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天使のココロと悪魔の渚  作者: 小石川弥生
3/47

正義とは

教室に入ると もう、朝の出来事が 噂になっていました。ココロちゃんが 来るなり 女子生徒が ココロちゃんを囲み そして 小さな声で

「偽善者!いい子ぶって!バカじゃないの!キモい!」

そんな言葉を 囁き傷つけて いました。

でも、ココロちゃんには そんな 醜い言葉など 届いていません。なぜなら ココロちゃんの 見つめる先に 渚君がいたからです。

(渚君......)

女子生徒の言葉も 耳に入らず 自分の席に 行こうとする ココロちゃんの態度に 女子生徒の一人が ココロちゃんの足元に スーっと足を忍ばせ 引っかける 案の定 ココロちゃんは 思いっきり倒れこみ 側に合った机に 額をぶつけてしまい 額からは 血が流れ 大ケガをして しまいました。

額を押さえながら しゃがみ込んだまま 起き上がれずにいる ココロちゃんを クスクスと笑いながら

「響さん 大丈夫?気をつけて 歩かないと 危ないよ クスッ」

「......」

(血......いった......)

ココロちゃんは 血のついた 手のひらを ジーっと 見つめ 思いもよらない 言葉を口しました。

「おもしろい?」

その言葉で 笑い声が 一瞬消え ヒソヒソと囁く声に......その時

ガラー

教室の扉が 開くと 先生が入って 来ました。

「みんなー!何してるの?席につきなさい!」

ざわつきながら ココロちゃん 一人残し 皆が席へと戻る......

「ひび...響さん...あなた 大丈夫?どうしたの?」

ココロちゃんを見た 先生は青ざめ 問いかけました。すると、女子生徒たちが

「響さん 転んで 額をぶつけた みたいです。」

先生は 戸惑いながらも

「そうなの?じゃ保健室に......」

ガタっ

渚君が 立ち上がり

「じゃ俺が 保健室に 連れて......」

と、言いかけた時 ココロちゃんが 渚君を静止し

「大丈夫です!一人で行きます。」

フラフラ しながら 教室を出て行く ココロちゃん それを 知りながらも 普通に授業を 始める先生と生徒の 異様な光景に ココロちゃんは 悲しい気持ちを 抑えながら 保健室へ 向かい

途中の廊下で ココロちゃんは こらえた涙が溢れ一人泣いていると 後ろから 渚君が

「お前 バカじゃねぇの!」

と、言いながら ココロちゃんの肩を 支え歩き始めました。

ココロちゃんは 何故か そんな渚君に 腹が立ち

「...なんなの......なんで...あたしに...かまうの?見てただけで 助けないのに なんで?今優しくできるの?...そうゆうの あたしには 分からない!もう......ずっと ほっとけばいいのに......あの人たち みたいに...」

泣きながら 感情を始めて みせたココロちゃんに

渚君は

「そう思うのが 普通だろ!なんで 我慢するんだよー!嫌ならイヤって 言えばいい!辛いなら辛いって 言えばいい!助けてほしいなら 助けてくれって 言えばいい!言わなきゃ わかんねぇよ!」

「いっ...言えるわけない!言って......傷ついたり...寂しい気持ちに...なったりするの...もう 心が......こころが...耐えられない...んだよ...」

そう言うと、ココロちゃんは 力が抜け 倒れそうに そんなココロちゃんを 抱き抱えて 保健室に瞬間移動

ココロちゃんを 静かにベッドへ 寝かせました。








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