表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/50

第43話「文学少女、職員室のホワイトボードに“先生への詩”をこっそり残していた」

今回は、まさかの“先生向けホワイトボード詩”!

詩音先輩、ついに職員室にまでやらかしていたとは……!

でもそのやさしさは、先生たちの心の深いところにまでちゃんと届いていたようです。

朝のホームルーム前。

こよりたちは、たまたまプリントを取りに行くために職員室へ向かった。


「失礼しまーす……って、あれ?」


先生方が使う予定表ホワイトボードの片隅。

そこに――小さく、でも確かに“詩”が書かれていた。


『いつもお疲れさまです

生徒の前では強くても

時には心、置いていってもいいんですよ

このホワイトボードの端っこに』


こより「……えっ、これ……」

まな「詩音先輩の……やつだよね、絶対」


ゆいがさらに小声で言った。


「ってか先生たち、これ気づいてるのかな……?」


その時、近くの英語教師がにこっと笑いながら言った。


「ああ、それね。去年の卒業直前に、朝イチで来たら書かれてたんだよ。

誰の仕業かと思ったら……まあ、だいたい予想はついたけどね」


聞けば、詩は毎朝書き直されていたらしく、

ホワイトボードの片隅に、**“一日一詩”**として数日続いたらしい。


『先生も生徒も いつも全力だから

たまにボーッとしていいんです

それを“余白”と呼びます』


『声が枯れても、

今日も誰かの未来を育ててる

先生って、実は詩だと思います』


「……そんなことまで言われたら、サボれないじゃん……」と苦笑しつつ、

先生たちはその詩を**“朝の元気”としてこっそり楽しみにしていた**そうだ。


しかも最終日には、こう締めくくられていたという。


『明日から、わたしはいません

でもこの余白が、あなたの心の白にもなりますように』


まな「詩音先輩……先生相手にも詩を届けてたとか、すご……」

こより「全方位、心の支えすぎでしょ……」


ゆい「ていうか先生たち、めちゃくちゃ詩に感動してたんだね……!」

英語教師「まあ、ちょっとだけ泣いたかもね」


今も職員室のホワイトボードの端には、

“空白にしておいてください”という謎の貼り紙が残されている。


その白いスペースは、誰も触れない。

まるで、そこにまだ詩が残っているかのように。

今日の一句:

「白い場所 残されたのは 詩の余白」


次回、第44話「文学少女、購買のレジ横に“励ましの詩クジ”を置いていた」

チョコパンのついでに元気もくれる!? 謎の詩ガチャの正体とは――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ