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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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4/50

第4話「文学少女、購買のパンに詩をつけはじめる」

パン×ポエムの異色コラボ!?

詩音先輩の“食育”ならぬ“詩育”が今日も購買をにぎわせます。

思わずじんわり、でも最終的には注意される安心展開。

昼休み、購買前――

こより、ゆい、まなは恒例の“パン争奪戦”に臨んでいた。


「今日こそメロンパンを……!」

「焼きそばパンも捨てがたい……」

「でも謎の“宇宙味”って何……!?」


そんな中、購買のおばちゃんがやけにテンション高く叫んだ。


「本日限定! “ポエム付きパン”販売中だよ〜!」


「は!?」

「いや、ポエム付きって何!? 食べられるの!?!?」

「どうせまた詩音先輩の仕業だって!!」


見てみると、パンに小さなカードが結ばれていた。

そこには詩が一篇ずつ印刷されている。


例えばメロンパンには――


『丸い形に包んだ 君の今日の笑顔

ざらめの甘さが 午後にひとさじのやさしさを』


焼きそばパンには――


『具だくさんの日常に

ちょっぴりソースのパンチを

味わいながら かみしめようよ』


「なんか……パンが哲学になった……」

「食べる前にちょっと泣きそうになるのやめてほしい……」


最初は“えぇ〜”と引いてた生徒たちも、

次第に「今日はどんな詩がついてるかな?」と楽しみにし始めていた。


「詩音先輩、これ毎日書いてるんですか?」と購買のおばちゃんが聞くと――


「はい。パンにはその日のお昼に合う詩を添えてます」

「今日のカレーパンは“孤独な午後に、スパイスをひとさじ”です」


「スパイスで孤独が……癒える……だと……!?」


購買前にはちょっとした“文学渋滞”が発生し、パンが売り切れるのも早くなった。


だが翌日、生活指導の先生から一言。


「食品に紙を添付するのは、衛生上よろしくない」


「そ、そりゃそうだーーー!!!」

「内容以前に、物理的問題が浮上したーーー!!」


結局、“ポエム付きパン”は1週間で終了。

代わりに、購買横に「詩音の昼ポエム掲示板」が設置された。


『今日のパンはなんだろう

それだけで 少し足どりが軽くなる』


「……たぶん、詩音先輩ってパンの妖精か何かなんだと思う」

「いや、“言葉の魔法”って案外こういうとこで使うんだよ……」

今日の一句:

「パン一つ 詩が添えると ちょっと名作」


次回、第5話「文学少女、LINEのステータスメッセージが長すぎる」

“ポエムで画面が埋まる”事件、発生します!

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