表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/50

第44話「文学少女、購買のレジ横に“励ましの詩クジ”を置いていた」

今回は“詩クジ”です!

購買のレジ横に詩を仕込むという、もはや“日常文学インフラ”に手を出した詩音先輩。

心に効く、やさしいおみくじでした。

「チョコパン、あと残り2個だよー!」

「ええっ!? ダッシュ! ダッシュ!!」


そんな昼休みの定番、購買の大行列の中で――

こよりは、ふとレジ横に置かれた小さな箱に気づいた。


《ひとこと詩クジ:ご自由にどうぞ》


「……詩クジ?」


箱の中には、折りたたまれた色とりどりのメモ紙がぎっしり。

まなとゆいと顔を見合わせつつ、それぞれ一枚引いてみると……


【こよりのクジ】

『今日もここまで来たあなたに拍手

パンを選ぶその手に、やさしい明日が乗っています』


【まなのクジ】

『迷って選んだメロンパンでも

きっと正解は“食べて笑顔になったこと”』


【ゆいのクジ】

『甘いものがほしい日は

きっと心がちょっとさみしい日

だから、遠慮せずに食べよう』


「え、なにこれ……パンと相性良すぎん……」

「詩が染みる……腹にも心にも……」

「まってこれ、どう考えても詩音先輩のしわざでしょ!!」


聞けば、卒業前に詩音先輩が購買のおばちゃんに手渡していったらしい。


「『あんまり目立たないところに、こっそり置いてください』って言ってたよ」

「“おまけの言葉があるだけで、パンがちょっとおいしくなる気がする”って、ふふ」


しかもその詩クジ、なんと約300枚すべてが手書き&手折り。


「……全校生徒分+α……」

「手作業で……まじで全力で文化祭レベルのやらかしだよこれ……」


中には「大吉」「中吉」などの文字が紛れており、

さらに「おみくじ風」や「なぞなぞ型詩」まであるという多様性。


『今日のラッキーアイテムは「くだものナイフ」

使わないで済む一日でありますように』


『疲れたら、

“す”のつくものを食べましょう。

スープでも、スイカでも、スイーツでも。』


現在その詩クジは、購買の人気コンテンツとなっており――

こよりたちは思わず、もう一枚ずつ引いてしまった。


『明日じゃなくて、今日をがんばってえらいあなたへ』


昼休み、パンと一緒に詩が売れている。

そんな不思議で、やさしい光景がそこにあった。

今日の一句:

「パンよりも 心にしみた 詩のくじ」


次回、第45話「文学少女、期末テストの裏に“応援詩”を印刷していたことが発覚する」

まさかの答案に文学!? 全生徒がちょっと泣いた“期末の奇跡”が明らかに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ