小説家になろうで投稿している方への意見提案
この『小説家になろう』で流行ってるから異世界チート物やVRMMO物がどんな物かと思って見てみたのですが。
何というか、前から感じてはいましたけれど、本当にここで書いている人の大多数は『何かを創る自分が凄い』『仲良しこよしがしたい』のだろうなぁと思いました。
勿論、全員がそうだとは言いませんので誤解しないでください。
ランキングを目にすれば同じような作品ばかりで、書きたい物を書くというよりも閲覧数とか目に見える数字でちやほやされたいみたいな、ぬるま湯のような愉悦感が欲しいのだろうと日頃から感じてはいたのですが。
ここはそういう風潮の所だと理解しているし、それを否定するわけでもないので、別にそれを悪く言うつもりはありません。民主主義では少数派は悪です。つまりここでは私が悪でしょう。
悪者ついでに、自分の考えを記しておくと。
あまりにも一次創作の皮を被った、人気ジャンルを模倣しただけの二次創作が多いですよね、これを書くんだという気持ちよりも前に『見てもらいたいという欲求』が前に来てるのだから当然といえば当然ですし、その理由であれば、その選択は間違いなく正しいです。
手軽に何かを創り出した気になれますし、元があるのだからそれなりに面白い物ができて、気に入った物に手を加えるだけだから書いてて楽しいだろうし、需要もある。
商業として考えても当然の流れです。
そんなわけで大多数をしめている、自分では気がついてないだろうけど同じような心根のユーザーが、無意味な評価やお気に入りをいれてくれる事でしょう。
悲しいのは、そうやって生まれた作品だから、テーマなんてあったもんじゃない場合が多いこと多いこと。
私は別に単純な娯楽を否定するわけでも、ファンタジーやMMO入り込み物を否定したいわけでも、後追い作品を否定したいわけでもないのです。
こういう毛色の作品の否定をしたら僕の大好きなC級、D級の映画を否定する事になってしまいかねないので。
ちなみに、誤解されるのもアレなので言っておきますが僕は二次創作が嫌いではありません。
そもそも様々な形のアイディアが出尽くした現状では、気軽にオリジナルを書けと単純に言う事も出来ません。
何をもってオリジナルか、などという話になってしまうと究極的にジャンルにまで遡ってしまいますし。
ただ、ここまで同じジャンルで似たような作品が飽和している昨今。最低限として読んだ人が「~~に似ている感じの作品」くらいの印象を受ける程度にまで設定を落とし込んで書いて欲しいと思います。
ここまで読んでいただいた人は『面沢は現状が不満なんだろうな』という印象を受けていると思いますが。多少なりとも読みたい物が探し難い、連載作品と完結作品で評価を別にして欲しいという思いも確かにありますが。それよりも、面沢は悲しいのです。
皮肉めいていろいろ書きこそしましたが、だからといってこの現状を頭ごなしに駄目だとは一言も言ってません。
むしろそういう方が増えているという事は、ユーザーが増えているという事で、むしろ喜ばしい事だと思っています。
冒頭で『何かを創る自分が凄い』『仲良しこよしがしたい』のだろうと表現しましたが、どんな形であれ、理由であれ。
文章に触れてみようと思い、文章を書き、その楽しさの入口に立っているのは、ここで書いている、書こうと思っている全員が間違い無いはずなんです。
でも、見ていて辛い事に『ただ書く』から『上達する』その楽しみまで届くユーザーが、現状では残念ながら多くはないだろうと感じるのです。
数字が増える楽しみだけでは、友達が増える楽しみだけでは寂しいじゃないですか。文章は自己との対話で、嘘のつきようがないんです。
自分の心を投影し、文字に起こし、世界を築き、表現で紡ぐ。
それらは流行りに乗ったり、好みの作風であったり、同じようなジャンルを書いてばかりでは、手癖で得意になった文章ばかり書いていては上達できないんです。
もし仮に本気でプロとして生計を立てる事を目指す人がいるのなら、本当に特にいろいろなジャンルや文体に挑戦してください。
一作に時間をかけて各賞の投稿レベルに持ち上げても、意味なんて全くありません。
アニメの台詞の流用で心苦しいのですが、むしろ時間をかければ馬鹿にだって傑作小説が書けます。
筆の速さが足りなかったら食べていけません、賞を取るためだけに研究、特化した作品だけでは応用が利きません。
とにかくいろいろ書いてみて、書き上げてください。特に書き上げるは重要です、プロには責任が伴うわけですから。
書けば書くほど、少しずつですが速度は上がっていきます。絶対です、保証します。
別にこれを読んでいるあなたが何を書いていようといいんです、好きな物を書いていいんです。
ただ、たまには評価や人気度外視の作品を書いてみてもいいじゃないですか、自分の書かなかったジャンルに手を出してもいいじゃないですか、それで壁にぶちあたったっていいじゃないですか。
上達するって事は、それさえも楽しむって事です。
好きこそ物の上手なれ、あなたは小説が大好きなのでしょう?