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第6話 2人の少女

 病室での不思議な出来事から数年たったある日のことだ。


焼野原やけのはらしんのすけさんは居ますか?」


 玄関先で俺を呼んでいる。聞き覚えのある声だ。

 涙があふれ出そうだ。少し時間をもらおう。


「トムヤムクンはおられますか?」


 どういうことだよ……。

 

「資産が回復したのに、なぜか病んでいる富む病む君(トムヤムクン)はご在宅ですか?」


 なるほど……。

 面白いから、少し様子をみよう。


「だいぶ前に助けていただいた、手の小指です!」


 助けた覚えはない。

 キミたちに救われた記憶はあるが。


 とうとう、俺の涙腺が壊れた。

 涙がとまらずに流れ続ける。

 こんな顔を見せるのは恥ずかしい……。


 ドアを開くと、絵に描いたような姫カットの少女2人が立っていた。


 ゴスロリ服を纏った姉妹の姿。

 長めのスカートの裾からウエスタンブーツを覗かせる。

 姉妹の見た目は変わっていない。

 座敷わらし(妖怪)は成長しないようだ。


 変わったことが、ひとつある。

 2人とも靴を脱いで家に入ってきたことだ。


()妖怪の美少女姉妹です!」

「もと?」

「能力を使い果たし、姉とわたくしは妖怪ではなくなってしまいましたの」

「わたしか妹、どちらか一人でいいので、このおうちに置いてください……」


 人間になってしまった2人は、行き場を失ったそうだ。

 悩んだ挙句、こんな俺を頼ってきてくれたのだ。


 2人の妖怪は、自身の能力と引き換えに父を救ってくれた。

 現状、生活はカツカツだが、同居を断る理由は1ミリもない。

 妖怪の能力なんて必要ない。2人が居てくれるだけでいい。


「ひとりと言わず、ふたりとも面倒をみてやる」


 抱き合って喜ぶ姉妹。


 靴を脱げ! いや、すでに脱いでいるか……。


 代わりに言いたいことがある。


 2人とも、またよろしくな!


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