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魔王の日常  作者: 茨城
4/10

4話目

前回の話

・バロスに見つかった

・逃亡中

「助けて下さい!」


走りながらそう叫んだ。

冒険者はもうすでに馬から下りてこちらを見ている。

そりゃ 木々が吹き飛ぶ音とか 爆発音とかに気付かない人間はいないじゃろうな。


「落ち着いて!まずあの音はなんーー」


「グオオオォォォ」


金髪の少女が質問しようとしたが その声は ある魔物の唸り声によってかき消された。



▫️◼️▫️◼️▫️



これはヤバイことになったと冷や汗を流す。あの黒髪の子供の背後にいる魔物は

3mほどの巨体で、銀色の毛皮を持ち、ジャイアントウルフより鋭い牙をむき出して俺達に威嚇している。



まず鑑定をしてみないと分からないからな。


…………………………………………………


グレイトウルフ : A級


体力 : ◾️◾️エラー◾️◾️

鑑定不可能


魔力 : ◾️◾️エラー◾️◾️

鑑定不可能


《目撃情報》

100年前に、第12魔王の側近の部下として 確認されている。


…………………………………………………


俺はあんぐりと口を開けて驚きを表した。


こいつはやばい、以前に体力と魔力が鑑定不可能なんてことなかったぞ!


「おいケイト!その魔物は相当ヤバいぞ!」


俺はケイトに向かって叫ぶが遅かった。ケイト ーー焦げ茶色の髪の少年ーーはもうすでにグレイトウルフの腹辺りに斧を振りかざそうとしていたが、避けられ、


ケイトはファイヤーブレスを見た途端横によけたから良かったが、もし避けていなかったら………。


「おい大丈夫か!」


「ああ、それよりあの子供は?」


ケイトは少しフラフラしながら答えた。


ハッとして辺りを見渡すと少し離れた場所に体育座りで俺たちを見ていた、まるで、俺達を観察しているように。


その時俺はなにか違和感を感じた…………だがそのことを考えるのはグレイトウルフを倒してからだ!


「ケイト!左に回れ!俺は右から攻める!」


俺は剣を構えながら怒鳴るように言って走り出した。



▫️◼️▫️◼️▫️



あのグレイトウルフは妾の部下でもありバロスの部下でもある。


バロスはもうすでに顔がばれているから人間達が妾の近くにいる限りバロス自身で妾を捕まえることは無理だと判断したんだろう。


それであのグレイトウルフを送ってきたわけだ。じゃが未だ妾に気付いておんらん。



クルスは木の根元に体育座りで座ると冒険者達の戦いを見つめた。


どうやら緑色の髪の少年は魔法が得意なようで、治癒魔法魔法を使い グレイトウルフから10m程離れたところから金髪の少女、焦げ茶色の髪の少年と少女を援護している。


赤髪の少年はなぜか戦わない、何か理由があるんじゃろう。というかさっきから赤髪の少年が妾のことを睨んでおる。


ふと金髪の少女にめをやると、彼女は丁度あの剣でグレイトウルフの前足を切りかけたが 避けられたところだった。


よく見るとあの剣は聖剣じゃった。聖剣とはかつて天使が人間達い味方し、授けたと言い伝えられる剣、しかも聖剣はこの世に数十本しかないため宝のように扱われている。

普通のけんで魔物を切ると、再生能力を持つ魔物はすぐに傷がふさがるが、聖剣で攻撃されると再生能力があっても傷はふさがらない、ただし人間には聖剣が効かない。まぁ治癒魔法なら回復できるんじゃが。


し・か・も、魔物は光の攻撃に弱いからな、聖剣は危険なのじゃ。



しかし一つ疑問に思うことがあるのだが、なんであんなただの小娘が聖剣などを持っているのじゃ?



今度会う機会があれば聞いてみるかの〜なんて考えていたらグレイトウルフがこちらに猛ダッシュしてくる。


これはどうしたものかと考えながら立ち上がると、目の前に 焦げ茶色の髪の少女が妾に背を向けた状態で立ちはだかった。


妾は魔王じゃ、守ってもらわなくてもあんなもの簡単に始末できる。


「《空間停止》発動」


妾がそう聞こえるか聞こえないかぐらいに呟くと、


風も、人間も、音も、全てが止まった。


この魔法は時を止める魔法、

最強クラス--SS級--がいくら頑張っても数分程し時を止められない程難しいと言われておる。絶対に間違わないで3分間呪文を唱えつずけてやっと成功させる魔法だが妾はこの魔法を使いこなしておるから、「空間停止 発動」と唱えるだけで一年だって時間を止められるのじゃ。


まずクルスは本来の姿に戻り、そのままグレイトウルフの元に歩いて行き

そのふわふわの毛皮で覆われている頭に ポンッと手を置くと、


「《空間停止》一時停止」


唱え終わった瞬間に、止まっていたグレイトウルフがまた、動き出した。だが空間停止を解除したわけではない。


グレイトウルフはしばらくぼーっとしたあと妾を見るとまるで化け物を見たようなように震えながら土下座し、小さな声でしゃべり始めた。


《ま……魔王様!バロス様に……魔王様を捕まえてこいと言われまして。ですが……私にはそのような……高度な変装を見抜けず……大変失礼な事に……あなた様に攻撃などを、しようとしてしまいました。このような失態は私の命に代えても……》


どうやら相当恐れられているらしいな。まぁ 魔物達が妾の姿を見ることができるのは王の座でふんぞり返って報告を聞いている時のほか、戦争の時意外ないからな。


「お主、妾の作戦を手伝う気はあるか?」


クリスは土下座しているグレイトウルフにそう言った。



















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