プロローグ
地球とは違うどこかの星の、小さい村の近くの街道で、
ところどころ穴が空いたぼろ雑巾のような服をまとった男を、何十人もの盗賊が取り囲んでいた。
「金目の物はないみてえだな」
盗賊の一人が静かに吐き捨てた。
「殺すか」 「そうだな」 「こんなゴミに用はねえ」
盗賊たちはおそらく金目当てに略奪を繰り返しているのだろう。男が何も持っていないとわかると、すぐさま殺そうとし始める。
「おい、こいつを押さえとけ!」
盗賊の中でもリーダーと思われる男が指示を出し、ゴミと言われた男は抵抗もせずに地面に倒され押さえつけられる。
「やれ!」
男に斧が振り下ろされ、ザシュッという音とともに男の頭部と胴体が離れ離れになる。そして、男は死んだ。少なくとも盗賊たちはそう思っていた。
次の瞬間、斧を振り下ろした盗賊は男と同じように、頭が胴体からおさらばしていた。
男が、盗賊の首を引きちぎったのだ。盗賊たちに悲鳴をあげる暇はなかった。数秒経ったあと、すべての盗賊の頭が空中に放り投げられていた。
「自分の体にされたことを相手にし返してやるのが一番楽しいんだ」
自分の胴体に拾われながら、男の頭部はそう呟いた。
この男の名は、フランケンシュタイン。
決して死ぬことのない、人より少しだけサドっ気のあるアンデッドの物語が始まる。




