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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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12/50

第12話「文学少女、展示パネルの説明をすべて詩にしてる」

説明文をすべて詩に置き換えるという、まさかの展示革命!

案内になってないのに来場者の心に残る、説明不要の感動。

詩音先輩の文学侵略、止まりません!

文化祭前日。こより・ゆい・まなは、教室装飾の追い込み作業の最中だった。


「よし! 展示パネル、テーマと説明文はこれでOKかな」

「この“発明の歴史”って企画、けっこう知的っぽくて良いかも!」

「地味だけど、うちららしくていいよね〜」


そこへ、ふらりと詩音先輩が現れる。


「……言葉が並んでいますね。でも、“心の説明”はありますか?」


「うわ、来たーーー!!」

「こっち来たーーー!!」

「もう“説明文に詩が足りない”とか言い出す未来しか見えない!!」


そして翌朝、展示パネルに異変が起きていた。


「ねぇ、これ見て……『電球の発明』の説明文が変わってる……」


『夜の闇に、

一人だけ光を持ちたかった

その欲が、

世界を明るくした。』


「えっ、詩になってるぅぅぅ!!!」

「“欲”って言ったよ!? 発明動機、そんな情緒でまとめないで!!」


他のパネルもすべて、説明が“詩音先輩による詩”に差し替えられていた。


『電話とは、

孤独な沈黙を二人で割る魔法』


『蒸気機関は、

人の“遠くへ行きたい”を叶える鼓動だった』


「ロマンが重いっっ!!」

「展示が感傷で構成されてるよ!?!? 説明要素どこ行った!?」


当然ながら、クラス担任の先生も騒然。


「……これじゃ、“詩の展示”になっちゃってるじゃない……!」

「でも妙に雰囲気あるんだよな……これがまた……!」


来場者たちも反応はさまざま。


「これ……読むのに時間かかるけど、すごく沁みる……」

「展示なのに感情が揺さぶられるの初めて……」


結果的に、“説明を捨てた説明展示”という謎ジャンルとして話題に。

なかには詩音先輩の詩をメモ帳に書き写して帰る人まで現れた。


こよりたちは、呆れたように感心するしかなかった。


「詩音先輩……文化祭すら“詩集”に変えていくんだね……」

「展示も、演劇も、テーマすら……もう全部じゃん……」


その日の放課後、黒板のすみに残されていた落書き。


『文化祭、

思い出よりも先に、

心が詩を覚えている』


たぶん、それすら展示だった。

今日の一句:

「展示文 詩に変われば 読後感」


次回、第13話「文学少女、演説大会に出て詩だけ読んでくる」

言葉を競う場所に、あえて“詩だけ”で挑む。詩音先輩、全校生徒の前に立つ!

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