危機
あの日のココロちゃんは 学校での出来事がとても辛く 悲しく潰れそうになる心を 必死に絶えていました。
この湖に来ると 渚くんたちに会える それが唯一の支え......けれど この日湖には 渚くんたちはまだ来ていませんでした。
この状況が ココロちゃんを 少しずつ不安にさせてゆき......ある事故が 起きてしまいました。
あの日も 突然の嵐に襲われ ココロちゃんの 不安をより一層 大きく辛いものにしてしまったのです.....そして、心の弱さが ある行動に
横殴りの雨は 容赦なくココロちゃんを 叩きつけ 風は容赦なく吹き荒れ 視界を遮り 足場をふさぎ
一瞬の隙もあたえません。
しかし、弱ってしまった ココロちゃんの心を
意図も簡単に動かし ココロちゃんを湖へと導きます。一歩一歩 湖へと近づく ココロちゃん
そして、湖にたどり着いて しまったその時 ココロちゃんは
(もう......いいよね...私が死んでも......誰か悲しんで くれるのかな......私が死んだら...悲しんで くれたら......いいな...)
そんな事を思い ゆっくりと湖の中へと 倒れ呑み込まれた......それは ココロちゃんの 悲しい思いとは 裏腹に 一瞬で呆気なく 儚いともしび...になるはずと思っていた......
湖に飛び込む閃光 それは 稲光のように一瞬で
湖の底にたどり着く その先に......
光の手が ココロちゃんを 抱きよせ 地上へと導く 優しく包みこむ光は......渚くんの兄でした。
渚くんは 湖のほとりに 寝かされた ココロちゃんの事が心配で 今にも泣きそうな顔で 見つめていました。
渚くんの兄は ココロちゃんの心臓が 動いているのか 確かめるために 胸に耳をあてていましたが
突然 渚くんの兄が 慌てだし ココロちゃんを 背負い
「なぎ!早くしろ!魔界に戻るぞ!」
渚くんは 訳がわからず 必死な顔の兄を見て 今にも泣きそうな声で
「兄ちゃん!ココロ死んじゃうの?」
と 不安でたまらなく 兄の腕を掴み すがりました。
渚くんの兄は 一言
「死なせない!」
力強く答え ココロちゃんと渚くんを連れ 悪魔界に戻りました。
魔界に戻ると そこは人間界そのもの 鏡に写し出されたかのように 瓜二つ
しかし、ここは嵐ではなく ただ晴れていただけでした。気候もなく 暖かくも寒くもない 不思議な空間......ここから見える 人間界は嵐が吹き荒れたままです。
そんな 不思議な 空間の中へと 連れてこられた
ココロちゃんを 背負いながら 唯一人間界にない
城の中へと 連れて行きました。