1ページ目:トイレの神様との出会い(ヤマダのステータス)
楽しんで読んで頂けると光栄です。
これは後世に語り継がれることになった身内にはとても温和な、敵対した奴はどんな卑怯な手を使ってでもトラウマを覚えさせる魔王<ヤマダ>記憶の1ページ。
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俺、ヤマダは特別裕福でも貧乏でもない普通の家の普通の男子高校生だ。しかし、両親は12歳の時に交通事故で他界しており今は叔父さんの家でお世話になっている状態だ。もちろん妹と一緒に。顔はイケメンではないにしろ中の上くらいと自負しているが、ちょっと異常なほどのブラコンな一つ歳下の妹のせいで、彼女いない歴史=年齢になってしまったが。
また、世間から見るとオタクと呼ばれる部類に入る俺だがもちろんアニメなども好きだが特に好きなのはフィギュアだ。それはもうフィギュア専用の離れの部屋の中に並べられたフィギュアはもう少しで4桁に迫りそうになっているくらい好きだ。だが勘違いして欲しくないのは2次元に興奮を覚えたりは一切しない。もともと工作が好きで粘土で人形を作ったことがフィギュア好きに繋がったのだ。なので普通に3次元の女の子に興味がないわけでわない。
そんなある日、俺は1番のお気に入りのフィギュアを持って崖の上から夕日に向かって目に涙を溜めながら吠えていた。
「……な、な、なんでごとを。なあんでこんなぁごとになっじまうんだぁよぉお、ちぎぃしょぉぉおお。」
何故俺が叫んでいるかというと俺が通っている高校から帰ってきていつものように母屋とは離れにあるフィギュア部屋のある離れの建物に向かう途中で一重だったまぶたが二重になる程目を見開いた。燃えていたのだ。そう燃えていたのだ、離れが。ずっと大切にしてきたフィギュア達が無惨にチリとなって天に召されたのだ。そして現在無事なフィギュアは母屋の自分の部屋の中にある1番のお気に入りのフィギュア一体のみ。その一体を持って今現在に至る。
(このフィギュア《アキちゃん》だけでも守り切ってやる!)そんな事を思った矢先、なんの偶然か石につまずいて、手からフィギュア《アキちゃん》を放り出してしまった。そこからの時間はゆっくり流れていき、目の前で《アキちゃん》が崖の下へ落ちて行った。今の彼に常識的な判断ができるはずもなく世界大会の水泳選手のような飛び込みで崖から飛び降りた。
当然、崖の下は30メートル以上の高さがあるので落ちながら白目剥いて落下していく。まだ《アキちゃん》は岩にぶつかり粉砕している。続いて落ちて来たヤマダが岩にぶつかる瞬間に全身が発光してその体が消えた。
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『ぎゃっはっはっはっはぁぁー、ぷぅ、ぷぷ、だぁはっはっはっぁ、ふぅー、ふぅー、腹がぁ割れるぅ。』
俺はそんな笑い声で目を覚まし、ハッと周りを見渡した。
(た、確か俺は崖から《アキちゃん》を追って飛び降りたんだっけな、ハッ《アキちゃん》はどこだっ)
しかし周りを見渡しても全てが白の空間に、美女が転がりまわっているだけだった。
(ん?今更だかここはどこだ?)とそんな事を思っているとさっきまで転がりまわっていたはずの美女が板の間にが背筋をスンと伸ばして微笑んでいた。そして、
『あなたって、なぁ〜んておバカなの?ぷくっ、ぷぷぷ。』
と、さっきの微笑みはどこに行ったやら、涙目で笑いをこらえながら喋りかけて来た。いきなり偉そうな口振りで喋りかけてくるのでスッと目を細めて睨みながら、
「誰だあんたは?」
『私?私はねぇー、んー、誰でしょう?』
内心(知らねぇ話に決まってんだろう)とちょっと苛立ちながらも、ふざけて
「神様とかですカァー?」
『な!なんで分かったぁのよぉー。おもしろくないわねー。そ、そうよ私が地球の八百万神の頂点に立つ!そう、私こそが頂点の神よ。』
そう言われた俺は(こいつ、頭の中にカニ味噌でも詰まってんのか)という思いを押し殺しながら、目の前のやつが例え神様と信じたとしても、明らかに頂点というところで目が泳いでいたのを俺は見逃さなかった。ジト目で、
「…………頂点、ですか、フッ」
さっきのおバカとからかわれた事を根に持っていたわけでわない。えぇ、決して。
そう問われた自称頂点の神様は目を泳がせ、へったっくそな口笛を吹いていた。
『そ、そう、わ、私こそが、ちょ、ちょうてんなんですぅー!』
日本は様々な神様がいる事を思い出してさらにジト目で、
「……………なんの神様だ?」
『うっ、か、神様の神様よ!』
とさらに目を泳がせながらそんな事を言う神様にさらにジト目で、
「……………………な、ん、の、神様だ?」
ついに観念したようで、
『わ、笑わない?』
「ああ、絶対に笑わない。約束するよ。」
と、一見真面目な事を言っているように見えるが内心(絶対に笑ってバカにしてやろう)と思っているが持ち前のポーカーフェイスで乗り切っていた。
そんなヤマダの一件真剣な様子を見て、決心した様子で顔を真っ赤っかにしながら、
『ト、ト、ト』
「ト?」
『トイレよ!!トイレの神様!!!悪かったわね!トイレなんかの神様で!』
と言うとプィッとそっぽを向いてしまった。しかしヤマダの周りの時間は止まったままだ。そんなヤマダは心の中で(ま、まじかよ、ま、まじでトイレの神様とかいたのかよ、そ、それよりもちょっとこいつ可哀想になって来たかも)など思って、
「いいじゃないかっ!トイレの神様でもっ!もっと元気出せよ!熱く!熱く!熱くなれよ!」
と、何故かヤマダの背後に身体からとんでもない気合いを入れた男性がテニスラケットをフルスイングしている化身が見えたのはきっと幻だ、そう、きっと。
そんな謎の応援を受けたトイレの神様もノリにながされて、
『そ、そうよね!別に恥じることなんてないわ!ありがとうヤマダ!!』
「そうだ!!もっと胸を張って堂々として宣言しろ!私こそがトイレの神様だ!ってな。」
『そうね、そうだわ!私こそがトイレの神様なのよ!!!!』
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30分後やっと落ち着きを取り戻した2人が話していた。
「なるほどなぁー。俺が崖に落ちるまでを見て笑って見ていて、お前が俺が死んだ後に笑わせてくれたお礼に魂だけ呼び出したわけかぁ。はぁ〜〜〜しかももう戻れないのかよ。で、俺はどうなるんだ?」
『ヤマダにはこっちの世界と違う世界へ行ってもらうわ。』
「は?まじで??」
『まじまじ大真面目よ。あ、あとその世界には魔物とかいろいろ危険なやつがいるから。そうそう、その世界ですぐに死なないように強化しといてあげるわよ。他に欲しいようなものはない?』
急に話がぶっ飛んだことになりショートしていた頭が徐々に理解し始めた。
「もしその話が本当なら、うーん、そうだな、うん、工作を極めたようなやつがいいな。やっぱ、物を作るのは好きだし。」
『うーん、あ、あったあった!よし!これでバッチリ!後、その世界の常識も!さぁ、ヤマダ新しい世界を楽しんで来てね!私も見ているからね!』
トイレの神様がそう言った瞬間、まだ意識が飛んだ。
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ゆっくりとまぶたを開ける。するとそこはどうやら祠のような場所らしい。
今の自分が見ている景色が高いと感じた俺は、自分の身体を確認した。どうやら俺は170センチメートルの身長だったはずなのに185センチメートルくらいになっており、特に筋肉など目立たなかったのに全身の筋肉が引き締まっており力が溢れているような感じもする。髪は黒髮から白と灰色の間、銀色のような色をしており、顔立ちも鋭い眼光を放つ真紅の瞳の目、整った鼻、そして牙のように見えるイカツイ歯。
そう、何故か見た目が変化していたのだ。いや見た目だけじゃない中身まで変わっているようだった。ヤマダはそんな水溜まりに反射する自分の姿を見て、(この見た目どう見ても魔王じゃん、あのクソトイレの神様なんてことしてくれたんだよ!)
そんな自分ではない自分の姿に2時間悟りを開き、ついに納得した。いや開き直った。
取り敢えず自分の身体を調べた時に頭の中にすでにインプットされていた情報を元に自分の身体の状態を確認した。そう、ステータスの確認である。
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名前:ヤマダ
種族:人間の魔王
称号: 創作師
トイレの神様の加護
年齢:17
レベル:???
性別:男
体力:1000000
筋力:35000
速さ:40000
防御:100000
魔力:無限
魔攻:無限
魔防:無限
《スキル》
創作魔法レベル-
火魔法レベル3
水魔法レベル3
風魔法レベル3
土魔法レベル5
闇魔法レベル5
雷魔法レベル3
氷魔法レベル3
アイテムボックスレベル-
平行思考レベル5
鑑定レベル5
隠蔽レベル5
魔眼レベル5
魔王の契約レベル-
魔王の威圧レベル-
生命の息吹レベル-
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「………………………………………………………………………………………………………………………………………な、…………な、…………なんじゃぁそりゃぁぁぁ!!!!!お、俺、ほんとに魔王みたいなスペックだし種族とかレベル意味がわかんねぇぇぇ!ま、魔力無限ってことは魔法撃ち放題?そ、そうだよな!ん?まてよ、土属性の魔法もいけるってことは美人なゴーレムとかもつくれるんじゃね!なんかやる気出てきたぁぞぉー!てかあのトイレの神様ってウォシュレットって名前なんだな。うん、忘れよう。謎に加護がついてるけど。」
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