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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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14/50

第14話「文学少女、家庭科のレシピをすべて詩で書く」

今回は“家庭科”すら文学の舞台に。

分量も手順も詩で語られるという、料理を通じた“言葉の実験”!

もちろん混乱は起きましたが、意外な感動も生まれました。

「今日の家庭科は調理実習でーす! オムレツ作りますよー!」


そんな元気な先生の声で始まった、平和な5時間目。

ゆいとまなは、気合いを入れてエプロン装備。こよりは卵を丁寧に割っている。


「よし、今日こそ成功させようね! 前回のカレーは完全に固形だったし」

「まな、包丁逆だよ! ねぇ逆ってば!」

「ぎゃー! ちょっともう不安しかない!!」


だが、その騒がしさを一瞬で静寂に変える人物が、またも現れた。


そう――詩音先輩である。


「料理もまた、詩のようなもの。

材料が言葉で、熱が感情。

そして味は――読後感です」


「うわぁぁ、キッチンに詩が来たーー!!!」

「今から卵焼こうとしてんのに、心が先に焼かれそう!!」


そして、配られたレシピカードを見ると――


『オムレツの作り方』


【たまご】――やわらかな朝の色

【ミルク】――優しさを溶かす雫

【塩こしょう】――風がくれた刺激

【バター】――滑らかな別れ際の香り


“混ぜる”というより、“出会わせる”。

火にかけるときは、焦らず。

それは恋と同じ。焦れば、固くなる。


「いやレシピっていうか詩集なんですけど!?」

「“焦らず”の比喩が重すぎてフライパンに向き合えない!!」


当然、生徒たちは混乱。


「え、何グラムって書いてないの?」

「“雫”って何ml換算なの!?」

「『味見は、心で』ってどうしろとーー!!」


先生も手に取った詩音レシピに眉をひそめながら、

「これは……調理技術より感受性が育ちそうね」と微妙な感想を残す。


結果、詩音先輩の班の料理は――

もはや“哲学的スクランブルエッグ”としか形容できない何かが完成していた。


だが、彼女は静かに語る。


「料理に失敗はありません。

すべては、“味覚の行間”です」


「料理にまで行間生んでくるとは……!!」

「卵割ってるだけなのに、心が読書感想文になった気分だよ……!」


それでも、詩音先輩の“詩レシピ”を気に入った子もいて――

一部の生徒は帰りの会でこんな感想を言っていた。


「なんか……料理って、もっと自由でいいんだなって思いました」

「詩音先輩のレシピ、うちでもやってみたいです!」


「……感動しちゃってる!?!?!」

今日の一句:

「分量も 心で測る 詩の味」


次回、第15話「文学少女、体育祭の応援合戦をポエムに変えてる」

走れ! 叫べ! でもリズムは五・七・五!?

応援合戦に響く“詩の檄文”とは!

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