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キオク水底譚  作者: まるるり
1/1

Beginning

はじめましてのまるるりです。

なんか不思議ない物語を書きたぁ〜い!みたいな感じで思いついた物語です。

楽しんでくれたら幸い。

「読者の幸せは作者の幸せ」

なんつって。


 忘れられない言葉は?と聞かれて、あなたはどんな言葉を思い浮かべますか?スポーツ選手の言葉?アニメの名言?本に書かれた一言?まぁきっとそれは人それぞれだと思う。 

 16になる私には、今も忘れられない言葉がある。それは、お母さんが言った一言だった。

「15になるまでは――」

どういう意味なのか、なぜお母さんはそんなことを言ったのか、そんなことは忘れてしまった。


Beginning


「ん?」

 重々しい目蓋を開くと、そこには海が広がっていた。波はなく、凪いだ海が雲一つない青空を映し出し、見えるかぎりずっと広がっていた。そして私はそこに立っていた。

 眠っていたのだろうか?私は、自分の置かれている状況がよく分からなかった。

「ここは?どこ?」

 見覚えのない場所だ。辺りを見回してもただそこには海が広がっているだけ、それ以外に何もない。私はひとまず思い返してみることにした。

「私はなぜこんなところに?」

 唇に人差し指を添え、少し考えた。そして、何かおかしいことに私は気づいた。そう、思い出せないのだ。

「おかしい、なんでだろう。色んな事が思い出せない。」

考えてはみたが、やはり思い出せない。何か頭の中が霞んで、ぼやけているようでスッキリしない。忘れてしまったのか?いや、記憶が抜け落ちていると言った方が正しいだろう。でも何故か、自分の年齢とあの言葉だけはっきりと記憶の中にある。

「15になるまで、あなた達は母の元にいなければならない。」

それは、お母さんの言った一言だった。

「なぜ、あの言葉は覚えてるんだろう?」

その時だった、さっきまで何も無かった水面に文字が浮かび上がった。何がどうなっているんだ?さっきからおかしい。今の私は恐らく混乱している。

『私は記憶の海の一部、泡沫。これから君にいくつかの質問をする。正直に答えよ。』

「はぁ?一体何がどうなって…」

『君は質問に答えればいい。』

何が起きているのか分からないが、私はひとまず質問に答えることにした。

『君の名前は?』

「分からない。思い出せない。」

『君の年齢は?』

「16歳。それは覚えている。」

泡沫は名前と年齢を聞いてきた。もっと恐ろしい質問でもされるのかと思ったが、案外普通で驚いた。

その後もいくつか質問を投げられた。好きな食べ物だったり、好きな本だったり…

家族のことだったり。

でも、思い出すことが出来ないので、答えは分からないの一択だった。こんな質問に何の意味があるのだろうか?気がつけば質問は最後になっていた。

『最後の質問だ。君はどのようにしたい?』

「え?」

さっきまでとはどこか違う質問に驚きながらも私は考えた。そして、どういう訳かお母さんの言葉が頭に浮かんだ。

『15になるまで、あなた達は母の元にいなければならない。』

「なぜその言葉を?」

私が問いかけても泡沫は答えることはなかった。泡沫は一方的に質問を投げかけた。

『君はどのようにしたい?』

その質問の答えを私は振り絞るように考え、答えを泡沫にぶつけた。

「私は、知りたい。その言葉の意味を、なぜお母さんがそんなことを言ったのかを。そして…」

『そして?』

「自分は一体何者なのか。」

私はそう答えた。そして泡沫はそれに対しての答えを出した。

『そうか、それが君の答えか。ならば、君は自分の目で確かめなければならない。自分が何者かを。その覚悟はあるか?』

私は頷いた。自分の目で確かめなければいけない。なんとなくだが、そんな気がしたからだ。

『では、君には試練を受けてもらおう。』

「試練?」

『そうだ、試練だ。この記憶の海には水底と呼ばれる場所が層となって存在している。君にはその水底を巡ってもらい、あるものを集めてもらう。』

「あるもの?」

『記憶のプリズム。記憶の断片だ。』

水底?記憶のプリズム?何を言っているか分からない。

「何でそんな回りくどい事を?」

『思い出すことが難しいように、記憶を取り戻すのはとても大変な事だ。』

「要するにそれが試練だと?」

『そうだ。水底はそれぞれが別の世界、深ければ深い程当然危険は高まる。記憶のプリズムも君の記憶のものとは限らない。まさに試練と呼ぶにふさわしいだろう?』

泡沫がそう言うと、さっきまで立っていることができた水面は何故か立てなくなり始めていた。

「ちょっと待て!まだ聞きたいことが!」

『さぁ行くといい。試練は既に始まっている――』

最後に泡沫はそう答えると泡のように消えて行った。それと同時に私の身体は記憶の海へと沈んで行った――

 

 16になる私には、今も忘れられない言葉がある。それは、お母さんが言った一言だった。

「15になるまで、あなた達は母の元にいなければならない。」

どういう意味なのか、なぜお母さんはそんなことを言ったのか、そんなことは忘れてしまった。でも、私は思い出さなければいけない、その言葉の意味を――


沈む、暗く深い記憶の海へ、落ちる、果てしない記憶の水底へと――


さっきぶりですね!後書きのまるるりです。

いかがでしたでしょうか?

小説を投稿するのは初めてですが、うまく書けてましたか?

実はこの「キオク水底譚」なんですが、ちょこちょこ私の実話が混じっているんですね。

なんかネタに出来ないかと思ったので、使いました。うちは普通の家庭では無かったので…

そんな感じでこの物語は進んでいきます。次の話もお楽しみに。

じゃねばい!


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