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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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16/50

第16話「文学少女、通知表の所見欄を自分で書こうとする」

今回はまさかの“通知表”が文学の舞台に。

所見欄すら詩に変える詩音先輩の情熱に、先生もタジタジ!?

評価とは何か――そんな哲学すら感じる一話です。

期末テストが終わり、教室はどことなくソワソワ。

理由はもちろん――「通知表」。


「うわー、やばい。数学の点数見たくない……」

「国語だけ生きてた。あとはぜんぶ燃えた……」

「うちの担任、所見欄めっちゃ長文で書いてくるから、怖いんだよなぁ~」


そんな中、ひときわ堂々と職員室に向かう人影が――

そう、我らが詩音先輩である。


担任の田村先生「おや、綾瀬。なにか用か?」


詩音先輩「所見欄、私が書いてもいいでしょうか」


「いやいやいやいや!?!?!?」

「通知表、自分で書くシステムあったっけ!?!?!」


先生、苦笑い。


「所見は教師の仕事なんだが……理由を聞いてもいいか?」


詩音先輩「先生方は“評価”を書く。

でも私は、“わたし”を書きたいんです」


そして彼女が取り出した一枚の紙には――


『今学期、私はよく迷い、よく転び、

でもそのたびに誰かの声に救われた。

だから“成績”より、“成長”を記したい。』


『テストの点数は沈黙だった。

でも、放課後に読んだ一冊は、叫んでいた。』


「重い重い重い!! それ所見欄に書いたら心が詰まる!!」


こよりはこっそり先生の横からチラ見して呟く。


「なんか……通知表って“人生の抜粋”だったんだなって思えてきた……」

「って、ダメだ! 洗脳されるな!!!」


先生、しばらく黙ったのち、苦笑い。


「まあ、参考にはさせてもらおうかな……ただし“公式採用”はしないぞ?」


詩音先輩「はい。“私の所見”は、私の心の中に綴っておきます」


その後、クラスに戻った詩音先輩は、ひとこと。


「皆さんも、自分の“心の通知表”を読んでみてくださいね」


「え、えーと……国語4、数学2、心……詩音先輩に預けます……」

今日の一句:

「通知表 詩に書かれて 心読まれ」


次回、第17話「文学少女、学食のメニューを勝手に詩に変えてる」

“カレーうどん”が“スパイスの中の孤独”に!? 食堂に文学が漂い始める――!

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