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天使のココロと悪魔の渚  作者: 小石川弥生
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生死

ココロちゃんを背負い 魔界の城へ入った 渚くんの兄は 寝室へと駆け込み ココロちゃんをベッドの上に 寝かせました。

焦る 二人を他所に ココロちゃんの 意識は戻りません。

渚くんは、ベッドの横を 何回も何回も 行ったりきたり 時々、ココロちゃんの 様子を伺うが 何の反応もない 状態を見ると また、行ったりきたり

落ち着かない様子

渚くんの兄は 本棚から ある一冊の本を 取りだし あるページを開く

そして、何やらブツブツと呟き 渚くんに

「なぎ!今からやる事 誰にも言うな!ココロが目を覚ましたら 人間界のいつも一緒に遊んだ 湖のほとりに連れていけ!連れて行ったら なぎはこっちに戻ってこい!約束だからな!何が起きても兄ちゃんを信じろ!この先、もし兄ちゃんが居なくなったとしても......今、やろうとする事は 兄ちゃんの意思でやる事だから......なぎは、兄ちゃんを信じて ココロを守ってやれ......分かったな。」

不安で不安で いっぱいの渚くんでしたが 兄のいつも以上の 真剣な表情に 頷く事しかできませんでした。

兄の言葉の意味を 理解するには まだ幼い渚くん

でも、ココロちゃんを守る その思いだけ強く......兄と同じでした。

「なぎ......兄ちゃんが 呼ぶまで 部屋の外に出てくれ......」

渚くんは、兄の言うように 部屋の外へ......部屋を出ると ゆっくりと扉か閉まる

ガチャン


渚くんは、祈りながら 耐えられない程の時間を過ごす

ガチャン

ゆっくりと扉が開く

恐る恐る 中へ入ると

ベッドの上で ココロちゃんが目を開いて 座っていました......渚くんは ココロちゃんに駆け寄り うれし過ぎて 勝手に流れる涙を 拭いもせず

ココロちゃんに

「よかった......よかった」

と、何度も安堵する。

ふと、兄のいない事に 気づくが 兄の言った言葉を思い出し ココロちゃんを 人間界の湖のほとりまで連れていく

そして、兄の言ったように 渚くんは 魔界に戻りました。



あの日から......今日まで 兄の姿を見る事はありません。

部屋には 兄の残した 一冊の本が......時がたち その本の 意味を理解し もう、兄と会えないと悟った渚くんでした。


あの本は、禁魔妖術と言って その中で 最も恐ろしいのが 生死術 それを施した 術者はこの世から消滅し 術をかけられた者は 術者の力が宿るとされています。



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