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文学少女、やっぱりまたやらかしてる  作者: たむ


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10/50

第10話「文学少女、文化祭のテーマを“詩”で塗り替えてる」

文化祭のテーマにまで、詩音先輩が干渉!

しかし思いのほか“文学スパイス”が生徒たちに刺さって、まさかのテーマ共存案へ……。

詩の侵食力、止まらず。

文化祭――それは高校生たちの輝ける一大イベント。

校内にはすでにポスターが貼られ、テーマも決まっていた。


「未来へのジャンプ! 〜青春は加速する〜」


「うん、まあ普通にいいテーマだよね」

「うん、“未来”とか“青春”とか定番だけど、ちゃんと盛り上がりそう」

「……いや、でもこの空気、油断してると来るよ。アレが」


そのとき、案の定――詩音先輩がステージに立った。


「文化祭のテーマ。とても素敵です。でも、少しだけ言葉を足してもいいですか?」


「来たーーー!!!」

「言葉、足す気満々だーーー!!」


詩音先輩が黒板に書きつけたのは:


「未来へ飛び跳ねるだけじゃなく、

そこに“誰かと手をつなぐ余白”があるといい」


「テーマ、急にポエムになったーーー!!!」

「ジャンプどこ行った!? 飛びながら考える余裕あんの!?」


それでも、周囲の生徒たちはなぜか静かに耳を傾けていた。

詩音先輩は続ける。


「ジャンプする青春もいい。でも、跳ねたあとに残るのは、誰かの言葉だったり、

ちょっとした心の景色だったり――そういうものだと思うんです」


生徒会長がやや警戒しつつ発言。


「つまり……テーマ案としてはどうしたいんですか?」


詩音先輩、すっと紙を差し出す。


新テーマ案:

『青春とは、言葉が交差する交差点。

飛び越えるのではなく、響き合う旅。』


「……いや、テーマが短歌みたいになってるよ!?」

「ポスターに全部入りきらないってば!!」


だが、これがなぜかウケてしまい――

翌日のアンケートで“詩音案”が2位にランクイン。


「いやちょっと待って!? 1位との差、僅差だったよ!?」

「詩音先輩、文学で投票動かしてるよ!!」


結局、最終決定はこうなった:


正式テーマ:

『未来へのジャンプ! 〜でも時々、ことばで立ち止まる〜』


「混ざったああああ!!!」

「共存してる! ポエムと青春が手を組んだーーー!!」


その日の昇降口には、新しいテーマポスターが貼られた。

そこには詩音先輩の書いたサブタイトルが、ふんわりと添えられていた。


『走るだけが青春じゃない。

ときどき、言葉に座り込むのも悪くない。』


「……なんか、文化祭のテンション下がりそうで、

 でも落ち着くっていうか……うん、嫌いじゃない……」

今日の一句:

「文化祭 テーマに詩が ねじこまれ」


次回、第11話「文学少女、演劇部の台本を勝手に書き換えてる」

演劇台本、まさかの“詩バージョン”に改稿!? 演劇部、大混乱の予感!

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