第67話 類は友を呼ぶ
魔物との戦いの前日。
ガンバール村にサムウライ村、フレイフ王国、ラコン王国の援軍が集結していた。
凡太がいつものようにラノベの知識から明日の戦況予想をバンガル達に説明していた。
「情報皆無なので考えすぎても意味がないでしょう。大雑把に1000体ほどの集団パターンと単体パターンだけ考えておけば大丈夫だと思います。単体でくる場合は師匠、ノーキンさん、レオ、モーブの4人だけに集中して強化魔法を使う形でお願いします。多勢でいくより少数で力を集結させた方が勝率は高まります」
「集団の場合は?」
「うちはサムウライの戦力が主力になるのでこれを多勢の所にあて、小勢を残りの兵力を使って抑えるといった形がいいでしょう。個別の力量差がどれだけあるかでかなり変わってくると思うのでなんともいえませんが、今はこのくらいで…」
「力量差か…最悪の場合どのようなものが想像できるんだ?」
「最悪の敵がでるイベントでは必ずこちらが敗北するものがあります。その時の敵が攻撃力は高く、体力・魔力は無尽蔵と勝ち目が全くみえず、こちらが倒れるまで戦闘が終わらないのです」
「そいつはひどいな。でもなんらかの倒せる手段があるんだろ?」
「はい。そのでたらめな力を抑えるキーアイテムの使用や特定戦闘条件を満たすことで抑えることが可能なので戦闘中にそれらを探るのも手ですね」
「よかった…。とりあえず勝率は0ではないんだな」
「ええ、0ではありませんとも」
(なにせ、こっちには主人公補正全開のレオがいるからな)
ラコン王国王女のメアリーとそのメイドのレミとも挨拶をかわす凡太。
「君がタイラ・ボンタ?よろしくね!私の事はメアリーと呼んでくれ」
「よろしくお願いします、メアリーさん」
こちらのボーイッシュな口調の女性はフィリアルト・メアリー。フィリアルト家長女でラコン王国王女。年齢は20代後半。身長170㎝ほどで体系は普通、茶髪長ポニーテールの気品ある顔立ちの女性だ。騎士が着るような白銀の鎧を着ている。
口調のせいもあるのか先陣を切るタイプである為、本来なら参戦する必要のない今回の戦にも快く参戦した模様。
「お嬢様専属メイドのレミです。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします、レミさん」
レミは身長155㎝ほどでこちらも体系は普通、銀髪ボブカットでエージェントのような隙の無い雰囲気の女性だ。年齢は20代前半。動きやすさ重視なのかやや短いスカートのメイド服を着ていた。
“セダム―ル”と呼ばれる特殊なスキルを所持しており、その効果は自分の触れた対象者のスキルや身体能力・魔力、潜在量などを別の人に移すものだそうだ。対象者は自分が仲間だと認識している者のみとなる為、敵の能力を移すことはできない。なお、移した対象者本人には二度とその能力を戻せないのだとか。レミはメアリー命の為、いつでも自分の能力をメアリーに差し出す気満々だが、メアリーが頑なに断っているらしい。
「ワレスから無能だけど凄い人がいると聞いていたけど君なら納得だよ。これを見る限りただの無能じゃないみたいだしね」
そう言って握手した際にみつけた凡太の手のマメを触り出す。
マメが多くなっている理由は、以前アイにマメの少なさを指摘されていた為(勘違い)、剣の重さを重くして素振り量を増やしていたからだ。
「これくらい全然大したことないです。そんなことより他の皆の方が凄いですよ。レオやモーブはマメが分厚い領域まで達している達人だし、アイは私以上にマメの多い努力家なんですから」
自分の良さのことなど放置し、仲間の良さを楽しそうにしゃべる凡太。
その様子をみてメアリーが言う。
「やっぱりただの無能じゃなかった」
「いや、ただの無能ですって。それよりも来た時から気になっていたんですけど、メアリーさんの体幹、かなり良いですよね?馬から降りた時や早歩きしている時も全くぶれてなかったですし…」
「これくらい普通だよ。レミだって体幹良いでしょ?」
「わたくしの体幹などお嬢様の足元にも及びません」
「ほら…よく見てタイラ君!こうやってお詫びのお辞儀している時の姿勢と角度、きれいだろ?これだよ」
「確かに…」
「…」
この後もお互いの仲間の長所の言い合いが続いた。
メアリー達とのやり取りが一段落し、ワレスの下へ。
「援軍の手配、ありがとうございました」
「これしきのこと造作もない。タイラ殿にも色々と迷惑もかけたし、これはその償いの一端です。気にすることはありません」
「そうですか…。ところでメアリーさんとは同盟以外にどういった関係なのですか?同盟国の対応にしては迅速な対応だと思ったもので…」
「実はメアリーとは幼馴染で子供の頃よく遊んでいた仲なんですよ。昔のよしみもあってこのような対応がなされたのだと思います」
「なるほど、そういう事でしたか。幼馴染…これはレオのハーレム計画も立ち上げ・実行が可能になる要素だな」
最後の部分をボソッと聞こえないように言ったが、その内容をワレスが聞き漏らすはずがなかった。
「ハーレム計画ですって…?詳しく聞かせてくれませんか?」
急に真剣になるワレスに少し驚くも返答する。
「レオの将来の事を見据えた計画の1つです。彼が幸せになる為には良好な女性関係が必須。しかし彼は女性にあまり興味がない。そこで彼に最適な女性をこちら側で厳選し、レオと交際させることを計画しています。現在はアイが候補に入っています。今回の幼馴染の件でメアリーさんも候補として加えるつもりです。もちろん人間性を確認してからですがね」
「レオの幸せを願う者として私もこの計画に協力させてもらってもよろしいですか?」
「ほぅ…協力ですか。私は口先だけの人が嫌いなので証明してほしいです。手始めにレオの長所を100個以上言って頂けませんか?」
それを聞くと長考することなくスラスラとレオの長所を述べていく。
「十分です…。あなたの協力を認めましょう。それにしても私でも233個が限界だというのに、287個ですか…。さすがはワレスさん」
「233個でも十分では?あなたを少し過小評価していたようだ。今回のハーレム計画といい、やはりあなたは凄い人だった。これからは共にレオの幸せの為、頑張りましょう!」
「もちろんです、兄者!」
こうしてブラコン仲間を得たワレスは上機嫌に。
凡太はいつの間にかその弟分となった。
各々の交流も終わり、皆明日への準備を整えるのであった。




