これは! 夢なのか? 現実なのか?
___僕は、夢でも見ているのか?
いきなり、僕の家の前に黒のワンボックスが止まり僕は拉致された!
車の中には、黒服の男達がいて、僕の両サイドに座っている男達は
僕の自由を奪おうと必死になって僕を抑えつけていた。
男達は皆、黒服に黒のグラサンをかけたていたのだけど、、、?
僕には、見覚えもない事だし! 何故? 僕なのか?
サラ金業者にお金を借りてもいないし、僕は誰かに恨まれるような事は
一切していない! そんな事を僕は頭の中で考えていると、、、。
突然! 後ろから低い声で僕にこう言ったんだ。
『___助けてほしいのか? お前の大事なモノを俺たちが預かって
いる! 返してほしければ! お前の大事な体の一部分を俺に差し出せ!』
・・・僕は、すぐさま振り返り、その男を見たのだけれど、、、?
全く見覚えのない男だった!
僕は、ここでも【夢】でも見ているモノだと思っていたんだ。
突然! 訳の分からない事が起きている! そんなの有り得ない
事だと僕は思っていたからだ。
・・・結局、僕はその男に何も返す言葉も見つからず、、、。
車が何処かに着いてしまったんだ。
黒服の男達は、僕の頭に黒い袋を被せると、、、?
僕を車から降ろして、着いた場所に連れて行った。
僕が、布の袋を取られた時には、椅子に座らされてロープで縛ら
れていたんだよ。
そして、目の前には僕を拉致した男達が立っていた。
車の後ろに座っていた男は、どうやら? “ボス” だったらしい。
一人だけ! 高級なソファーに座って僕にまたこう言った。
『___先の話の続きだ! お前の大事なモノは俺たちが預かっている!』
・・・そういうと? 一人の女性を連れてきた。
確かに、僕にとって大事な女性だった。
『___彼女を無事に返してほしければ、お前の大事な体の一部分を俺に
差し出せ!』
___“僕の体の一部?”
まだ、どういう事なのか? 僕にはよく分かっていなかったんだ。
でも? 彼女が危険な目に遭いかけているのは間違いない!
・・・僕は咄嗟に、目の前に座っているボスらしき男にこう言ったんだ。
『___僕は左利きだ! だから、右腕をやるからその女性を直ぐに離せ!
何故? こんな事をするんだ!!!』
『___分かった! それでいいだろう! お前の大事な彼女とお前を
解放してやる! その “左手をもらったらな!”』
『___えぇ!?』
『お前は今、“左利きと言っただろう!” それなら左手がいい! その
左手を俺に差し出せ!』
___僕がまだ、うんすんとも言わないうちに、、、。
2人の黒服の男達が、僕を抑えつけて僕の左手を1人が掴んだんだ!
そして、ボスらしき男が日本刀を持ってまた戻ってきた。
僕は泣き叫んだ! 怖くて、怖くて! ビビッて体も少し震えていた、、、。
おしっこもちびるぐらい、僕はそれぐらい怖かったんだ。
こんな怖い思いをするのは、、、何十年ぶりだろう?
いや? 僕の人生の中で一番怖い思いをしているのが今なのかもしれない
とそこまで思ったんだ!
だけど? 僕は “しない” とは一言も言わなかったんだ!
僕の左腕より、僕の大事な彼女を助ける事が最優先だと思っていたから。
それに、ここまでしないと、、、?
本気で僕も彼女も助からないと思ったんだ!
___僕は腹をくくり、【覚悟を決めたんだ!!!】
黒服のボスが日本刀を僕の左腕めがけて振りかざした!
僕は悲鳴をあげたよ。
【ギャーー!!! うっ、ガァ、あぁ、ウォーーーー!!!】
___僕の左腕は、切れ味のいい日本刀の刃でキレイに切り落とされた。
【ドスッ】と鈍い音で地面に僕の左腕が落ちる。
大量の血生臭い血の臭いと、生々しい僕の左腕。
僕の左腕から滴り落ちる血が僕の指を辿って地面に落ちていく。
僕の体から、切り離された僕の左腕。
まだ、生柔らかく今にも動き出しそうな指。
・・・僕はただ、左腕を見つめていた。
___そして、黒服のボスが僕にこう言う。
『___いいだろう! お前の大事な彼女もお前も助けてやる!』
目の前に僕の左腕が転がっているのを見たボスは、手下を連れてその場から
去って行ったんだ。
彼女は、僕に駆け寄り僕に優しく声をかけてくれたのだけど、、、?
僕の耳に、彼女の声は届いていなかったんだ。
僕は、僕の切り落とされた左腕をただ見つめていた。
*
___僕の記憶は、ここでなくなったんだ!
そう! ここで、僕は目を覚ましたんだ。
『___ここは?』
『病院よ!』
___彼女が、僕にそう言った。
僕は直ぐに、僕の左腕を見て! ホッとしたんだ。
僕の左腕には、ちゃんとあの時切り落とされた左腕がついていたから。
僕はそれを見て安心すると? そのまま、また眠ってしまったんだ。
・・・でも? その時の僕はまだ気づいていなかったんだよ。
僕の左腕はあったのだけど、、、?
僕の右腕がなくっている事を、、、。
失ったのは、本当は左腕ではなく! 右腕だったんだ、、、。
最後までお読みいただきありがとうございます。




