むしろ、何も食べたくないくらいだが、ほかの病気で朝食後に飲む薬があるので、無理やり食べている感じ。

そのクリニックには1か月に1回通っているのだが、次の診察では、体重が2kg減っていた。

先生がとても喜ばれていた。

先日家で量ったら、もう2kgほど落ちていた。


そのクリニックには、管理栄養士の先生がいらっしゃって、診察の待ち時間に、ここのところの食生活にアドバイスをしてくださる。

いたらないところは優しく助言してくれて、いいところは褒めてくれる。

だから、包み隠さずしゃべるようにしている。

体に悪いものは悪いとはっきり指摘してくれるのがうれしい。

それだけ悪いものなら、もう食べないと思えるから。

好きでよく食べていたもので反省したもの。

・焼き鳥の皮・・・これはタンパク質ではなく脂。そして、摂らない方がいい脂。指摘されて以来、食べていない。

・揚げ物・・・今の現代人の生活で、揚げ物をまったく食べないのは難しい。でも、スーパーやコンビニの油はトランス脂肪酸という、自然界にない脂を使っているとのこと。これが、体に良くない。できるなら、そういった揚げ物は週に1回くらいにしたい。家で普通の油で揚げるのは別。

・レトルトカレー・・・これも、牛脂や豚脂といった、体によくない脂が、美味しくするためにかなり加えられている。できれば、週に1回くらいにしたい。


先生は、「でもこんなことばかり言ってたら、食べるものがなくなっちゃうんですよね」と言われることがある。

現実と自分の使命の間で揺れて悩む真摯な表情を、不謹慎ながら、とってもかわいく思えてしまう

だから、先生が俺のために仰ってくれたことは絶対に守らないとと強く思う。


まあ、とにかく、ご飯は控えめに。

そして歩きなさい。

これに尽きるかな。

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