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妖精の詩  作者: 南雲司
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三か国軍

新兵器同士がぶつかります

[承前]

 『光あれ』


 星一つない暗黒の宇宙で黒い球体が言った。

 巨大なまばゆい光球が現れ、宇宙を照らす。

 しかし、宇宙は暗黒のままだ。光を反射する物がない。

 いや、一つあった。黒い球体は光を受け、やや紫に観えた。


[子守唄]小さなダンジョン

 その[病気の灌木]には先の魔素放出期に受けた放射線の影響で、遺伝子異常が起きたのだと思われた。なぜ今頃になって、と言う疑念はあるが偶々時限的な発現異常に為ったのだろう。その近傍には枯死した灌木も、他より多く視られた。


 アリスは心を痛め、その小さな木を訪い、癒しの歌を歌うのが日課となった。それは子守唄の様にも聴こえた。


 本当にそうなのか?木目シャオは念の為、キャシーを借りて全域を探査してみることにした。何となく澱みに潜んでいた[勇者の影]のことが脳裏を過ったからでもある。


 小規模のガンマバーストの痕跡が十数ヵ所見付かった。

 それも、最近の物が多い。

 木目シャオにリンクしているシャオは、

 首筋がチリチリする感覚を覚えた。


「ドロシー、皆みんなを集められる?」

 小さなダンジョンでは、空いている人員などいない。指揮を執る者も現場を離れたがらないだろう。


『夕方にならなければ全員は揃いませんね』

「それで良い」


[展開]カンウー軍

 正式な援軍要請を受けた事で、カンウー軍は国境を越えた。イバーラク陸軍航空隊は再三遅滞の為であるのか空襲を行った。そして、その度に飛空艇をうしなった。カンウー軍が、対空自立ボルトを装備した四つ足人形を帯同していたからである。


「これは、売って貰えぬのか」援軍の指揮官は嘆息した。


 カンウー軍の作った橋頭保を足掛かりにキーナン軍とウーシャラーク軍も展開を果たした。


[期限]漂白のダンジョン

 高度問題の面倒な処は、自由落下状態でのGを直接測定出来ないことだ。斥力勾配を基に計算式で最適解を求めてみても、何故か実際の計測と一致しない。


 なので、十メートルの塔を建て、それを目安に斥力を手動で操作し滑らかに頂点で静止する手順を魔石に記憶させる事にした。


「三娘A下手くそ」BC。

「むずーい、( ;∀;)」A。


 交代でチャレンジするのだが、なかなか滑らかなサンプルが手に入らない。特に下手くそなAは、地上観測専任になった。


 納期は迫っている。三娘は必死に働いた。


「あれ?」C

 何か気付いたようだ。

「どうしたん」B

「この術式、変」

「学生達が、思い付きででっち上げたもんが大本だからねえ、森で修正した筈だけど、変なところは残るんじゃない?」

 その学生達より遥かに魔法学のキャリアが短いBが、偉そうに予断する。

「その修正したところが変」

「なんか問題?」A


 どうやら、下手くそなサンプリングをやってる暇は無くなりそうだ。


「納期がー・゜・(つД`)・゜・」ABC


[三羽のアヒル]神樹の森

 シャオにとって三人娘は、得難い技官だ。完成されたと思える技術も三人娘が手を加えれば、一つ次元の上がった物に成る。例えば、自立ボルト、高機動標的への命中率が一桁違う。脱硫黄火薬、硫黄不活性化の為の魔石が必要なくなった。


 しかも、新技術である筈の繊維構造体ですら、長年親しんできたかの様に使いこなして見せる。


 魔石への多重書き込みへの道を開いたのも、彼女等である。これは緒に着いたばかりでまだ然したる成果は、挙がっていないが、将来開発の決め手になると思われた。


「じさま、坑道で作っている上げ底魔石大量に欲しい」

 ドワーフの爺様は、軍府ではなく森の工厰で働いていた。こっちの方が資材やエルフの技術や、なにかと上質な物が手に入りやすい。

「あんなもの魔力電池にしかならんぞ、何を考えておる」


 上げ底魔石はくず魔石を溶融させて容量を増やしたものだ。内部に断裂が多く術式を刻むのには向かない。しかしシャオには繊維構造体のノウハウがある。


「積層型魔石のベースにする」

「ほう」爺様の眼がぎらりと光った。


[鷲は翔ばず]ツァロータ航空戦

 メイデンは三娘の改良版の試作とは別に、既に五十機が前線に投入されていた。気球式の飛空艇の降下性能は低い。発見されてから逃げ出しても十分な余裕があるだろう。


 地表すれすれを疾走するため、戦場を選ばなければならないが、兵の集中配置が基本のイバーラク軍を、ロックバグと共に翻弄出来ると思われていた。

 改良された鷲型の急降下性能を、直に戦った事のあるキオトが参戦出来なかった為、援軍三か国は知らなかった。


 イバーラク陣の上には数機の飛空艇が、常に飛んでいた。陸軍航空隊である。


『地上で戦闘だ!爆煙が複数!』

『騎乗ゴーレムだ!他にも超小型飛空艇が居るぞ!』

『地上すれすれを飛んでやがる。怖くないのか?』

『管制、増援を頼む!円盤機も来やがった』


 陸上の標的は、隠蔽が優秀でどちらも動いてくれるまでは、見付けることが出来ない。見付けたときは味方の陣内深く入り込んでいる。フレンドリーファイアーを警戒しながらの窮屈な迎撃に成った。


 それでも、速度差がある。


 三か国軍の誤算は、陸軍機が始めからかなりの低空で飛んでいたことである。


「後ろに着かれた!振り切れない!」

『増援の制空隊がすぐ到着する。なんとか粘れ』


 メイデンの欠点が見えてきた。斥力頼みでは左右の機動が不自由なのだ。

 陸軍機は、地上支援が主な役割である。長めの直線翼型の気室で低速時の舵の効きを確保している。噴進舵が使えないからだが、機動は良好である。


 四つ足の[追尾ミサイル]が、イバーラク機を何機か撃墜した。が、敵機への紐付けが困難な、深い位置のメイデンはかなりの被害を受けた。

 全滅せずに済んだのは、ウーシャラークと太守の母艦から飛び立ったキオト製円盤機のおかげである。訓練はまるで足りてないのだか、それはイバーラク陸軍航空隊も似たようなものだったのだろう。


 もし、空軍の鷲型が出ていれば三か国軍の航空部隊は甚大な被害を受けていたかもしれない。


[探し物その2]漂泊のダンジョン

 暇を見付けての三娘Aの探し物は、三っつ目のお宝の山に入っていた。

「なに探してるの?」三娘B

「なにを探しているのかを探してる」三娘A

「はぁ?」B


 探し物を始めた切っ掛けをまず思い出すべきだ。Bはアドバイスした。


[停滞]前線

 キーナン公は艦橋にいた。

 航空戦の経験が無かった所以で、前線近くに母艦を浮かべ、

 御丁寧に[大将首]を乗せると言うのは噴飯物ではあるが、

 イバーラクには有効な攻撃手段が無かったのが幸いした形だ。

「やはり新型気球は必要か」

 ロックバグの被害は僅少ではあったが、落としやすいメイデンに攻撃が集中したためだろう。


 しかし、メイデンが思った程動けていない。森からは、実戦に投入するには無理がある、現在、改良中であるので今は訓練だけに留めよ、との助言を受けていた。


 聞くべきだあったか、と嘆息した。


 ウーシャラーク母艦では、全機帰艦したことで歓声が湧いた。

 しかし、全機被弾もしている。数的優位であってみればこれはゆゆしき事とも考えられた。

 が、初めての航空戦でもある。どう判断して良いのかさえ手探りである。


 カンウーにとっては、ほぼ注文通りの帰結となった。

 この位置に、敵を停滞させておけばツァロータ国王の離脱が、それだけ容易になる。


 イバーラクが戦車を持ち出してこなかったのは、いささか残念ではあった。燃える戦車は敵の士気を挫き、味方の士気を揚げる。


久し振りのアップなんでもたつきまくり・゜・(つД`)・゜・

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