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十六から二十
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名は残し 手名付け諫め 為終える画 惜しめ歳月 撫子の花
なはのこし てなづけいさめ しおえる(え おしめさいげつ なでしこのはな)
17
岸中の 夕闇なるを 名は知らじ 花折る波や 冬の悲しき
きしなかの ゆふやみなるを なはしら(じ はなをるなみや ふゆのかなしき)
18
皆も酔ひ 立ちて身にこし 馬乗りの 申し子に御手 千度会も波
みなもゑひ たちてみにこし うまのり(の まうしこにみて ちたびゑもなみ )
19
皆に夏 もどく鍛冶らは 妻問ふと 松原近く 艫綱に波
みなになつ もどくかぢらは つまどふ(と まつばらちかく ともづなになみ)
20
鹿は見る 草野ら寒く 深き秋 傾く武者らの 下ぐる御佩刀
しかはみる くさのらさむく ふかきあ(き かぶくむさらの さぐるみはかし)