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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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9/50

第9話「文学少女、校則の解釈に詩を持ち出す」

今回は“校則”という固いものに、詩音先輩がやさしく切り込む回。

文学的解釈で法律を揺るがすとは……詩の力、恐るべし!?

ある日、ゆいがため息をつきながら言った。


「はあ……前髪のピン、色つきだと注意されちゃった……」

「え、ほんと? そんな厳しかったっけ校則……」

「“華美な装飾は禁止”ってやつに引っかかったらしいよ」


そこへ、いつものように静かに現れた詩音先輩。

「校則に心を囚われてはいけません」


「うわ、出たよ名言っぽいやつー!!」

「でも先輩、これ以上ややこしくしないで……!」


詩音先輩はポケットから一枚の紙を取り出す。


『校則とは――

未来の不安を

いまに縫いとめるための、布

けれど布は、時に人を縛る

だからこそ、心で読み解くべきだと思います。』


「うわ、もう全文詩じゃん!? てか“布”ってなに!?」

「裁縫用語で攻めてきたよ……!!」


しかしこれに妙に感銘を受けたのが、生活指導の横山先生だった。


「うむ……たしかに、“華美”の定義は主観的だな……」

「もしかすると、今の時代にはアップデートが必要かもしれん……」


「ちょっ、マジで影響与えてる!? 詩で!? 校則に!?」


勢いに乗った詩音先輩は、ついに“校則の再解釈案”を作成。


第一条:服装は清潔であること。

(詩音注:心もまた、清らかであるべし)


第二条:携帯電話の校内使用を禁ずる。

(詩音注:沈黙もまた、学びの一部)


「いや、勝手に“注”つけてんじゃないよ!!!」

「なんか校則が詩集になってきてるんだけど!!!」


これが“新しい風”として生徒会で議題に上がりかけたところで――


生徒会長がバッサリ言い放つ。


「これは……“詩的すぎて校則として機能しない”ので却下です」


「そりゃそうだーーーー!!!」


肩をすくめる詩音先輩。


「残念。でも、言葉が誰かを少しでも考えさせたのなら、それで十分です」


「かっこつけたーーー!! でもちょっと納得しちゃうーー!!」


こうして、“詩による校則のゆるやかな改革運動”は静かに幕を閉じた――

が、生徒たちの間ではこんな会話がちらほら。


「詩音先輩の“注釈”、なんか好きだったな」

「“心で読み解く校則”って響きは、ちょっと残るよね……」


言葉は変えられなかったけど、考え方は少しだけ変わったのかもしれない。

今日の一句:

「縛るもの 読み方ひとつで ゆるむかも」


次回、第10話「文学少女、文化祭のテーマを“詩”で塗り替えてる」

ついに来た学園最大イベント! 詩音先輩の本気が文化祭を襲う!?

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