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二十六から三十
26
片敷くか 菊の露にや 残りたり この野に斎つの 釘隠したか
かたしくか きくのつゆにや のこりた(り このやにゆつの くぎかくしたか)
※ ゆ‐つ【▽斎つ】
[補説]一説に「いほつ(五百箇)」の音変化で、数の多い意とも。
27
太敷くか 菊の露にや 残りたり この野に斎つの 釘隠し問ふ
ふとしくか きくのつゆにや のこりた(り このやにゆつの くぎかくしとふ)
28
死なれつ死 羅睺も喚くか 芙蓉葬 夜深く目をも 凝らしつれなし
しなれつし らごもをめくか ふようそ(う よふかくめをも こらしつれなし)
※ らご【羅睺】
《(梵)Rāhuの音写》日・月の光を覆って日食・月食を起こすとされた阿修羅。羅睺阿修羅王。
29
伝え頬 夜深く目をも 凝らす疵 羅睺も喚くか 不予覚え断つ
つたえほお よふかくめをも こらすき(ず らごもをめくか ふよおぼえたつ)
30
偽外郎 夜深く目をも 凝らす疵 羅睺も喚くか 撫養雷雨忌
ぎういらう よふかくめをも こらすき(ず らごもをめくか ぶようらいうき)