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妖精の詩  作者: 南雲司
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プロローグ

見切り発車です。

どう落ちが付くかは作者にも分かりません。

[枕]

「思っていたより、大きいのだな」

 空輸されて来た飛空艦の威容は太守を大いに満足させた。精兵二百を、好きな所へ即座に展開出来るのは、カンウー好みの戦術だ。発注した艦はもう一隻在るのだが、此方は建造に手間が掛かるとて、後日の空輸になる。上空からの支援と援護を受け持つ艦だと言う。

「後は気球か…」

 キオトは同盟国には売り出しを開始したらしいが、中々回ってこない。神樹の森は、同盟国への輸出用に開発を始めたらしい。現用機だとイバーラクとの利権が複雑で動かせないと言う。まだ暫くは枕の高さは低いままだ。


[盟]

 キーナン公は文面を一読して、署名を入れた。ウーシャラークは油断の為らない相手だが、約束を破る事はしない。先の[将軍]の暴走の折りにも過分の賠償をウーシャラークの方から申し入れてきた。誇り高い民族なのだ。盟を結べばこれ程信頼の置ける国もないだろう。

 盟書は二枚。安全保障同盟と、連合空軍同盟だ。普段から合同の訓練を密にし、有事の際には指揮権を一本化して、一個の空軍として行動する。小国が航空戦の時代を生き抜くには必要な盟だろう。

「後は気球か…」

 制空権の要、制空気球が要る。


[漂泊のダンジョン]

「ダンジョンさえ手に入れば、怠惰で自堕落な生活し放題だと思っていたよ」B。

「空軍の任期まだ十年あるからねぇ」A。

「お宝で返済出来ないのが痛かった」C。

 一般的な奨学金制度と違って、兵学校の物は体で返すしか道筋はない。詰まり兵役か服役である。中途退学に為れば免除に為ると言う、三娘から視れば理不尽極まりない制度でもある。


「在宅勤務なだけヨシ」C。

 三人娘は、其処此処にお宝が山を成す、だだっ広いダンジョンの真ん中で、小締こぢんまりと机を寄せて、図面を引いていた。


[小さなダンジョン]

 プヨは地下の繊維構造体のチェックを終えた。鉱床を抜けた後の傘状に広がる部分の成長は大分ゆっくりに為ったが、其処はもう喫緊と言う程の重要部分ではない。

 [パイプ]内の鉱床部もほぼ繊維を展開し終え、硫黄元素の吸収は順調に進んでいる。急ぎというなら鉱床のパイプの外側部分ではある。次のガンマバースト迄、たったの千年しかないのだ。少なくとも外壁に囲まれた分の直下の鉱床位は無力化したい。それと、神樹の苗。

「プロシー、苗の成長はどうですか」

『大分大きく成ってきましたが天井に到達する迄はまだ掛かりそうです』

 到達すれば、天井に穴を開けてやらねばならない。土塁を放棄して外に居を移す事に為る。ガンマバーストに備えて土塁の壁を補強する積もりだったが、必要は無くなった。どの道直ぐに住めなくなる。

「新居建設用地の選定と構築はお任せして宜しいでしょうか」

『はい、既に目星は付いていますので、後は人員を頂ければ建設に取り掛かれます』

 中尉達と人形も好きに使って構わない、そう言ってプヨは交信を切った。


[プロローグ]

 ツァロータにはイバーラク西部方面軍が駐屯している。

 既に蜜月も過ぎ、敗残の気配を纏ったまま戦場いくさばから戻って来た兵だ。

 盛り場で酔った兵が暴れ、余程の事でも無ければ逮捕される事もない。

 娘達は、戸外に出る事を慎む様になった。

 イバーラク兵は、昼間でも酔っているのだから。


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