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プロローグ
ここで今から話そうしている話は、いわゆるよくあるタイムスリップものである。大してインパクトも無いし、そもそも誰に話しても信じてもらえないだろう話である。
だからこそ今まで自分の胸にしまい、誰にも話すことは無かったし、これからも無いだろうと踏んでいた。
それでも敢えてこうやって筆を執ろうと思ったのは、理由がある。それは最近になって、あの時の経験は違った意味で、私にとって重要な意味を持つのでは無いか、そう思うようになったからである。
そういう訳で、この場を借りて、少しだけ私の昔話に、付き合ってもらいたい。