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妖精の詩  作者: 南雲司
8/24

妖精の歌8

【承前一】終りの始まり

「三番艦遅れています!」

「重力勾配が大きい!リンクが切れます!」

「三番艦ロスト!」


 まだ余裕がある筈だった。

 だが、互いに傾いていた時間軸が急激に平行に近付き

 接近を始めた。


「Dポイントまで、後20秒!」

 泡宇宙は激しく振動する。

 カウントが終わった時、二つの宇宙は一つに為るだろう。


【承前二】魔王

 筆頭魔導師のウインドウ=ブルは足早にドアに近付き、叩き付ける様に開けた。

「王よ!これは何の仕儀か!」

 床には大きな魔方陣があり、最終段階の光を放っていた。

「そちの術式ぞ?此処へ至るまで一人も犠牲を出さなんだ。さすがはウィンドウ=ブル」

 使うなと申した筈、安全弁を取り除いたスケルトン、構造を示すだけの教材でしかないのだと・・・

 しかし、その台詞は語られなかった。魔方陣の中央に一人の少年が出現したからである。膨大な魔素の気配を伴って・・・


汝等(うぬら)が、余の故郷を滅ぼした者共か』魔王はそう言った。

 魔方陣は未だ光っている。召喚が終わっていないのだ。

「何故じゃ!何故膝まづかぬ!」

「王よ、これは魔王だ!人の手に負える者ではない!」

 ブルはそう叫ぶと同時に杖を投げつけ、魔方陣を術式を破壊した。


「あれ?戻っちゃった?」

 オリジナルの少年は、方舟に戻っていた。

 激しい振動があったのは、気付いていない。

 戻る直前に収まったからである。

「泡宇宙が弾け、目標宇宙に到達しました」

 少年が一時的に消えていた事は、

 JINのみならず、誰も気付いていない。


【夢】アリス

 誰かが子守唄を唄っていた。

 看遣ると虎治兄様とそっくりな子供が、

 泣き疲れて寝ていた。

 側にはドロシーが体にピッタリとした服を着て座っている。

 中尉達が着ている軍服に似ている

 子守唄が止んだ


「何処から入った」声が険しい

 ドロシーじゃないの?

「知らぬ名だ」

 虎治兄様はどうして泣いていたの?

 ドロシー?は片眉を上げて

「王を兄と呼ぶか、名を訊こう」

 アリス・・・


 目が覚めると、会議も終わった処だった。


【要請】砂漠のダンジョン

「シャオ様から正式な就任要請が届いております」デュプリコア

「あー、あれね。さっき打診があったやつ」

 最近のシャオは手続きをちゃんとする。

 念話だけで済ませていた、空軍時代が懐かしくなくもない。


 デュプリが差し出した羊皮紙に、さらさらと署名してサルーはニヤリとする。

「さあて、忙しくなるぞ!」

 神樹の森同盟軍総司令官に就任したサルーは、当然鷲型に乗る積もりだ。夫婦揃って血の気の多い事だ。


【情報子】小さなダンジョン

「問題は、オリジナルが召喚世界とこの世界の違いを認識していない可能性の高い事」木目(シャオ)


 約十万人が居住出来る超巨大艦が、最大で五(せき)

 実際には二万人づつ乗っている。

 男女同数ではあるが殆どが軍人である。

 その時代の[現代兵器]に情報子操作をして装備している。


 ナヨが手を挙げる。

「その情報子操作ってのはなんだ、・・・ですか」

 ドロシーを見やる木目。

「付与魔法と思って頂ければ、ほぼ間違いありません。ただ、こちらの世界とは、別系統なので、我々デュプリ以外には解析が極めて困難です」

「そいや、あたしらも情報子操作遣らされてたね」

 いろいろ思い出しつつあるA

「結構、成果上げてたと思うけど、早い内に外されたような」

 おぼろげな記憶をかき集めるB

「基本パターンのセットだけ作らされた」

 粗方思い出しているC


「解析用の魔石、作れない?」木目

「どうだろう」A

「具体的なのとか、思い出せないし」B

「作れる」C


 あっちゃーと言う顔でCを見るAB

 風竜の耳栓もやんなきゃなのに。

 どちらも、喫緊であるだけに、

 寝不足になるだろう。(※註)

 いや、他の二人が宛に為ら無いのだ。

 コーディングの主軸になる迂闊なCには

 寝る暇があるかも疑わしい。


 (※註)情報子操作解析魔石(術式)は早急に、拡散する必要があるし、風竜に至っては此のままでは、戦列化すら出来ない。


【虎挟み】ツァロータ

 ツァロータ王が、カンウー領に抜けるルートを取るだろう事はイバーラクも予想していた。

「此所から此処までだ。一個小隊づつ、間をあけて展開する」

 その戦列を三列作る。

 接敵すれば、遅滞を試みながら後退する。

「ガシャン」

 参謀は、盤面の王の駒を、自軍の駒で囲んで手を叩いた。

「これで詰みだ」


 一部隊の連絡が途絶えた。

 単に遠話缶が不調なだけかも知れない。

 虎挟み部隊の指揮官は暫し躊躇した後、

 斥候を放つ事にした。


 傍受を恐れ、遠話缶の使用は定時の物以外は、接敵報告だけにせよと、厳命していたのが仇となった。

 隣接部隊の内、二つは戦闘音らしき物を聴いたが、確認に連絡員を出したのみで、報告はしていなかった。還って来るまで動くに動けない。


「薄く広く展開しております」

 帰って来た猟兵偵察分隊は、イバーラク軍の様子を報告した。

「駆け抜ければ良いのでは無いのか?」

 王は騎乗ゴーレムを過信している。

「何時かは捕まるでしょう。一旦戻るべきかと」ビリウ

 他の将校達も同じ意見の様だ。

 前方だけでなく、左右にも敵部隊がいる。

 半分罠に入り込んだ形だ。


「義勇軍と合流するか」

 王は不満そうに呟く。

 義勇軍は、殿しんがりを務めていて、数キロ程後方にいる。


【援軍】キーナン公

「騎乗ゴーレムを一個中隊、差し向けよ」キーナン公

 ツァロータ王部隊から、半包囲されているとの状況報告を受けたカンウーは偵察機を飛ばすと共に、キーナン公に援軍の要請をした。公は即座にロックバグを派遣した。


【さらに援軍】ウーシャラーク陣

 騎兵大隊から、もうすぐ合流出来る、と連絡をうけた首長は、合流せずに速やかにツァロータ王の救援に向かえ、と命令した。

 円盤機も飛ばす。現地は平野部の森だ、ある程度の偵察は可能だろう。


【援軍?】キオト母艦

 キオトの母艦はカンウー陣の真ん中に降り立った。

 隣にはカンウー軍の母艦が停泊していて、兄弟の様に似ている。

 陣内の慌ただしい動きに、ツァロータ王の危機を知った武官達は、円盤機の派遣を申し出た。

 イバーラク空軍が出てくるなら自分等で体験しておきたい。


 空軍の崩壊は、キオトにはまだ知られていない。


【成る程】小さなダンジョン

 会議で決まったのは、勿論の事、此処小さなダンジョンでは何をすべきか、と言う事だった。だが、それだけで済むと言う訳でもない。


「オリジナルの出現が近づくに連れ、魔素の発生量は増えるだろう。ガンマバーストの規模は拡大されると思われる」木目(シャオ)

「地下繊維構造体展開要員の大幅な増強をお願いします」

 ドロシーの発言はプヨの代弁だ。

 地下とも為ると人形達の手に余る。

 デュプリ達の応援を仰がなければならない。

「兵の訓練は、暫く中止だな」ナヨ

 ガンマ線の吸収効果の高い床と壁の宿舎を完成させるのが最優先だ。


「現用兵器じゃ太刀打ち出来ないんだけど」A

「綿火薬じゃ、勝てないねー」B

「遺憾だけど、ジェットエンジン要るぽ」スチーム派のC

「それは、森のじさまに頼む、三娘はアドバイザーとして詰めて欲しい」木目(シャオ)

「アタシラもやることいっぱいあるんだけど!」焦るA

「しかも、きおくそーしつダシー」記憶制限を言い訳に試みるB

「木目付きデュプリケイトコアの方が詳しい筈!」必死なC

「デュプリ達には、情報の提供を怠る傾向がある」

「予め命令しておけばオケ!ぜんぜんオケ!」ABC

「成る程」頷いて木目(シャオ)


【積層】森のシャオ

 メイデン絡みの些細な指示を済ませたシャオは、魔石の繊維構造体化を試みていた。術式を刻んで見た処、案の定30%ほどの滲みが出る。そのままでは、三割方大きめに刻み込まなくてはならない。


 積層するのだから、それでも余計に刻めはする。

 だが、不都合がある。

 解析が容易に為りすぎる。

 熟練した術師程ミスが出る可能性もある。


 なにか適当な物でコーティングすることにした。シリコンではどうだろう。一層分の繊維構造体の上面をシリコンで、下面をガラス質の何かでコーティングして、積層させる。

 何度かの試行錯誤は覚悟していたが、最初の試みで満足いく物が出来た。


「じさま、積層魔石出来た。一ダース程送る」

『ほうほうほうほう、できたか!』

『して、何層書き込める?』

「五層」

 自分でやったのでは、不具合が顕在化し難い。余計な予備知識は省いて他者に検証して貰う。その方が効率が良い。

 検証が終われば、四つ足用の魔石を刻む。積層魔石を量産させる為だ。


【飢狼】騎兵大隊

 大隊と言っても、歩兵部隊の様に千人規模に為る訳ではない。

 一個小隊、十二騎

 中隊、  二十四騎

 大隊、  百騎

 僅かに、これだけである。

 随伴歩兵が、一騎あたり数名就くのだが、今は居ない。


「本隊と合流せよ」

 大隊長は、そう命令した。

 敵陣を駆け抜けて、離脱。

 それを繰り返す。

 そんな戦いになる。

 歩兵には酷だ。


 騎馬の群は駆ける。

 戦いの為の余力は残さねば為らないのだから

 全力ではない。

 だが駆ける。疾走する

 騎兵達は嗤っている

 飢狼達の遠吠えの様に嗤っている。


鋼鉄言訳(メタリックトークン)】小さなダンジョン

「解説回が長過ぎると、読者が飽きるのでは無いか」

 フトッチョから鋭い質問が出た。

 頷いて木目(シャオ)

「その危険は認識しているが、作者は設定書を紛失している」

「思い出した、或いは、思い付いた時に一息に書き上げないと、情報が失われる公算が高い。読者諸氏には御寛恕戴くの他、無いと考える」


「そいや、旅に出た時、大雨降ったねー」B

「その後も何度かずぶ濡れに為ってるし」A

「ケータイとかモバイルとか盗難に会ってる」C

「言い訳ですね。山頭火は一冊書いてますし」ドロシー

「アタシラに比べたら、恵まれまくり」ABC


だから、今書いてるではないか、と言いたいのを我慢して、

作者はタブレットの向こうに、頭を下げるのであった。

長過ぎるのは間違いないのだ。


 ごめんなさい

 次からは、もっと短く

 します


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