第5話「文学少女、LINEのステータスメッセージが長すぎる」
LINEすら詩で埋めつくす詩音先輩、絶好調。
今回は“スマホの通知すら文学に変える”新たなやらかし回です。
文字数制限なんて、詩人には無意味なのかもしれない……。
放課後。こよりたちはいつものようにグループLINEで、
「明日の小テストやばいね」
「いまから勉強して間に合うかなー」
「てか、今日の購買パンうまかった」
とゆるい会話を交わしていた。
そんな中――
ふと、まなが気づいた。
「……あれ? 詩音先輩のステータスメッセージ、なんか増えてない?」
ゆいが確認してみる。
「え……って、えええええええ!?」
詩音先輩のLINEステータス欄にはこうあった:
『今朝の空にすこし似た気持ち
一面のくもり、けれど
鳥のさえずりだけは確かに響いていて
今日も私は人間でいられると、安心した。』
「長っっっ!!」
「えっ、これ何文字!? エッセイ!?!?」
「もはや“詩”っていうか“連詩”!?」
しかも、数時間後にはステータスが更新。
『購買のチーズパンのやさしさに、
今日も救われた気がした午後。
それだけで、この日は“善”です。』
「え、えらくパンを称えてる……」
「LINEってそんな使い方するもんじゃないでしょ!?」
その後も詩音先輩は、LINEのステータスメッセージを
まるでブログのように頻繁に更新。
『昇降口に吹いた春の風が
私の制服のすそを揺らすたび
あ、これは生きてる感覚だ、と思いました。』
「もはやSNSじゃなくて“人生詩録”!!!」
「通知欄が詩人の感性で満たされてる!?」
そして極めつけはコレ:
『“既読”という言葉が
無視か、共感か、ただの通過点か
それを決めるのは、きっと読む人の心の天気』
「やめてえぇぇぇぇ! なんか既読スルーするの怖くなるうぅぅぅ!!」
「読む方のメンタル試してくるタイプの詩だこれ!!」
結局、校内では“詩音先輩のステータスを見ると感情が試される”という噂が広まり、
一部生徒はステータス欄を「非表示」に設定。
そのことを伝えると、詩音先輩は静かに笑って言った。
「それも、また一つの詩的選択……ですね」
「どこまでもポエムで受け止める姿勢、まさにプロ……!」
今日もまた、言葉が画面の隙間をやさしく埋めていく。
詩音先輩の文学は、電波にも侵食を始めていた――。
今日の一句:
「ステータス 通知じゃなくて 詩の窓」
次回、第6話「文学少女、図書室の本を全部“朗読アレンジ”する」
ついに“本の静けさ”すら詩で破る!? 朗読革命編、お楽しみに!