言葉の魔法
―ごめん、じゃない言葉をください
遅れてくると、いつも息を切らしてるあなた。
「ごめん、待たせて」
ぜいぜいと荒い息を繰り返しながら、ネクタイを弛める仕草にドキッとするの。
でもそんなこと言ってやらない。
「うわっ、手冷た…どっか入ってればいいのに…」
春先とはいえまだ夜は冷えるから、私の手は冷たくて。
それに気付いたあなたはすぐに息を吹き掛けて温めてくれる。
「ホントごめ…」
言いかけたあなたの唇に人差し指を押し当てて。
ニッコリ笑うと、あなたは気付いたようで目を細めた。
「待っててくれてありがとう」
そう言って微笑むあなたが私は何より好きなの。
だから"ごめん"よりも"ありがとう"をください。
【End】
ここまで読んでいただき、ありがとうございます(*^^*)
今回のテーマは"ありがとう"でした。
ごめん、と謝られて悪い気はしませんが、何だか次がやりにくい気がして…
作者の意見としては「待っててくれてありがとう」と言った方がお互い気持ち良いかと思います。
笑顔で帰ろう!みたいな
謝るのも大事ですが、ずっと謝ってると信憑性なくなりますよね。
まぁ、感謝の言葉も同じですが。
どちらもバランスよくほどほどに。ですね