表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

フィルター#6

曲によってはキーボードを頼まれるが、基本はギターだった。俺もギターの方が好きになっていた。


高校生活は本当に楽しかった。音楽、仲間、少し恋愛もした。少し前まで思っていたような、このフィルターはいつなくなるのだろうという思いはもう消えて当然の事実として受け入れてさえいた。


高校生にもなると、ナミたちが遊んでいる公園を覗いている時間があまりなくなって、ナミを見れなくなった。芳賀夫人とは時々すれ違うが、俺の注目は全てナミの方に移っていた。


ある時、思い立って、土曜の昼間にギターを持って公園に行った。ベンチでギターをケースから出している間に子どもたちが集まった。


「何やってんの?」


男の子が聞いてきた。


「ギター弾こうと思って。好きな歌ある?」


別な男の子が言った


「え!できんの?」


「うん、まあね。」


俺は答えながらギターを抱え、ボーンと弦を弾いてチューニングした。


「それ何やってんの?」


後ろから女の子の声がして、首だけで振り返った。ナミだ。


「チューニング。音を合わせてる」


ナミは俺の前の方に回り込みながら


「何と合わせてるの?」


と聞いてきた。


その間にチューニングの終わった俺はギターを上からぽろろんと鳴らした。


「これ、線が六本あるでしょ。ピアノの鍵盤みたいにそれぞれ違う音にしないといけないから、違う音に合わせてる」


集まっていた子供たちが数人


「へぇ」「ふぅん」「そうなんだ」


と言って、男の子が2,3人と女の子が1人立ち去った。


ナミとその友達らしき女の子と男の子が2人、俺の周りに立っている。俺はもう一度聞いた。


「好きな曲ある?」


ナミとその友達で顔を見合わせてから、


「あ、あれは?」


とナミが言った。その友達は


「どれ?」


と聞いて、ナミが言った。


「きゅるリリの曲」


その友達は


「私もめっちゃ好き!」


と飛び跳ねて、二人で俺を見た。


「ごめん、それは知らないや。今度練習しとく。」


と言うと二人は残念そうな顔をして


「そっか…女の子が見るやつだもんね」


と言って黙った。男の子たちが戦闘アニメのOPになっているロックバンドの曲をリクエストしてきて、それを弾いて、その後全員、俺の近くから立ち去った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ