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☀️神バズ!~神様とJKと重すぎる愛~☀️  作者: 希望の王
第七章:吉本四葉の母の物語『始まりの物語:運命の紡ぎ手、いのり』
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1話 飽和する神の世界

神の世界は、その美しさと豊かさの極点にあった。天空には神々が暮らす宮殿が浮かび、大地には永遠に咲き誇る花々が満ち、尽きることのない魔力の源泉が世界を潤していた。しかし、その「豊かさ」は、同時に神の世界を滅びへと導く、静かなる毒でもあった。


「盟主、このままでは……」


神々の一人が、苦渋の表情で盟主であるいのりに告げた。いのりは、神の世界の全てを統べる者であり、その銀糸のように輝く髪と、静謐な赤色の瞳は、世界の深淵を見通すかのような輝きを宿していた。


彼女の眼前には、神の世界の全ての構造を示す巨大な魔力図が展開されていた。その図は、日に日に赤色を増し、まるで内側から膨れ上がる風船のように、限界へと近づいていることを示していた。


「飽和」。


それが、神の世界を襲う未曽有の危機だった。


あまりにも多くの神々が生まれ、あまりにも多くの魔力が満ち、あまりにも多くの「概念」が具現化しすぎた結果、神の世界そのものが、物理的な限界を超えて膨張を続けていたのだ。膨らみすぎた風船がやがて破裂するように、このままでは神の世界は、存在ごと塵と化してしまうだろう。


いのりの心には、重苦しい鉛が沈んでいるようだった。盟主として、この世界を救う責任が、彼女の華奢な肩に重くのしかかっていた。これまでに、あらゆる賢者たちが解決策を模索し、多くの神々が知恵を絞った。しかし、どの案も、世界の破滅を止めるには至らなかった。


「もう、猶予はない」


いのりは静かに呟いた。その声は、しかし、確固たる決意に満ちていた。彼女の瞳は、未来を見据えるかのように、深く輝く。


そして、いのりは、一人娘である四葉の元へと向かった。四葉は、若くして類稀なる才能を持つ神であり、後に「幻想を司る魔法」を操る者となる存在だった。


「四葉」


いのりが呼びかけると、四葉は振り返った。その瞳は、まだ幼さも残るが、母と同じく、世界の法則を深く見通すかのような光を宿していた。


「母上」


「お前に、世界級魔法の使用を命じる」


いのりの言葉に、四葉の顔から血の気が引いた。世界級魔法。それは、世界の根幹に作用するほどの強大な力であり、使用すれば必ず、代償が伴うと言われている。その中でも、四葉が持つ「幻想(法則を司る魔法)」は、無から有を創造するほどの力を秘めているが、その規模が大きいほど、術者から大切な記憶を封印してしまうという、苛烈な代償を持つ。


「ですが、母上……」


四葉が戸惑いながらも口を開こうとした時、いのりは首を横に振った。


「もはや、これしか道はないのだ。お前が持つ『幻想』の力で、この神の世界の中に、新たな世界を創造するのだ」


いのりの声は、娘への痛みと、世界を救う盟主としての覚悟が入り混じっていた。四葉は、母の悲痛な決断を理解した。世界の破滅を防ぐためならば、いかなる犠牲も厭わない。それが、神の盟主としての、そして、その血を引く者の宿命だった。


四葉は、静かに頷いた。彼女の表情には、不安と、そして、世界を救う者としての決意が宿っていた。



神の世界の「飽和」という危機に直面し、盟主いのりは、娘の四葉に世界級魔法「幻想」の使用を命じました。次話では、四葉が新たな世界を創造する過程と、その代償が描かれます。


次回、第二話「幻想の創造、そして代償」にご期待ください。

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