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十一から十五
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豊国の 鏡の山に 岩戸跡 灰に魔夜の身 かかの肉よと
とよくにの かがみのやまに いはとあ(と はいにまやのみ かかのにくよと)
12
常に 通ひし君が 番ひ合ひ 勝つ神来し日 余暇に再従姉妹と
とことばに かよひしきみが つがひあ(ひ かつかみきしひ よかにはとこと)
13
三十の死か 山の桜は 散り濡れぬ 律は楽座の まやかし望み
みそのしか やまのさくらは ちりぬれぬ りちはらくざの まやかしのぞみ)
14
誰がの東風 拭くに先立つ 従者の手の 指す蔦先に 喰う稚児の形
たがのこち ふくにさきだつ ずさのて(の さすつたさきに くふちごのかた)
15
地味の罪 世深く泣きつ 睨む一日 胸突き泣くか 不予三つの道
ぢみのつみ よふかくなきつ ねむひと(ひ むねつきなくか ふよみつのみち)