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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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17/50

第17話「文学少女、学食のメニューを勝手に詩に変えてる」

今回は学食が舞台!

メニュー表すら詩で彩る詩音先輩、ついに胃袋にまで文学の手を伸ばしてきました。

カロリー以上に“言葉の余韻”が残るお昼、いかがでしたか?

昼休み――。

今日も学食には長蛇の列。


「お腹すいた~、今日って確かカレーうどんの日だよね」

「わかる~! あの辛さが逆に元気出るんだよね!」

「てか最近、メニュー表の字、なんか変じゃない……?」


そう、そこにはたしかにこう書かれていた。


【本日のおすすめ】

『スパイスの中の孤独 〜汗が心を浄化する午後〜』


「いや! それ! 絶対カレーうどん!!」

「メニュー名のクセ強すぎて意味わかんないよ!!」


よく見ると、すべてのメニューが文学的に“改変”されていた。


通常表記:唐揚げ定食

改変表記:『揚げられた意志 〜焦げた希望にレモンを添えて〜』


通常表記:焼きそばパン

改変表記:『パンの中で、麺が夢を見る。』


「もう全部ポエム!!」

「しかも内容で正体は分かるけど、注文しづらいんだよ!!」


騒然とする学食に、やっぱりいたのは――

詩音先輩。


「食とは、心に栄養を与える行為。

だから、そのメニューも“読まれるべき”だと思いました」


「読まれたら困るから“早く出せる”って価値があるのにぃぃ!!!」

「昼休み短いんだからやめてえええ!!」


一方、意外にも一部の生徒からは好評。


「え、“放課後のさみしさバーガー”頼んだらめっちゃうまかった」

「“満ち足りた孤独ライス”って、チャーハンだったよね。語感すき……」


「あれ!? なんか文学メニューが浸透し始めてない!?」


学食のおばちゃんすら言い出す。


「最近、注文に“想い”がこもってて、作るこっちも気合入るのよね~」


「な、なんか美談化してるぅぅぅ!!!」


そして昼休みの終わり、こよりはつぶやいた。


「……“うどん”って言ってただけだったお昼が、

ちょっとドラマチックになったかもね」


「悔しいけど……文学、腹にしみたかも……」

今日の一句:

「昼メシに 意味と情緒が 追加され」


次回、第18話「文学少女、席替えのくじを短歌で作ってくる」

運任せのはずの席替えが、なぜか和歌調に!? 教室に和の風が吹き荒れる!

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