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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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36/50

第36話「文学少女、校庭の隅に埋めたタイムカプセルに詩が詰まっていた」

今回はなんと、“詩のタイムカプセル”が校庭から発掘される回!

詩音先輩、卒業後も地中で“文学仕込み”していたことが判明――

もはや地雷ではなく、「詩雷しらい」です。

「え、ちょっと待って。何それ、今なんて言った?」


昼休み。

購買帰りのこよりは、偶然耳にした1年生たちの会話に全力で反応した。


「だから先輩、校庭の隅っこ掘ってたら、何かの缶が出てきたって――

しかも中に“詩の束”がぎっしりだったんですよ!」


その報告を聞いたこより・ゆい・まなは即座に現場へ急行。

そこには、サビた紅茶缶と、中に詰まった無数の折り紙メモが待っていた。


「これ……全部、詩……!?」

「しかも、全部ちがう! 手書きで……!」


その一つをそっと開くと、そこにはこう書かれていた。


『風は過去を撫でるために吹いている

君が未来を見る間に

土の中で、言葉が咲くのを待っていた』


「……これ、絶対詩音先輩の詩だよね……」

「うん、文体が“あの感じ”だし、“土の中で言葉が咲く”とか、やりかねない……」


他にも、折り紙メモにはこんな詩が詰まっていた。


『卒業式の日に埋めました。

見つける頃には、きっとわたしはいません。

でも、わたしの言葉はここにいます。』


『時限式詩爆弾、爆発予定:誰かが寂しくなった日。』


『開けてくれてありがとう。

どうか、今日の空を見上げてね。』


「なにこのロマンと執念が合体した詩のタイムカプセル……」

「しかも“見つけたら空を見て”って……今日くもりですけどぉ!!」


どうやらこの“詩缶”は、卒業直前の夜、

こっそり校庭の隅に埋められたものらしい。


しかも、缶の裏面にはマジックでこう書かれていた。


『※発見時は全力で感動してください。よろしくお願いします』


まな「やだ、ちゃんと“指示”してる……」

ゆい「これで感動しなかったら怒られそう……」


でもこよりは、空を見上げながらそっと言った。


「うん。ちゃんと、今日の空も“詩の色”だったよ」


缶の中にあった最後の一枚には、こう記されていた。


『この詩たちが、

忘れられた何かを、

そっと思い出させるように

君の日常に、咲きますように』

今日の一句:

「掘り出して 詩と爆発 校庭で」


次回、第37話「文学少女、卒業前夜に校舎の全照明を借りて“光の詩”を投影していた」

まさかのライトアップイベント!? 一夜限りの“光る詩”の真相とは――

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