第25話 新技開発
今日も昨日と同じメンバーで朝から修行開始だ。
アップ後、昨日のようにテストを行う。
今回の結果はレオ、モーブともに心拍数190後半で、運動後は倒れ込むくらい疲労していたので合格。
そして、アイの方も心拍数180後半だが、同じくその場で倒れ込み、出し切ったのを窺えたので見事合格した。
ちなみに凡太はまだ倒れ込むまで至らず不合格となった。
この後は休憩時間も兼ねた新技の特訓を開始する。
凡太が考え出した技は“二重斬空波”。
その名の通り、斬空波を2回撃ち衝撃波を重ねることで威力をあげる技だ。威力が上がると考えた理由として、振動波長が丁度重なる所は振動が倍になると考えた為である。
ただ、問題点が3つある。
1つ目は威力が少し落ちる事。斬空波は両手撃ちの為、同時発射ができない。よって、初撃の斬空波を少し遅くする必要がある。遅くすると初撃の振動波長も小さくなるので、2倍予定だった2重時の威力が1.5倍くらいまで落ちると考えてもいい。
2つ目は対象に2つ同時に当てるのが難しいことだ。速さの異なる斬空波を対象に当たる瞬間に交わるように当てるのは至難の業だ。ましてや対象が動くものとするならさらに難度が上がる。
最後は初撃の力加減の難しさ。後続の斬空波を全力撃ちにするなら、そこそこはっきりとしていて分かりやすいが、初撃の少し遅くする斬空波の強度基準を常に一定に保てないと練習すらままならない。これを一定にする感覚を身に付けるのがおそらく一番苦労する所だろう
これらの説明をした後、実技練習に入る。
「くそー合わせられない。初撃の速さがバラバラだし、感覚が全然掴めないや」
「俺もだ。まず合わせる事よりも、初撃と後続をそれぞれ強度は違えど毎回同じ大きさのものを撃てるように練習してからだな」
「そうですね。では初撃から調整していきましょう」
早速問題点を理解し、淡々と改善を進める2人。
(道理で強いわけだ)
感心する凡太の近くで、黙々と練習するアイ。
アイは凡太のことを基本無視するが、説明は真面目に聞き、新技練習にも積極的に取り組んでいた。というより、やけくそ感が凄い。凡太が視界に入る度、力が増すようだった。
(昨日のやつが効果覿面だったみたいでおじさんうれしいよ)
保護者の気持ちになりつつ、微笑む凡太。思い切り睨むアイ。
今日はこの後休憩をはさみつつもひたすら新技の実技練習を行い修行が終わる。
モーブは今日の練習で何か掴んだらしく、明日からは個人で練習していくそうだ。
そしてレオも明日から抜ける予定だっだが、アイの凡太への怒りはまだ収まっていないらしく危険な為、しばらくは同伴してくれるみたいだ。
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飛んで修行8日目。
アイの怒りも当初よりはましになったという事で、今日からレオの保護が消え、2人きりでの修行となった。相変わらず、あいさつ以外は無視され続けるが、おっさんは気にしない。
タバタ式後の全力出し切りも大分できるようになったので今回から更なる強化として、回復魔法込みの1日3回タバタ式を行うことにした。まだ、10回とかに増やせない理由は魔法でも精神力は回復されず、疲労感みたいなのはそのままになる為だ。精神が病んでしまってはどうもこうもないので増やすのは徐々にやっていく予定だ。
新技の練習の方も割と進展があった。アイは吹っ切れる前の全力基準があり、それを基準として初撃の練習した為、レオより早く初撃の調整を終えていた。そして今は後続の調整中である。
(心なしか少し元気がなくなったような…)
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修行15日目。
大体2週間毎日トレーニングを続けると倦怠感も溜まり、普通ならモチベーションも下がり、修行効率も落ちる。そう“普通”ならだ。この男にモチベーションなど関係なくやる気があろうがとにかく進むために、今日も目の前のトレーニングに全力で打ち込んだ。その姿に触発されてか、アイもなんとか粘っていた。
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修行31日目。
この頃になると大脳基底核という脳の大部分を締める部分に毎日やっていた行動が完全に記憶され、脳が「暇だったらとりあえずこれやっとけばいいよね」と処理されやすくなるといわれている。家に帰ったらTVやPCの電源をとりあえず入れる、その感覚と似たようなものだ。疲れた時は脳が一番今までやっていて処理が楽な行動をとるようになる。毎日トレーニングをしていた今の凡太達なら疲れていても自動でトレーニングをやるようになる確率は高い。
この日からタバタ式を1日6回に増やした。
アイの様子はあれから日を追うごとに元気がなくなっていた。
練習に関してはしっかりこなしているものの、最後の踏ん張りみたいなのができなくなっている、そんな感じだ。
(1ヶ月か。劇物にしては大分もった方だな)
凡太が言う劇物とは?謎を抱えたまま、事態は投げっぱなしになる。




