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これは! 夢なのか? 現実なのか?

作者: 七瀬
掲載日:2020/03/21






___僕は、夢でも見ているのか?

いきなり、僕の家の前に黒のワンボックスが止まり僕は拉致された!



 車の中には、黒服の男達がいて、僕の両サイドに座っている男達は

僕の自由を奪おうと必死になって僕を抑えつけていた。


 男達は皆、黒服に黒のグラサンをかけたていたのだけど、、、?

僕には、見覚えもない事だし! 何故? 僕なのか?

 サラ金業者にお金を借りてもいないし、僕は誰かに恨まれるような事は

一切していない! そんな事を僕は頭の中で考えていると、、、。


 突然! 後ろから低い声で僕にこう言ったんだ。


『___助けてほしいのか? お前の大事なモノを俺たちが預かって

いる! 返してほしければ! お前の大事な体の一部分を俺に差し出せ!』



 ・・・僕は、すぐさま振り返り、その男を見たのだけれど、、、?

全く見覚えのない男だった!


 僕は、ここでも【夢】でも見ているモノだと思っていたんだ。

突然! 訳の分からない事が起きている! そんなの有り得ない

事だと僕は思っていたからだ。



 ・・・結局、僕はその男に何も返す言葉も見つからず、、、。


 車が何処かに着いてしまったんだ。

 黒服の男達は、僕の頭に黒い袋を被せると、、、?


 僕を車から降ろして、着いた場所に連れて行った。

僕が、布の袋を取られた時には、椅子に座らされてロープで縛ら

れていたんだよ。


 そして、目の前には僕を拉致した男達が立っていた。

車の後ろに座っていた男は、どうやら? “ボス” だったらしい。

一人だけ! 高級なソファーに座って僕にまたこう言った。


『___先の話の続きだ! お前の大事なモノは俺たちが預かっている!』



 ・・・そういうと? 一人の女性ひとを連れてきた。

確かに、僕にとって大事な女性ひとだった。


『___彼女を無事に返してほしければ、お前の大事な体の一部分を俺に

差し出せ!』



 ___“僕の体の一部?” 

まだ、どういう事なのか? 僕にはよく分かっていなかったんだ。


 でも? 彼女が危険な目に遭いかけているのは間違いない!


 ・・・僕は咄嗟に、目の前に座っているボスらしき男にこう言ったんだ。


 『___僕は左利きだ! だから、右腕をやるからその女性を直ぐに離せ!

何故? こんな事をするんだ!!!』

『___分かった! それでいいだろう! お前の大事な彼女とお前を

解放してやる! その “左手をもらったらな!”』

『___えぇ!?』

『お前は今、“左利きと言っただろう!” それなら左手がいい! その

左手を俺に差し出せ!』




___僕がまだ、うんすんとも言わないうちに、、、。

2人の黒服の男達が、僕を抑えつけて僕の左手を1人が掴んだんだ!


 そして、ボスらしき男が日本刀を持ってまた戻ってきた。


 僕は泣き叫んだ! 怖くて、怖くて! ビビッて体も少し震えていた、、、。

おしっこもちびるぐらい、僕はそれぐらい怖かったんだ。


 こんな怖い思いをするのは、、、何十年ぶりだろう?

いや? 僕の人生の中で一番怖い思いをしているのが今なのかもしれない

とそこまで思ったんだ!



 だけど? 僕は “しない” とは一言も言わなかったんだ!

僕の左腕より、僕の大事な彼女を助ける事が最優先だと思っていたから。


 それに、ここまでしないと、、、?

本気で僕も彼女も助からないと思ったんだ!




___僕は腹をくくり、【覚悟を決めたんだ!!!】

黒服のボスが日本刀を僕の左腕めがけて振りかざした!


 僕は悲鳴をあげたよ。


【ギャーー!!! うっ、ガァ、あぁ、ウォーーーー!!!】



___僕の左腕は、切れ味のいい日本刀の刃でキレイに切り落とされた。


【ドスッ】と鈍い音で地面に僕の左腕が落ちる。

 大量の血生臭い血の臭いと、生々しい僕の左腕。

 僕の左腕から滴り落ちる血が僕の指を辿って地面に落ちていく。


 僕の体から、切り離された僕の左腕。

 まだ、生柔らかく今にも動き出しそうな指。


 ・・・僕はただ、左腕を見つめていた。



 ___そして、黒服のボスが僕にこう言う。


『___いいだろう! お前の大事な彼女もお前も助けてやる!』


目の前に僕の左腕が転がっているのを見たボスは、手下を連れてその場から

去って行ったんだ。



 彼女は、僕に駆け寄り僕に優しく声をかけてくれたのだけど、、、?

僕の耳に、彼女の声は届いていなかったんだ。


 僕は、僕の切り落とされた左腕をただ見つめていた。







___僕の記憶は、ここでなくなったんだ!

そう! ここで、僕は目を覚ましたんだ。


『___ここは?』

『病院よ!』


___彼女が、僕にそう言った。


僕は直ぐに、僕の左腕を見て! ホッとしたんだ。

僕の左腕には、ちゃんとあの時切り落とされた左腕がついていたから。


 僕はそれを見て安心すると? そのまま、また眠ってしまったんだ。




 ・・・でも? その時の僕はまだ気づいていなかったんだよ。

僕の左腕はあったのだけど、、、?


 僕の右腕がなくっている事を、、、。

失ったのは、本当は左腕ではなく! 右腕だったんだ、、、。


 


最後までお読みいただきありがとうございます。

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